ビスクドール・雛人形店・オーディオ販売 佐久市 ヤナギダ店長ブログ

ビスクドール64体他お節句雛人形をフランスへ輸出128年、軽井沢方面がお店の場所。

2022年12月12日 11時48分54秒 | owarai
「お願い、お願い、お願い」と、
叫びながら、雨はあとからあと
から地上に落ちてくる。

木の葉の一枚一枚を濡らし、樹
木の幹の奥深くまで染み込んで
ゆく、哀しい雨だ。窓ガラスを
伝う雫は、夜の闇を流している、
涙のようだ。

それなのに、あのひとのいる場所
は今は朝で、空は青く、どこまでも
晴れ、憂いのかけらもなく、乾いて
いるのかもしれない。たったひと粒
の雨さえも共有できない場所に、
決してつながることのない地平に、
わたしたちはいるのだと思った。

電話がなったのは、午後十時を
五分ほど回った頃だったか。
わたしはバスルームにいて、ち
ょうどシャワーを終えたところ
だった。

やっと、やっと、やっと、かか
ってきた。あのひとからの電話。
バスタオルを取るのももどかし
く、濡れた躰と濡れた髪の毛の
まま、電話機に飛びついた。
電話器をつかみ取り、相手を
確かめもしないで、わたしは
呼びかけた。

「もしもし、快晴?もしもし?」
「あ、もしもし、桜木さん?そ
ちらは桜木さんお宅でしょうか。
芦川ですけど」
軽い目眩のようなものを感じ
た。それは、失望のせいだと
わかっていた。けれどもその
失望を、芦川さんに気取らて
はならないと思った。咄嗟に、
わたしは驚いたふりをした。

「ああ、びっくりした。誰か
と思ったら、芦川さん」
「夜分遅くにすみません。ご
迷惑を承知でかけています。
部長からお辞めになると聞いて、
今、ちょっと、話せますか?」

駅の近くにある「喜合」という
居酒屋の場所を芦川さんに教えた。

レインコートに身を包み、大きめ
の傘を出し出して出かけたにも
かかわらず、店に着いた時には、
髪の毛も足もとも、泣きたく
なるほど濡れて、冷たくなって
いた。

店員さんが気を利かせて、おし
ぼりと一緒に、真っ白なタオル
を差し出してくれた。
芦川さんはふたりがけのボック
ス席で、日本酒を飲みながら、
わたしを待っていた。

わたしはジントニックを注文
した。店員さんが下がると、芦
川さんはすぐにしゃべり始めた。

「辞めるって、あの仕事の件です
か」
「もういいんです。ありがとう
ございます」
自然に、頭が下がってしまう。
わたしはもういいんです。
「アメリカに行こうと思って
るんです」

まだ、あのひとにも伝えてい
ない決意を、わたしは芦川さ
んに告げていた。

「こないだね、営業先の人が
教えてくれたんですけど、ニ
ュージャージー州にある日本
人学校で、教師を募集してい
るそうなんです。応募者が多
くて、競争率もすごく高そう
だったけど、でも、だめでも
ともとって気持ちで、書類だけ
でも出しておこうと思ってます」

「そうなんですか。アメリカで
仕事を?」
「はい」
「なんや、そういうことなら、
俺ももうこれ これ以上
言うのをやめておきます。

桜木さんが会社を辞めてしま
うのは依然として残念やけど、
まあ、そういうことなら。
俺が無理に引き留めても・・・」

思わず、芦川さんの優しい視線
に、しがみつきそになっていた。




~夕暮れ便り~

2022年12月12日 11時45分41秒 | owarai
なぜか、ひとり旅がしたく
なった。

恋人に近いボーイフレンドは
いたが、少しそのやりとりに
も疲れて、ふと気分転換がした
くなった。

北海道へ渡ることにした。日本海
の小さな町に、高校時代の同級生
が大学から移り住んでいた。

その町は、古いにしん屋敷などが
残っていて、宿も趣きのある
アンティックな感じで気に入った。

太陽は、近く大きく、目の前の水
平線に本当にじかに沈んでいくよ
うで、神秘さえあった。

町で知りあった男の子と何を話し
たろう。海を見て、ベンチに男女
がふたりだけというのは、かなり
ロマンティックな光景かもしれず、

もしかしたら彼のほうは、その結
果を狙って誘ったたのかも、と、
ちらりと思ったりした。

夜、彼は近くの料理屋で私を歓待
してくれた。すっかり地元になじ
んで北海道弁になっている彼は、

店の人や、居合わせた同僚などに
「東京からのお客さん」と言って、
私を紹介する。

ただ、困ったのは、私が東京からわざ
わざ彼を訪ねてきた、婚約者みたいに
取られてしまうことだった。町じゅう
の噂になりそうだった。

翌日、駅まで送りに来た彼は、
「本当にここまで来てくれて、ありが
とう。よかったら、また、来てくれ
よ。その時は・・・・・」

となにか言いだげで、ちょっと悲しい
顔をした。
私は、東京のボーイフレンドに葉書を
出すのを忘れてたのに気づいた。

    ゚+o。。o+゚♡゚+o。。o+゚♡゚

ほんの迷いを 旅の空の風に散らそう
として

また、新しい思い出と迷いをかかえて
しまいそう

小さな煩悩なんて けして飛びそうな
荘厳な落日を見て

ひととき 無になりそうでも

それこそ生きてきた時間から見ると
ほんの一瞬で

すぐ夜が来て また日は昇る

大人になりきれない時期は

ささいなことでも 一日ひとつは
小さな刺を

かかえてしまうようで

そして 同じように こちらも誰かに
その刺を

感じさせているのかもしれない

ひとり旅は開放感とともに その反動
の物思いも増える



『毎日、自分の嫌いなことを2つずつ』

2022年12月12日 11時44分29秒 | owarai
毎日、自分の嫌いなことを
2つずつ行うのは、
魂のためにいいことだ。
 モーム/作家「月と6ペンス」

パリに生まれ、幼少のころに両親と
死に別れイギリスに移住。
世界中を旅したのちに軍医となり、
イギリス情報局のスパイでもあり、
後に、作家になった。

嫌なことも、魂のためと思って実行
せよ。毎日、「たった2つだけでいい」
というところがミソ。

机の片づけや日記を書くでも良いの
です。

自分に自信が持ててくる。
人が、自分に惚れてくれるときは
そんな時。

「人は何を残すか」

2022年12月12日 11時42分34秒 | owarai
“あの人、この人の訃報を
受ける
肉体は消えうせても
心に残してくれた余韻は
決して消えさることがない“

「人間は死を約束された動物
である」と聖路加看護大学長
の日野原重明先生はおっしゃ
る。

人は一人で生まれ、やがて
たった一人で黄泉の旅に出る。

生の帰結は死である。
その前に一切は無力である。
学歴も、名誉も、地位も、
財産も、形のあるものはすべ
て壊れる。

でも、その人が残してくれた
無形の教訓は、肉体ととに
死滅するのではない。

人は死んでも、その人に影響
は消えない。自分は
何を残せるだろうか、思えば
溜息ばかり出る。