陽はまた昇る(★★★★★)
2002(東映)
原作:佐藤正明
脚本:
西岡琢也
佐々部 清
監督:佐々部 清
出演 :
西田敏行
渡辺謙
緒形直人
真野響子
篠原涼子
仲代達矢
家庭用VTR開発に奮闘する日本ビクターの男たちの、実話を元にしたドラマ
ホームビデオの世界標準になった「VHS」だが、厳しい経営状況の中ビデオ事業部の部長は、
部下たちを誰一人リストラさせることなく夢を実現させるために仲間と力を合わせてビデオ開発に挑む。
まさにプロジェクトXの世界だ!
技術屋の熱い奮闘ぶりが凄い。
なかなかうまいこといかなくて、西田敏行が疲れて歩く後姿の切ない背中の演技が泣ける。
そんな夫を理解してやさしく迎える妻。
ああ、にっぽんの男たちはみなこうして、がんばってるんだよなあ。
この不況の中、日に日に頭の毛が怪しくなる夫を思い浮かべて、もっと大事にしようと誓った映画だ。
VHS時代、映画好きの花房家にも大量のVHSがあった。
場所を取ったVHSはその後、CD、DVD、ブルーレイにとって代わる
【VHSの需要低下と終焉】
1976年からテレビ録画媒体として使用されるVHSであったが、21世紀に入るとDVDやハードディスクレコーダ、パソコンの普及、高精細テレビ放送やBlu-ray Discの登場、多くの国でのデジタルテレビ放送の開始といった「デジタル時代」「ハイビジョン時代」の中で、それに対応できないVHSカセットやVHS単体機は次第に売れなくなっていった。
デジタルレコーダーとの複合機も、過去のライブラリーをデジタル化することに重点が移り、テレビ番組の録画ができないタイプのものが増えた。
アナログ磁気テープはデジタルメディアに対して音・画質共に悪いうえに劣化が著しく、頭出しや巻き戻しも面倒で、再生装置も巨大になる。
1987年に高画質版VHSであるS-VHS、1999年にはデジタル録画対応VHSであるD-VHSが発売されるもデッキが高価でありDVDの普及に一役買ったのが、家庭用ビデオゲーム機であるPlayStation 2であった。
こうした状況も重なり、日本ビクターは2007年(平成19年)5月30日、経営不振による事業再建策として、VHSビデオ事業からの撤退・清算を発表した。
2008年(平成20年)1月15日にS-VHS単体機を全機種生産終了したと発表し、同年10月27日にはVHS方式単体機の生産を終了した。
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