風の遊子(ゆうし)の楽がきノート

楽書き雑記「体育の日に思う=時にはトシに素直に」

 
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(登頂を断念させられた高知城天守閣の階段)


10月14日は体育の日。東京五輪の開催決定で関連イベントもにぎやかでしょうが、僕にとっては今年も運動不足への反省と体力の衰えを認識させられる日になるでしょう。


どちらかといえば高所恐怖症なのに、旅先で高い塔などを前にすると、心残りにしたくないせいもあって、これまで必ずてっぺんを目指してきました。ニューヨークの自由の女神も、狭くて傾斜のあるらせん階段を王冠の展望窓まで登ったものです。
10数年前に神経を痛めた後遺症はあるものの、古希を過ぎた今も地下鉄駅ではできるだけエスカレーターを使わずに、足で階段を上り下りしています。
ところが、今年2月、ついに断念させられました。高知に出かけ、久々に高知城に立ち寄った時のことです。

3層6階建ての天守閣に登ることにしました。土足厳禁なので靴を脱いで入場。歴史を思わせる木製階段はすり減ってツルツルして見えます。段差が大きく、その割に足を置く部分は狭いようです。それに傾斜角度がかなり急です。
でも、一つひとつの階段は8段しかありません。手すりもあるので大丈夫、と登り始めました。

 

3階から4階へと登っている時でした。
手すりを抱きかかえるようにしている自分に気付いたのです。

「靴下がすべるので素足になろう。着ている防寒コートを脱げば、もっと楽に登れるはずだ・・・」

「いや、手すりを抱えたのは、段の傾斜角度の大きさに怖気づいているからではないか」
「6階まで登れても、下りるのもひと苦労だろう」
自問自答が続きます。
「足を踏み外して骨折でもしたら・・・。しばらく名古屋へは帰れまい」
「マスコミに取り上げられ、『天守閣入場に年齢制限』『高齢者に登頂自粛を呼びかけ』なんてことになったら・・・」
結局、それ以上の階へ登ることは断念したのです。
「時にはトシに素直になろう。退くのも勇気」と自分に言い聞かせて。


「高知城の天守閣の防御は、ようできちゅうろ(土佐弁=よくできているだろ)。階段も敵が上がって来れんようにしちゅうがよ(しているからね)」。あとで会った地元の友人の慰めですが、階段を下りた時、すれ違いにサッサと登っていった同年輩の婦人の姿が、後あとまでまぶたに残りました。


さて、階段の傾斜角度はどのくらいだったのか。写真や天守閣の構造図に分度器をあててみると、55度でした。わが家の階段は40度。15度の差は大きいか、小さいか。受け止め方にも年齢差があるでしょうね。


《追記》

上記の文を掲載したのは12日。
ところが、14日(体育の日)の朝日新聞によると、文部科学省の調査では「70代の体力は、ここ12年で5歳ほど若返った」とのこと。
高知城の天守閣にも再挑戦してみようかな。








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           (城までのこの石段は軽快に登ったのですが) 

   
 

 

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