昨日、午前中の時間を使って、上野の国立科学博物館で明日まで展示の「日本の自然を世界に開いたシーボルト」(企画展)
http://www.kahaku.go.jp/event/2016/09Siebold/
を見て来ました。
今日は今日で、世田谷美術館に行って来ました。どちらも「ぐるっとパス」を使いました。
まず、シーボルトですが、これは、企画展という名前でも常設展示の料金で入れます。常設展示の一部のような形です。620円のところ、ぐるっとパスで100円引きの520円でした。少し前に、江戸東京博物館のシーボルト展を見て、それに比べれば、小規模で限定的な内容の展示なので、行こうか迷ったのですが、シーボルト好きになってしまったからには、こういう機会は逃すべきでない、と考え、行くことにしました。結論としては、行ってよかったです。
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江戸博やこちらでシーボルトの企画を行ったのは、今年がシーボルトの没後150年であるからのようです。
こちらの国立科学博物館の展示は、
「シーボルト及びその関係者が実際に収集した自然史の標本、シーボルト標本によって学名が与えられた生物等を展示することで、日本の自然を世界に紹介したシーボルトの貢献について紹介します。」
という趣旨でした。
シーボルトは医師として来日しましたが、植物学者でもあり、動物学者としての素養があったとのことです。
そんなシーボルトが大量に収集して持ち帰った日本の植物や動物の標本類の一部が、展示されていました。
以下、簡単に印象に残った点を書いておきます。
私が一番見ておきたかったのは、シーボルトの妻、おタキさんの名前を学名としてつけたというアジサイの押し花標本です。授業で毎年見せているNHK「その時歴史が動いた」のシーボルトのビデオでも心を動かされるエピソードとして出てきます。アジサイの学名「ヒドランゲア・オタクサ」の「オタクサ」がおタキさんの愛称であるというのです。
アジサイの花の色はもちろん褪せていましたが、しっかりとした丸い花の形状を残していて、その標本にはシーボルトの手書きのサインとみられるものもついていました。
全体の中でも、このアジサイについては、おタキさんの肖像画などとともに大きめのスペースがとられていました。
その他、押し葉標本類はどれもとても美しく丁寧に残されていて、一つ一つを大切に持ち帰ったことが偲ばれます。ユリの花の標本もあり、特に、ヒメユリは、シーボルトがずっと手元に置いていたとの解説がありました。当時、ヨーロッパにはあまりユリの種類がなかったそうですが、シーボルトが日本からいくつかの種類のユリの球根を持ち帰り、ヨーロッパに広めたとのことです。アジサイについても同様です。
動物の分野では、「イセエビ」をヨーロッパに紹介したのもシーボルトが最初とのことで、標本が展示されていました。カブトガニの標本も持ち帰って紹介したそうです。
シーボルトは、日本に来る前にバタヴィアつまりジャカルタで大量にお酒・アルコールを購入し、日本の動物標本を保存するのに使ったそうです。そのお酒のびんも展示されていました。
シーボルトの名が学名につけられているものもたくさんありました。日本名でいうとオニヤンマ、アオバトなど・・・学名でなく名前そのものについているのは「シーボルトミミズ」くらいだそうですが。
ちなみにオニヤンマの学名は「Anotogaster sieboldii」といい、他の動物・昆虫類でも「sieboldii」とついているものが、日本の生物研究に功績を残したシーボルトに対する「献名」になります。
膨大なシーボルトのコレクションのごく一部でありますが、美しい標本に感銘を受け、心が温かく、どころか、熱くなりました。
明日までとなってしまいましたが、ご縁があって上野方面に行く場合には、ご覧になってみてください。本当は、ラスコーの壁画の特別展示や、一般の展示も見たかったのですが、時間がないのでほとんどシーボルトのしか見ませんでした。
館内は、小学生などが遠足や修学旅行等でいっぱいで、地下の入口に入ったとたんにカレーのにおいが漂っていて、下手すると展示室までにおっていました。ちょっとにおいすぎですね。
ミュージアムショップもちょっと覗いてきましたが、かなり充実しています。恐竜とか動物のぬいぐるみがリアルでした。ここも短時間しか見られませんでした。
そもそも私が国立科学博物館に来たのは何年ぶりか計り知れないほどで、10年単位で来ていなかったかもしれません。たくさんの展示・アトラクション?があって、一日遊べそうなくらいですね。
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国立科学博物館前のクジラ。
次に、今日見てきた世田谷博物館です。
家からはバスで1本なのですが、今まで行ったことがなく、ぐるっとパスがあれば無料なので行ってみるかと腰を上げたような感じです。
用賀駅から結構歩きます。砧公園の一角にあって、駅からの道案内はそこそこ親切で、おしゃれな散歩道が整備されています。あまりごみごみしていなくてとても気持ちがいい街でした。
砧公園も、初めて来ましたが、とても大きな公園で、樹木が生い茂っていて、子供や大人が思い思いに遊んでいました。いい所ですねえ。
見に来た展示は、「ぜんぶ1986年―世田谷美術館の開館とともに」というタイトルのミュージアムコレクション展(11月5日~来年4月9日まで)でした。
http://www.setagayaartmuseum.or.jp/exhibition/collection.html
企画展は「開館30周年記念 コレクションの5つの物語」というものをやっていて、こちらはぐるっとパスは使えず、1000円もかかるし、夕方近くに行って時間もなかったので見ませんでした。
1986年といえば、私はまだ・・・詳しいことを書くと年齢がばれてしまいますので書きませんが、まだ大学生として東京には来ていませんでした。でもわくわくする思い出深い時代の1年には違いなく、どんな感じのコレクションなのかなと興味を持ってうかがいました。
30年前に世田谷美術館はできたんですね。建物はやや古びた外観です。
30年前の美術作品は、当時の現代美術であっても、今現在のものとはやや違って見えます。
当時はまだ昭和であり、東京の各地の街並みを撮影した写真も、ああ昭和っぽい、雑然とした、でも今よりあたたかみの感じられる街並みだなと思いました。茅葺き屋根の民家ばかりを撮影していた写真家の作品もあり、30年前はこういうものもまだ多く残っていて、日本全体として今よりものどかである種、野暮ったさがあちこちに存在していたのだなと気付きました。
インターネットとか携帯電話の普及などによって、世の中は大きく変わってきたのかな。
すなわち、1990年代半ばくらいからでしょうか。
というわけで、1986年の展示は、あまり数多くはない作品群でしたけれども、1986年について、遠いような近いような、しかし、古き良き時代、になりつつあるような印象を持つことができました。
この展示だけを見に来るのではもったいないと思いますので企画展も普通には見た方がよいと思います。私は、結構家から近い方だし、博物館展示に興味があるので世田谷美術館という立派な施設も一度見ておきたいという考えと、周辺の砧公園などの環境・空気も味わおうと思って来たので、今日は時間もないしこのくらいでいいか、というところです。
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東京ではまだ紅葉がきれいで、砧公園や、散歩道のモミジ、バス通りの街路樹のイチョウなどがとてもすてきで、この秋に色づく街を心に焼き付けることができました。
あまり人が多くなくて落ち着いた住宅地で、穴場かもしれません。飲食店もそこそこあって、私はまあ気軽なドトール(某ビル地下)に入ったのですが、向こう側の席で熱心に勉強する少女が見えました。私もおすすめのチェックペンを使って勉強していました。ただし、私はピンクのペンに緑のシートを愛用していますが、その子は緑のペンに赤シートでした。小さめのタブレットPCを立てかけてましたので、よりハイテクな勉強法をとっているんでしょうかね。勉強もがんばる子どもがこのあたりは多いかもしれません。
美術館だけでなく周辺散歩なども含めて、よい気分で満たされ、来てよかった。という本日のお出かけでした。
と書いてる間に、日付が変わってしまいそうです。
学芸員のレポートの方も、日曜日は少し進めたいと思っています。
http://www.kahaku.go.jp/event/2016/09Siebold/
を見て来ました。
今日は今日で、世田谷美術館に行って来ました。どちらも「ぐるっとパス」を使いました。
まず、シーボルトですが、これは、企画展という名前でも常設展示の料金で入れます。常設展示の一部のような形です。620円のところ、ぐるっとパスで100円引きの520円でした。少し前に、江戸東京博物館のシーボルト展を見て、それに比べれば、小規模で限定的な内容の展示なので、行こうか迷ったのですが、シーボルト好きになってしまったからには、こういう機会は逃すべきでない、と考え、行くことにしました。結論としては、行ってよかったです。

江戸博やこちらでシーボルトの企画を行ったのは、今年がシーボルトの没後150年であるからのようです。
こちらの国立科学博物館の展示は、
「シーボルト及びその関係者が実際に収集した自然史の標本、シーボルト標本によって学名が与えられた生物等を展示することで、日本の自然を世界に紹介したシーボルトの貢献について紹介します。」
という趣旨でした。
シーボルトは医師として来日しましたが、植物学者でもあり、動物学者としての素養があったとのことです。
そんなシーボルトが大量に収集して持ち帰った日本の植物や動物の標本類の一部が、展示されていました。
以下、簡単に印象に残った点を書いておきます。
私が一番見ておきたかったのは、シーボルトの妻、おタキさんの名前を学名としてつけたというアジサイの押し花標本です。授業で毎年見せているNHK「その時歴史が動いた」のシーボルトのビデオでも心を動かされるエピソードとして出てきます。アジサイの学名「ヒドランゲア・オタクサ」の「オタクサ」がおタキさんの愛称であるというのです。
アジサイの花の色はもちろん褪せていましたが、しっかりとした丸い花の形状を残していて、その標本にはシーボルトの手書きのサインとみられるものもついていました。
全体の中でも、このアジサイについては、おタキさんの肖像画などとともに大きめのスペースがとられていました。
その他、押し葉標本類はどれもとても美しく丁寧に残されていて、一つ一つを大切に持ち帰ったことが偲ばれます。ユリの花の標本もあり、特に、ヒメユリは、シーボルトがずっと手元に置いていたとの解説がありました。当時、ヨーロッパにはあまりユリの種類がなかったそうですが、シーボルトが日本からいくつかの種類のユリの球根を持ち帰り、ヨーロッパに広めたとのことです。アジサイについても同様です。
動物の分野では、「イセエビ」をヨーロッパに紹介したのもシーボルトが最初とのことで、標本が展示されていました。カブトガニの標本も持ち帰って紹介したそうです。
シーボルトは、日本に来る前にバタヴィアつまりジャカルタで大量にお酒・アルコールを購入し、日本の動物標本を保存するのに使ったそうです。そのお酒のびんも展示されていました。
シーボルトの名が学名につけられているものもたくさんありました。日本名でいうとオニヤンマ、アオバトなど・・・学名でなく名前そのものについているのは「シーボルトミミズ」くらいだそうですが。
ちなみにオニヤンマの学名は「Anotogaster sieboldii」といい、他の動物・昆虫類でも「sieboldii」とついているものが、日本の生物研究に功績を残したシーボルトに対する「献名」になります。
膨大なシーボルトのコレクションのごく一部でありますが、美しい標本に感銘を受け、心が温かく、どころか、熱くなりました。
明日までとなってしまいましたが、ご縁があって上野方面に行く場合には、ご覧になってみてください。本当は、ラスコーの壁画の特別展示や、一般の展示も見たかったのですが、時間がないのでほとんどシーボルトのしか見ませんでした。
館内は、小学生などが遠足や修学旅行等でいっぱいで、地下の入口に入ったとたんにカレーのにおいが漂っていて、下手すると展示室までにおっていました。ちょっとにおいすぎですね。
ミュージアムショップもちょっと覗いてきましたが、かなり充実しています。恐竜とか動物のぬいぐるみがリアルでした。ここも短時間しか見られませんでした。
そもそも私が国立科学博物館に来たのは何年ぶりか計り知れないほどで、10年単位で来ていなかったかもしれません。たくさんの展示・アトラクション?があって、一日遊べそうなくらいですね。
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国立科学博物館前のクジラ。
次に、今日見てきた世田谷博物館です。
家からはバスで1本なのですが、今まで行ったことがなく、ぐるっとパスがあれば無料なので行ってみるかと腰を上げたような感じです。
用賀駅から結構歩きます。砧公園の一角にあって、駅からの道案内はそこそこ親切で、おしゃれな散歩道が整備されています。あまりごみごみしていなくてとても気持ちがいい街でした。
砧公園も、初めて来ましたが、とても大きな公園で、樹木が生い茂っていて、子供や大人が思い思いに遊んでいました。いい所ですねえ。
見に来た展示は、「ぜんぶ1986年―世田谷美術館の開館とともに」というタイトルのミュージアムコレクション展(11月5日~来年4月9日まで)でした。
http://www.setagayaartmuseum.or.jp/exhibition/collection.html
企画展は「開館30周年記念 コレクションの5つの物語」というものをやっていて、こちらはぐるっとパスは使えず、1000円もかかるし、夕方近くに行って時間もなかったので見ませんでした。
1986年といえば、私はまだ・・・詳しいことを書くと年齢がばれてしまいますので書きませんが、まだ大学生として東京には来ていませんでした。でもわくわくする思い出深い時代の1年には違いなく、どんな感じのコレクションなのかなと興味を持ってうかがいました。
30年前に世田谷美術館はできたんですね。建物はやや古びた外観です。
30年前の美術作品は、当時の現代美術であっても、今現在のものとはやや違って見えます。
当時はまだ昭和であり、東京の各地の街並みを撮影した写真も、ああ昭和っぽい、雑然とした、でも今よりあたたかみの感じられる街並みだなと思いました。茅葺き屋根の民家ばかりを撮影していた写真家の作品もあり、30年前はこういうものもまだ多く残っていて、日本全体として今よりものどかである種、野暮ったさがあちこちに存在していたのだなと気付きました。
インターネットとか携帯電話の普及などによって、世の中は大きく変わってきたのかな。
すなわち、1990年代半ばくらいからでしょうか。
というわけで、1986年の展示は、あまり数多くはない作品群でしたけれども、1986年について、遠いような近いような、しかし、古き良き時代、になりつつあるような印象を持つことができました。
この展示だけを見に来るのではもったいないと思いますので企画展も普通には見た方がよいと思います。私は、結構家から近い方だし、博物館展示に興味があるので世田谷美術館という立派な施設も一度見ておきたいという考えと、周辺の砧公園などの環境・空気も味わおうと思って来たので、今日は時間もないしこのくらいでいいか、というところです。
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東京ではまだ紅葉がきれいで、砧公園や、散歩道のモミジ、バス通りの街路樹のイチョウなどがとてもすてきで、この秋に色づく街を心に焼き付けることができました。
あまり人が多くなくて落ち着いた住宅地で、穴場かもしれません。飲食店もそこそこあって、私はまあ気軽なドトール(某ビル地下)に入ったのですが、向こう側の席で熱心に勉強する少女が見えました。私もおすすめのチェックペンを使って勉強していました。ただし、私はピンクのペンに緑のシートを愛用していますが、その子は緑のペンに赤シートでした。小さめのタブレットPCを立てかけてましたので、よりハイテクな勉強法をとっているんでしょうかね。勉強もがんばる子どもがこのあたりは多いかもしれません。
美術館だけでなく周辺散歩なども含めて、よい気分で満たされ、来てよかった。という本日のお出かけでした。
と書いてる間に、日付が変わってしまいそうです。
学芸員のレポートの方も、日曜日は少し進めたいと思っています。