苔むした石の道を行けば、傍らの茂みの下にカタクリやキクザキイチゲが点々と
咲いている。
石の舞台に咲くキクザキイチゲ。
これはヤブレガサかな、何故かゲゲの鬼太郎に出てくる傘のお化けを連想するなー。
やがて巨大な根が露出した尾根に行き着く。
根があれほど露出していても、見上げると天をつくような大木である。
すごいなーと思わず感嘆の声を上げる場所でもある。
ここの尾根は崩落が続いていて、尾根の反対側に越えると、木の根の露出した崖が
まるで屋根の様に突き出している。
かろうじて数輪、ニリンソウが咲いていた。
こちらはネコノメソウの花だが、何ネコノメなのかはちょっと判らない。
以前、葉が対生か互生がちゃんと見なさいと言われていたので、対生が判る角度で
撮ってみた。
ところが、シベの数を調べなかったので、同定出来なかった。またもや失敗。
やがて木道が流されている場所についた。去年は無事だったから、原因は何だったのだろう
次の木道の前は、水が流れてぐちゃぐちゃだった。長靴で大正解だったと思う。
その先はいよいよ湧水の沢である。
豊富な湧水が作り出した渓流が、心地よい轟きを響かせている。
木漏れ日に輝く苔むした石の間を、文字通り清流が流れて水しぶきが煌めく。
日本にもこんな綺麗な沢がある。
これは一番奥の湧水口の付近にたてられている説明板です。
昔、高原山に登拝する人が、ここで身を清めた精進に由来すると書かれている。
とすれば、この尚仁沢から登るコースが、最も由緒あるコースなのかも知れない。
いずれ近い将来、このコースを登って見たいものである。
これは説明板の側にある湧水口の一つで、石の間から湧水が噴出している。
湧水の廻りは、保全地域でもあり、巨木が沢山ある。
中には苔むした巨木が、陽に輝いて何とも言えない美しさを放っている。
かと思えば、こちらでは蔓が巨木を締め上げている。
下に藤の実が落ちていたから、締め上げているのは藤蔓なのであろう。
湧水口から尚仁沢川に出ると、上流に砂防ダムがあり、その下の石を渡って対岸に
行って見たら、こんな看板と明瞭な踏み跡が付いている
その踏み跡をたどって右に登ってみたら、すぐにこんな林道に飛び出した。
そこから上は、一般車通行禁止になっている。
万が一の時の、エスケープルートとしては使えそうだ。
ひとまず林道を確認して、もと来た道を帰ることにした。
記念に苔むした石の清流とハルトラノオの群生を撮って登山口に帰ってきた。
登山口で何気なく山を見上げたら、なんとアカヤシオが尾根に連なって咲いていた。
終わり