花と山を友として

何よりも山の花が好き、山の景色が好き、山で出逢う動物が好き、そして山に登る人が好き。
写真と紀行文で綴る山親父日記

日立の御岩山から高鈴山に縦走・高鈴山編

2010年01月13日 | 登山
先ほど登ってきたルートを右に見ながら、木立に覆われた尾根道を高鈴山に向かう。

木漏れ日の尾根道は快適で、先ほどの岩登りが嘘のようである。
途中ですれ違った登山者に聞いたら、高鈴山まで20分ほどだという。


そしてまもなくこんな道案内が出ていた。


そこは尾根道と平坦な道の合流点で、平坦な道に出て案内標柱を見ると、高鈴山と
向陽台の方向を示していた。


そして今通ってきた尾根道方向は、賀毗礼の峰と表示されている。
(御岩山とは表示されていないのだ。)

尚も木立の続く平坦な道を行くと、危険 路肩に注意と書かれたこんな崖の道もあるが
路肩に近づかなければ、危険は感じない。

木の名前には詳しくないので、何とも言えないのだが、リョウブの様な木の肌をした
木と、青々とした葉っぱをつけたアセビと思われる木が、道の両側に続いている。

降り積もった落ち葉が、カサカサと音を立て、木立の陰が長く伸びていた。
風一つ無い山道の穏やかなひととき、山歩きの幸せを感じる時間であった。
所々にオオシマザクラと名札の着いた桜の大木が有った。


やがて少し下った所に、三つ叉の分岐があり、右は「玉だれの滝」方向である
高鈴山は、やや左方向に進む。


その先の高鈴山への道は、ダラダラと登る小さなピークと平坦な道がいくつか続く。
写真のダラダラ坂を登っていたら、落ち葉の下の霜柱を踏んで、ツルリと滑った。
「オットーッ」と思わず声を上げて体勢を立て直していたら、いつの間にか後ろから
登ってきた年配の登山者が「落ち葉で見えないからね。」と声をかけてきた。
「あっどうも」と挨拶を返す。

かなり歩き慣れていると見えて、スタスタと私を追い抜いていった。


日陰になった道には、うっすらと残雪さえ有った。
その先を見ると、東屋のような物が見えた。


東屋に近づくと、その向こうには鉄塔がいくつか建っているのも見えた。
どうやらあそこが高鈴山の山頂なのだろう。

東屋の中には、テーブルと取り囲むベンチも有る。



東屋を越すと、舗装されて林道と合流する。
合流点には、助川城跡へ8.2Km、高鈴山0.3Kmの標柱が立っていた。


傍らには、高鈴県立自然公園案内の看板も立っている。


たぶんこの林道は、無線中継局などの維持管理様に舗装されているのだろう。
林道を少し歩くと


右側の笹の尾根道から登山者がおりてきた。
「そこが山頂への道ですか」と尋ねると「そうです。」という。
そこで私もその道を登っていった。

山頂に着いてみると、結局この道と舗装された道は、同じ所に着くのだったが


高鈴山の山頂に着くと、そこには広い木製の展望台があり、中高年の団体らしい登山者が
6~7人休んでいた。
挨拶をして「途中で出逢った方に、富士山が見えると教わったのですが、どちらの方角でしょうか」
と尋ねると、「この展望台からは見えないから、向こうの観測所の金網の向こう側に行かないと」
という。



この高鈴山レーダー雨量観測所と書いてある建物の裏に回ってみると


右の林越しに、筑波山らしい双耳峰の山が見えたが、富士山は霞に隠れて見えなかった。
左は思ったより近く、太平洋の海原が見えている。


展望台に戻り「富士山は見えませんでした」というと「まあこの時間では霞んでしまうから、もう少し早く来ないと見えないだろうね」という。
展望台から右を見ると、神峰山が見え、その向こうに海が広がっている。


正面には、先ほどの岩だなで見た きららの里が見える。


その左の木立の上に、久慈男体山が尖った形で見えていた。
本来なら、あそこに登っていた筈なのだ。


さらに左方向には、日光連山が見えると他の人は言うのだが、電波塔にジャマされて
よく判らなかった。


これは三角点だと思うのだが、何故か埋められていて良くわからない。
奥のベンチの前には、まだ残雪も残っている。

そばには立派なトイレも立っている


周辺の案内図も建っている。


近くの人に頼んで、記念写真を撮って貰った。

天気が良いせいか、登山者が次から次へと登ってくる。
やはり途中で「富士山が見える」と教わって登ってきたご夫婦らしい二人連れは
神峰山から縦走して来たと言っていた。

昼には少し早かったが、食事にした。
コンビニで仕入れたフルーツゼリーは私の好物であり、山のお供に欠かせない。
花友と山に登るときは、いつもバナナを持参する。
それを花友も知っていて、時々バナナを持ってきてくれる。

バイクの爆音がしたと思ったら、林道をバイクで上って若者達が来た。
ここは一般者でも山頂まで車でこれるらしい。
革ジャン姿でトイレに駆け込んで行った。
やはり冷えてしまったと見える。

そのうち冷たい微風が吹き始めたので、冷え切らないうちに下山することにした。
登りに使ったあの崖道はおりたくないので、他の人に聞いて見たが、生憎と詳しい人は
いなかった。

しかし登る時に「向陽台」方向という分岐が有ったので、向陽台を経由すれば
下山出来る筈である。
しかし地図を持っていないので、その地点がどこなのか不明なのだ。
とにかく向陽台を目指して、引き返す事にした。


御岩山山頂からの道と合流する地点に「御嶽神社」という標柱が有る。
登る時はパスしたが、気になるので登ってみた。
しかしピークに登り着いてもそれらしい建物は無かった。
あるいは、もっと遠くなのかも知れないが、今回はここで諦めて引き返す。


御岩山の山頂を過ぎて、尾根道に立ちふさがった岩を回り込むと、左側に開けた場所があり、展望も良く「きららの里」が見える。


その左方向の遠方には、あの尖った久慈男体山も見えている。
そしてそこからちょっと小高い峰を越えて下ると


今おりてきた方向を指して「賀毗礼の峰」と書かれた標柱があり、括弧書きで
御岩山山頂との表示も有る。
えっ どういう事、今の場所が「賀毗礼の峰」なのかな、それとも方向を示しているだけなのか


とにかく判らないので、もう一度引き返して、小高い峰の写真を撮った。
謎の多い山である。せめて地名の表示は欲しいな。

そこからダラダラと下ってゆくと


坂の途中に、まっすぐは向陽台、左は御岩神社、後ろは高鈴・賀毗礼の峰の標柱が有った。
(たぶんここから左に行けば、御岩神社に抜けられたと思うが、とりあえず向陽台がどこか
確かめたかったので)
まっすぐ向陽台に向かった。


やがて曲がり角に、左方向が向陽台の標柱があり


そこから左に坂道を登ってゆくと、尾根のピークに着いた。
これは後で知った事だが、そのピークの標高は492メートルと地図に出ていた。

そのピークから右にダラダラ坂を下ってゆくと。

尾根道が有ったり


山腹を巻く道が有ったりする。


そしてようやく高鈴山2.0Km、向陽台0.3Kmの表示に着いた。
だが御岩神社方向は、左方向の筈なのにどういうわけか右方向に曲がってゆく。


少し不安に成りながらも、坂道を下ってゆくと、その先は左に大きくカーブしていた。

やがて高鈴山県立自然公園指定植物一覧の立て看板や


日立鉱山のゲートが有り


神峰山の登山口に着いた。

そこが舗装された林道との合流点で、高鈴山登山口の大きい柱が立っていた。

そこから左に舗装された林道を歩いてゆく。
ここまで来れば私にも容易に想像がつく。これはあの駐車場に抜ける道に違いない。


思ったより林道の距離がある


やがて想像は当たっていた。右下に本山トンネルの出口が見えた。


林道の先の右側に駐車場も見える。


ようやく本山トンネルの近くの高鈴山登山口に着いた。
だが、これから御岩神社までは結構あるよなー。
いささかげんなりした。


県道36号線をテクテク下って行くと、きららの里の入り口を通る。


そして車で走っている時は気付かなかった廃屋を見つけたりする。


やがて左側に「とうふ工房」の建物が見えたら御岩神社は近い。
この工房の庭に、水がくめる場所が有るらしく、数人の人が集まっていた。


その先のカーブの所に御岩神社の看板が出ており、そこから左に入って、丁字路を
左に曲がれば神社である。


この看板の県道の反対側には、無料の駐車場があるのだが、工事中らしく資材が
おいてあって、しばらくは使えそうも無い。



スタート地点の御岩神社の駐車場に着いたら、杉の丸太もだいぶ減って運搬車もいなかった。
帰り支度をしていると、参拝者の車が時々やってくる。
ジャマにならないように早く帰ろう。