羊たちの沈黙
トマス・ハリス
プロファイリング(犯罪現場や殺人の手口などから、犯人像を割り出す捜査)など、専門用語を一般化させ、
90年代にサイコ・ブームを巻き起こす原動力となった犯罪スリラーである。
豊満な女性を殺害し、その皮を剥ぐという殺人事件が続出
FBIはまったく手がかりを得られず、連続殺人事件を担当する行動科学科のジャック・クロフォードは、女性FBI訓練生のクラリスを、犯人像を割り出すために監禁中の精神科医レクターと接触させることになる。
クロフォードに捕らえられて、精神異常犯罪者用の病院の最厳戒棟に収監されているハンニバル・レクターは
9人を殺害、その行動から「人食いハニバル」と呼ばれている、 天才的とも言える元精神科医である。
犯人を分析する代わりとして、レクター博士は
クラリスに自分の過去を話すことを条件に出す。
レクターは、クラリスの仕草や表情、過去の話から微妙な心理を読み、
クラリスの心理を揺り動かす巧みな質問をしていく。
そして、的確な精神分析。
ホラー小説でありながら、あらゆる面にわたりリサーチが徹底していており
きわめて現実的に、簡素に鮮明に描写している。
特にレクター博士とクラリスの 心理学上のやりとりは専門的で、
深層心理を掘り下げていくような描写は、
より一層恐怖感を高め、
惹き込まれるように一気に読ませる。
トマス・ハリスの巧みな筆致は、 見事しか言いようがない。
人食い殺人鬼でありながら、レクターが人を惹きつけて離さないのは
彼の挙動は実に紳士的で、 音楽・絵画を愛し、恐ろしく優れた嗅覚は
食することを楽しみ、
ありとあらゆる分野で、
豊富な知識の持ち主であるところにあるのだろうか。
殺人鬼でありながら、カリスマ性を持つ、
実に魅力的な人間にレクター博士を描いているのにはトマス・ハリス自身の、レクター博士という人物への愛着と愛情を感じる。
また、別の意味で、ジャック・クロフォードの
仕事人間でありながら、病床の妻を思いやる 中年男の、優しさ、切なさ、哀しさを上手く描いてグッド。
映画は、随分前に観ているのですが、
本のほうが、ずっといい。
ああああ~
仕事の出来る男って
それだけで、十分魅力的だけど、
時折見せる哀愁が、おじんフェチのわたしには、
ジャック・クロフォードに、たまらない魅力を感じるのでした。
レクター博士には、過去のことなんでも包み隠さず話すから
このわたしをじっくり分析してもらいたい・・そんな感じ。
ハンニバル・レクターは
最高の当たり役だったでしょうね。
ジョディ・フォスターも好きな女優さんです。
なんと言っても「タクシードライバー」の
娼婦の役がインパクト大過ぎました。
応援ぽち
タクシードライバ
20代に観たかな
マーティン・スコセッシの作品でロバート・デ・ニーロ主演
あの売春婦がジョディー・フォスターだと気がつくのはずっと後です。
ポン引き役のハーベイ・カイテルは好きな俳優です。
ジョディー・フォスターと同じ年齢です。
知的でクールビューティーなジョディー・フォスターの生き方好きです