僕が卒業した高知学芸高校の第51回同窓会総会が高知市内であり、同窓会中部支部の支部長を引き受けている僕も出席してきました。ふるさと土佐の匂いをかいできたいとの思いもありましたが、年齢差が半世紀以上もある世代が一堂に集う会合は、どのように企画され、運営されるかに興味があったからです。
ホテルの会場に近づいたとたん、収穫がありました。長い受付机に並んだお揃いのアロハシャツ姿に迎えられたのです。あれっ、会場を間違えたな、とフロントの掲示板を確認しようと戻りかけたくらいです。
実は同校の同窓会は10年ほど前から、入学年度が同じ「○○期生」、それもちょうど50歳になった年に企画・運営のすべてを担当することになっているのです。それまでは多くの学校と同様に職場代表や世代代表で構成する実行委員会や幹事会がやっていたのですが、「○○期方式」になってからは、気合いの入れ方が全く違ってきたそうです。
にぎやかながらも、母校の同窓会にふさわしい上品でスマートなものを。担当期になると、前期よりもレベルを高めようと、総会・懇親会の受付から進行、アトラクションまで、企画を練りに練り、リハーサルもして本番に臨みます。一年がかり、いやそれ以上前からアタマの中にあるお役目、との声も聞きました。
「同窓会の役員だけで受け持つのは大変」「毎回同じようなプログラムで、マンネリ化しているのではないか」。そんな心配も、かなり解消できました。「出席者がたくさんあるだろうか」の不安も毎回あったのですが、その回の○○期生が『基礎』になり、次期生も見学にやってくるので、かなり増えたそうです。
また、50歳という各世代の感覚を一番理解でき、活動できる年齢であることもうなずけます。
今年の担当は22期生。どの期でも同じですが同窓生の多くが故郷を離れて暮らしていますので、22期でも地元に居住する人が中心になって、約80人がこの日全員アロハ姿で「おもてなし」してくれたのです。
アトラクションも自前。女性陣が舞台いっぱいにフラダンスを披露しました。体の動きや切れに対する自信に陰りが出てくる年齢ですが(失礼!)、重ねた練習の成果をみせ、参会者全員に手ほどきするひとコマもありました。
キャラクターを登場させたり、心当たりを次々回って集めてきたという品々を賞品にした大抽選会も。
また、高知は酒好きなら誰もが認める酒どころ。同窓会にも関係者が少なくありません。乾杯もビールだけでなく日本酒も登場します。で、この日使われたの銘柄は?これも、22期生のひとりが社長を務める酒造会社の銘酒でした。
世代の幅広い参会者を飽きさせまいとする工夫と演出が印象的でした。会場では、来年の総会を担当する23期生もかなりの人数で出席。ノウハウをつかみ、より趣向を凝らした同窓会を、と見つめていました。
総会のマンネリ化に悩んでいる幹事さん、参考になりましたか。
(練習の成果を披露してくれたフラダンス)
(舞台に上がったキャラクター。愛称は学校らしく「マナブリス」)
(幅広い世代を飽きさせまいという工夫と演出がうかがわれました)
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