みちくさをしながら

いろいろあって、生活を見直している日々。

『ワンダと巨像』やっとクリア

2006-01-23 15:19:44 | その他のゲーム
手から脂が抜けてあかぎれが出来るほど、巨像の攻略に苦戦した『ワンダと巨像』ですが、やっと昨日クリアしました。
まあ、年末年始の忙しい時期だったり、その間におチビの生活リズムが狂ってなかなか寝付いてくれなくなりゲーム時間が確保できなかったりといろいろありましたので、トータルのプレイ時間としては17時間ぐらいというところですか。
後半の巨像の攻略は、かなりパズル的要素が強く苦戦しましたが、先にクリアしている旦那のこうるさい横やり的確なアドバイスで何とかクリアしました。12体目を超えたあたりから何度も心が折れそうになりましたがね(笑)

それにしても、非常にストイックなゲームでした。
しかし、非常に良質なゲームでした。

ストーリーは、少女を生き返らせるために、禁断の地に足を踏み入れ16体の巨像を倒す、それだけです。
途中にムービーやイベントが挿入される訳でもないですし(2回だけ非常に短いムービーがある)、装備も初期装備の剣と弓があるだけで(1週目では)アイテム集めができる訳でもない。
ゲージも最低限(握力と体力のみ)です。
それどころか、アクションやRPGではおなじみのLVという概念がない。したがって、LVアップに必要な雑魚敵もいません。
生きている登場人物は、主人公と愛馬(アグロ)だけ。
マップは広いのですが、ただひたすら馬に乗って移動するだけです。しかも、聞こえるのは風音だけ。

しかし、そのシステム的なストイックさが、まるで主人公の精神世界そのもののような感覚を覚えさせてくれるのです。
風音に感じる孤独。圧倒的な巨像への畏怖、それに打ち勝つ知恵と勇気。
そして、巨像を倒した時の達成感。
巨体が断末魔の叫びをあげながら沈み込んでいく時の悲哀。
そのうちに本当に正しいことをしているのか何となく素直に喜べないような気分になるのですが、呼応するように主人公の姿もだんだんボロボロになり、希望と引き返せない悲しみがないまぜになっていくようで、イベントもないのに次第に主人公に入れ込んでいく自分がいました。
数少ないイベントとしては、8体目を倒した時に一瞬少女が生き返る夢を見るムービーが挿入されるのですが、それが切ない、切ない。
冗長なムービーでごたごたと味付けをした「大作」より、よほど面白いと感じるのが不思議なところですね。

しかし、途中の情報のなさに比べてエンディングはかなり長めです。
エンディングで、プレーヤーは主人公を突き動かしていた情熱が、世界を失っても構わないほど大切な愛であったのだと知るのです。
いろいろ思うところはありましたが、終わってみればこれがベストの作りだったと思います。


おそらく制作者は「ゲームでの物語表現」について、かなり考えられているのでしょう。
ゲームは映画ではない。ゲームにはゲームの語り方があってもいい。
その一つの答えが「ICO」であり、今回の「ワンダ~」であったような気がします。


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