日日の幻燈

歴史・音楽・過ぎゆく日常のこと

【music】「Oh My Darling Clementine」

2015-01-25 | jukebox




「雪山賛歌」としてお馴染みの(私はあんまり馴染んでいないけど)この曲、もともとはアメリカのゴールドラッシュの時におきた悲劇をテーマにした歌だそうです。
上の動画は素人さん(?)による歌唱。下の動画はスウェーデンのアカペラグループ・Steptawaysによるコーラス。個人的には素朴な感じの素人さんのほうが好みですが、歌の響きの美しさという面ではsteptaways。


私がこの曲を好きになったきっかけは、「アメリカ型成功者の物語」(野口悠紀雄著・新潮文庫)。書店で何気なく手に取ったこの本にアメリカのゴールドラッシュの物語が載っていて、それがまた面白かったのです。
しばらく1840年代後半~50年代のカリフォルニアでのゴールドラッシュ(と、「アメリカ型成功者の物語」に出ていたゴールドラッシュ起源の諸々)にハマりまして。
デニムはゴールドラッシュ起源の、リーバイス(いっときリーバイスオンリーでした)。
車はすでに会社としては存在しないけど、スチュードベーカー(もちろん買ったわけではありません。)。
歴史上の人物なら、ジョン・万次郎(実際に金鉱掘りに参加したそうです)。

で、歌は…「Oh My Darling Clementine」。
金鉱掘りの娘・クレメンタインが川で溺れて死んでしまったことを嘆いている歌なのですが、これも諸説あるようです。娘ではなく恋人だとか。メロディは古いスペインのバラッドをもとにしているとも。ただ、もう1世紀以上もアメリカで歌われ続けているのだから、それはそれですごいことだと思うのです。

1番目の動画のようにバンジョーを伴奏に歌うと、西部開拓時代の男たちの、苦難を乗り越えて明日へ生きていくたくましさ、力強さ、そしてどこか楽天的な明るさのようなものが感じられます。
2番目の動画では、クレメンタインの死を悼む賛美歌のようなイメージ。同じ曲でも聴き比べてみると随分違った雰囲気になるものです。


それともうひとつ。
この曲の主人公・クレメンタインの名を冠したバーボン、「CLEMENTINE」。
雑誌でその存在を知り、探し続けてようやく発見。
もちろんネットで買えば一発だったけど敢えて店をめぐり続けました。
「Oh My Darling Clementine」を聴きながら、ショットグラスでキュッと喉の奥に流し込めば、気分はもうアメリカ開拓時代。

今夜は幼くして亡くなったクレメンタインを偲びつつ、バーボンでアダルトな時間を過ごしましょうか。
でも、アダルトな夜になる前に、酔っ払って寝てしまう可能性がかなり高い私なのでした…。




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