花と山を友として

何よりも山の花が好き、山の景色が好き、山で出逢う動物が好き、そして山に登る人が好き。
写真と紀行文で綴る山親父日記

一期一会の山の花たち

2010年01月20日 | 写真
山の花は、毎年同じように咲くとは限らない。
年によって当たり年だったり、外れ年だったりするし、天候の変化によっても違ってくる。


2009年の流石山のニッコウキスゲは、さしずめ当たり年と言っても良かった。
尾瀬の湿原に咲くニッコウキスゲも良いが、山の斜面を埋め尽くすニッコウキスゲの見事さは
格別である。


同じ山でこんな「ノギラン」の花もみたが、咲いているのを見たのは初めてであった。
花や茎が粘るネバリノギランはよく見かけるが、ノギランは少なかった。

だから山の花は一期一会であると言っても良い。
必ず又あえるとは限らない。


これは奥日光の小田代ヶ原に咲くノアザミのシロバナですが、木道から遠いこともあり、気付かない人が多い。
なにしろ500ミリの望遠を使ってもこの大きさにしか撮れない花である。
不思議とこれは3年続けて咲いていた。


夏の日光白根山に丸沼のロープウェイで登ったら、見てみたいのが「ヒカリゴケ」
かすかな外光で緑色に光っている様は神秘的ですらある。
昨年、刈込湖のそばでも光っているのを見つけた。


昨年、尾瀬の笠ヶ岳に7月に登って、やっと出会えたのがこの「ミヤマムラサキ」
北海道と中部地方に隔離分布しているという貴重な花、尾瀬でも笠ヶ岳にしか無いという。
笠ヶ岳は、中腹から頂上まで高山植物に覆われているのに、登山者の少ない静かな山である。
今年も又、是非行きたい山である。


これは私の生まれた岩手県のおとなり、秋田県にある花の百名山「秋田駒ヶ岳」の大焼砂から
見る馬場の小路と女岳、右は馬の背、手前の黄色い花は「タカネスミレ」
秋田駒ヶ岳は、3種類の黄色いスミレが同じ時期に咲く。私はそれを見たさに行ったのである。
あと二つは、「キバナノコマノツメ」と「オオバキスミレ」である。
大焼砂は黄色いスミレが終わると、コマクサの大群落が花開く。
コマクサの咲く頃、馬場の小路は、チングルマの花がまるで絨毯のように広がる。
花好きには 堪えられない路である。


秋田駒ヶ岳の八合目の休憩小屋の前に、なにげなく咲いているのがこの「ハクサンチドリ」のシロバナである。
誰も見向きもしないのには驚いた。

果たして今年の山では、どんな一期一会がまっているのだろうか。