皆様いかがお過ごしでしょうか。
世良先生のその後を知りたいと思いつつ海堂尊氏の本を読んでいたところ「スカラムーシュ・ムーン」を手に取る機会がありまして、読みました。
内容はワクチン行政の在り方を若いエネルギーを取り込んで物語に紡いでいます。
が、私は彦根先生の先読みの実力よりも、Dr,アマギの残り香が気になったのです。
彦根が北海道に世良先生を訪ねていき、Dr,アマギのエンブレムを借りてモンテカルロに趣く描写がありました。
彦根はそこでシャンス・サンプルに挑み、見事(見せ金ではありますが)巨額の金を勝ち取ります。
その時、クルピエに白にも自在に入れることができると聞いているので目かくしをと要求。
この場面で、世良先生がスリジエセンター設立のためにDr,アマギを招へいするためにシャンス・サンプルを行ったときのことを思い出しました。
そのときは確か「白」
それがここの答えかとか考えかとかつぶやいていたことも思い出しました。
Dr,アマギの考えを尊重するという答えだったのかと。
それで、この極北クレイマー、極北ラプソディです。
財政破綻した極北市に市民病院再建のために乗り込んできた、その人が世良先生でした。
自分を除いて、唯一の医師今中に出向を命じます。
世良院長のことが心配だという今中に世良が放った一言が
「潰しちゃえばいいんだよ」
失敗したら帰ればいいんだと言ったDr,アマギに重なってなぜかとても悲しい気持ちになりました。
本心ではないと思いつつでも、そんな義理はないんだよなと納得してしまう自分もいて、今中先生と同じに心寒い思いをしました。
「本当に私は必要ないんですね」
ああこの言葉は本来なら世良先生が、Dr,アマギに面と向かって言うべき言葉だったのはと、言わなければいけない言葉だったのではないかと思いました。
ここでやっと心の重しが外れた感じがしました。世良先生も私も。
自分が言えなかった言葉をこの若者は何のてらいもなく口にすることができる、今中が羨ましい。
かぶせて、世良先生の見方は私一人ですと言ってしまう今中万歳です。
「昔、故郷にさくらの樹を植えようとした人がいた。そして僕は、その樹の下で一生、花守をしていくんだと信じていた」
それに続く、運命に流されて生きてきた世良先生の悔恨と懺悔。
今回は逃げずに踏みとどまり、大きな宝物を18年ぶりに手に入れます。
嬉しいです。
極北市の冬は続きますが応援しています。
久しぶりに楽しい読書タイムになった海堂尊氏の著書でした。
遅れてきて正解?
続きはいつでるの~とやきもきしないで済んだからですが。。。
では、この辺で。