昨夜の我が家のサッカーバーでの総括は??
失点しない強さと陰の功労者
4年前の北京五輪で控えだった熊谷が、
ブラジルの攻撃陣と対等に渡り合った
過去に苦手としていたブラジルの攻撃
炎天下での非公開練習は、連日2時間前後にも及ぶもの
なでしこがロンドン入りする前、国内で行われた最終強化合宿では
「サイドチェンジ対策とセットプレー対策。
ハードなメニューだったけれど、選手たちは集中して、意欲的に食らいついてくれたよ」。
佐々木監督は毎日のように、手応えを口にしていた。という。
サイドチェンジとセットプレー。
なでしこがブラジルに脅かされつつ、その都度、跳ね返し続けたものが、それだ。
ブラジル女子代表は、破壊的な攻撃力で世界に君臨する強豪チーム。
2大エースのマルタとクリスチアーニにシュートを打たせるお膳立ては、
中盤のパスワークからの大きなサイドチェンジ。
1トップのクリスチアーニ、
2列目のマルタとタイース、
中盤に並ぶフォルミガ、フランシエリ、レナタ・コスタの3人、
合わせて6人の選手が執ようにポジションチェンジを繰り返し、パスを引き出す。
細かいパスを数本つなぎ、相手の守備陣を片方のサイドに集めたところで、
逆サイドにロングパスを放つ。
そのような攻撃を、過去のなでしこは苦手としていた。
守備陣形を大きく横に揺さぶられると、穴を作ってしまうことが多かった。
しかしこの試合では、ギリギリの局面にさらされながらも、最終的に防ぎきった。
度々サイドチェンジを許してしまったものの、
その後でしつこく、しつこくなでしこらしい粘りを見せた。
ダブルボランチの澤と阪口は、右へ左へと散々振り回されたが、
見事に走りきりそして、宮間、川澄の両サイドハーフと協同し、
オープンサイドでボールを受けた選手の進路を限定してボールを奪った。
ブラジルの選手にしてみれば、「抜いた」と思った瞬間、2人目、3人目の守備者が、
まるで忍者のように忍び寄ってくるような感覚だったのではないだろうか?
アテネ、北京と五輪で2大会連続得点王のクリスチアーニを、鮫島が空中戦で抑え込む。
澤以前、5年連続FIFA年間最優秀女子選手(バロンドール)受賞者のマルタを、熊谷が封じる。
鮫島、熊谷の2人は4年前、北京五輪の最終候補キャンプに参加し、
本大会メンバーに選ばれなかった選手たちだ。
つい先日まで、「若手」「新戦力」と呼ばれる機会の多かった彼女たちも、
ブラジルの攻撃陣と対等に渡り合い、「世界一」のチームのレギュラーたらんことをこのゲームで実証した。
さらに、前半8分から11分まで連続したのをはじめ、
90分間で計10回も与えたコーナーキックを、
ことごとく防ぎきったことも、この試合の大きな勝因。
特にGKの福元のパンチングは、技術、判断ともにすばらしいものだった。
サイドチェンジ対策やセットプレー対策は、
頭で理解するより実際に練習グラウンドで実力を培ったからにほかならない。
その陰に、忘れてはならない人たちが、国内合宿に、練習相手として参加した男子高校生や大学生選手たち。
佐々木監督は、今大会に限らず、世界レベルのパワーとスピード、
とりわけ大きなサイドチェンジや、長身を生かしたセットプレーを選手たちに体感させるべく、
身体能力に長ける男子選手たちの力を借りた。
練習に協力した男子選手にしてみれば、プレーヤーとしての評価につながるわけでもない。
名前が公表されることもない。求められたのは、注文通りにプレーすることだけだ。
そんな条件にもかかわらず、
連日、炎天下での練習でひたむきに、
忠実にプレーしてくれた男子選手も、間違いなく、ブラジル撃破の影の功労者だ。
失点しない強さに陰の功労者
なでしこジャパンの攻撃についてはブラジルの欠点を巧みに突いた攻撃に尽きる。
今大会ずっとそうだったように、この日もなでしこの中盤のパスワークはうまく機能していない。
「女子サッカー界のFCバルセロナ」とまで評された
昨年のワールドカップ当時のような選手同士の距離感、タイミングが、今ひとつかみ合っていないカンジ
なでしこは中盤を制することができなかったけど、
中盤を飛ばした縦に速い攻撃を繰り出し、
ブラジルの最終ラインの欠点を巧みに突くことができたのは大きな収穫。
ブラジルのDFは正面からのボールを跳ね返す力に長けているものの、
背後のスペースにボールを通されると、
お互いをカバーし合うことができないからだ。
前半27分には、澤のクイックリスタートから大野を経由し、
相手守備ラインの裏に抜け出した大儀見が先制点をたたき出した。
後半28分には、自陣の鮫島から一気に放たれた縦パスが大儀見に渡った。
大儀見はボールにタッチすると相手の背後に回り込み
(これは奇しくも、全盛期のマルタが得意としていたプレーだった)、
大野の追加点をアシストした。
2得点はいずれも、速攻だった。
正確なショートパスを何本もつなぐサッカーも美しいが、
世界タイトルを取れるような「強い」チームは、
必ず、相手を一瞬で仕留める速攻でも点を取れるもの。
こと、背後のスペースに弱点を抱えるブラジル相手には、最も有効な攻撃だ。
準々決勝ブラジル戦の勝因?、
佐々木監督が「闘志」と表現した守備の強さではないだろうか?。
敗れたブラジルのバルセロス監督は、落胆のあまり
「守備的な試合運びをしたなでしこは、優勝候補にふさわしくない」と、
試合後にコメントしたそうだ。
ブラジル女子が、
いまだW杯や五輪で一度も優勝できていない原因こそ、
「守備で試合をコントロールできないこと」なのでは・???コレを猿のケツ笑いと言う
ブラジルがやみくもに攻めるばかりのチームであるのと対照的に、
なでしこジャパンは危機管理に細心の注意を払いながら、
相手にボールを渡さないためのパス交換や、
相手に渡ったボールを奪い返す守備を、
サブの選手も含めて全員でやれるチームだ。
なでしこジャパンがこのロンドン五輪でもメダルマッチに進出できた秘訣は、
まさしくそこにある。
出場全12チームのうち、
合計失点数を「1」にとどめているのは、唯一なでしこだけ。
そして、失点しない強さの原動力は、
男子とのハードトレーニングに象徴される通り、
なでしこたちの「ひたむきさ」であり、
「常により高いレベルを目指す向上心」、
「絶対メダルを取りたいという強い闘争心」、
「自分と仲間を信じる心」であるように思うのは
俺だけではないと思う。
朝方夜が白み始める頃にまとまったブラジル戦の総括でした。
眠い!!
「眠眠打破」買いに・コンビニいこ!!
なでしこと一体になって応援している・元サッカー小僧のオヤジ