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「リア王」 舞台内容 一幕一場(3)

2010-01-27 11:26:47 | 「リア王」

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 コーディリアは、リアに「もう一度、言ってみよ」と迫られてやむなく口を開く。
Corelia: Unhappy that I amm, I cannot heave
       My heart into my mouth: I love your majesty
       According to my bond; nor more nor less.

Lear:      How, how, Gordelia ! mend your speech alittle
    Lest it may mar your fortunes.

Corelia:                      Good my load,
       You have begot me, bred me, loved me: I
       Return those duties back as are rignt fit,
       Obey you, love you and most honour you.
       Why have my sisters husbands, if they say
       They love you all ? Haply, when I shall wed,
       That lord whose hand must take my plight shall carry
       Half my love with him, half my care and duty:
       Sure, I shall never marry like my sisters,
       To love my father all.

コーディリア:不幸なわたしは、心の内を口に出すことが出来ません。
      確かにお父様をお慕い申し上げております、それこそは、
      子としての当然の務め、それ以上でもそれ以下でもございません。

リア:    どうして、どうしてなのだ、コーディリア! もう少し言葉を繕えて申せ、
      わが身の幸せ(財産)を壊したくないのならば。

コーディリア:                   お父様、
      お父様は、わたしを生み、わたしを育て、わたしを慈しんでくださいました。
      そのご恩返しは当然の事、お父様のお言い付けを守り、お父様をお慕いし、
      心から敬っております。でも、もし仰る通りお父様お一人に心を捧げておいでなら、
      お姉さま方はなぜ夫をお持ちになったのでしょう?わたしでしたらおそらく、
      一旦嫁いだからには、結婚の誓いをその手に受けて下さる夫に、
      わたしの愛情はもとより、心遣いやお務めの半分を持っていってしまわれるでしょう。
      固くお父様だけをお慕いしようとするならば、わたしは、お姉さま方のように
      結婚などいたしません。


 ものは言いようとは言うけど、もう少し配慮してもいんじゃない? と言いたくなる台詞。
確かに彼女は、父と娘との間の至極当然な感情を飾り気のない言葉を述べただけなのだが…… 

 ただ姉たちの批判は余計だったと思う。この辺りのぶっきらぼうで、傲慢なところは父親のリアに一番似たところかもしれない。まあ、この父にして、この娘ありと言ったところか。

 しかし、ここは照れくさくても、もう少し配慮が必要だった。




 リアはコーディリアの言葉にカッとなり常軌を逸した言葉が口から飛び出した。
              'Let it be so; thy truth, then, be thy dower:
   For by the sacred radiance of the sun,
   The mysteries of Hecate, and the night;
   By all the operation of the orbs
   From whom we do exist, and cease to be;
   Here I disclaim all my paternal care,
   Propinquity and property of biood,
   And as a stranger to my heart and me
   Hold thee, from this for ever.'

        (ならば勝手にせよ、お前の言う誠実とやらを持参金にするがいい。
 太陽の穢れなき光の矢に、
 魔女ヘカティーの秘法と夜の暗黒に賭けて、
 我等人間の生死を司る天空の星の働きに賭けて誓って言うが、
 今こそ余は、父親としての心遣いも、親子の縁も、血の繋がりも、
 一切すべて棄て去り、今より後、永久に、お前を赤の他人と見なす)


 コーディリアは、無一文で勘当されてしまった。