風の遊子(ゆうし)の楽がきノート

楽書き雑記「思い切った着想と創作=第43回名古屋芸術大学卒業制作展を見てきました」

 

  

           

               

 

名古屋の芸術系三大学の今年の卒展を締めくくる、名古屋芸術大学の卒業制作展に行ってきました。
同校の卒展は愛知県美術館ギャラリーと市民ギャラリー矢田、大学西キャンパスの3カ所で開かれており、このうち県美術館会場を拝見しましたが、思い切った発想と精魂込めた創作に出会うことができました。

美術学部の日本画、洋画コースからスタート。写真に掲載した作品はじめ、サイズが大きくて写真に収めにくい作品まで、なかなかの力作が並んでいます。

デザイン学科の作品は数多く、着想の豊かさと制作にかけたエネルギーを感じました。
例えば「北斎漫画。‘15」と題する作品。葛飾北斎の浮世絵に描かれている江戸時代の人物の動きやポーズと、現代に生きる人々の動きをイラストで描いてみると、両者には全く変わりがないことに気づいた、というものです。
さまざまな絵を3冊にまとめた本とともに展示しています。

「文字の骨格と筆記具の関係」と題する作品は、パソコンや携帯メールなどによって「文字を書く習慣」が薄れつつある時代だけに興味深く拝見しました。
碑に刻まれた文字、書籍の文字、鳥の羽根や木の枝で書いた文字などの骨格や歴史を調べ、実際に木の枝を作って書いた文字などを展示示しています。「文字を見つめていたら、筆記具の形や材質、歴史などでさまざまな骨格の違いがあり、なぜこうなったのかに興味がわきました。サクラの枝は学校の庭で拾ったものです」と発表者の学生は話してくれました。

商店と通りを行く人の距離を小さくする「窓」の提案も。
大きなガラス面でウインドウショッピングの客を誘うのもいいが、客が店内へ入るのは勇気がいること。[道行く人がちょっと開いて、店の人と話せる窓があれば会話も生まれ、購買意欲につながるのでは」というわけです。

「加齢臭」の文字に思わず足が止まりました。「凛」の名前を付けた化粧水や石鹸、乳液、シャンプーなどを並べ「さよなら 加齢臭」のキャッチコピーと「男は生涯、紳士であれ」のキーワードが。なるほど。

「尾張伝統野菜」のブランド化を目指すアイデアも。八事人参、次郎丸ほうれん草、方領大根、大高菜など約20種の野菜を「尾張伝統野菜」として一堂に集めたアンテナショップなどを設けてはどうか、とポスターなどとともに提案しています。

          

      

  



 

 


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