風の遊子(ゆうし)の楽がきノート

楽書き雑記「廃校のプールを泳ぐウミガメやサメたち。『むろと廃校水族館』は想像以上にワクワクでした=高知県東部の旅・室戸市②完」

 

 

「室戸を訪れたら、ぜひ見てきたい」。それは「むろと廃校水族館」でした。
長い歴史を閉じた小さな小学校がそのまま水族館になり、太平洋だけでなく子どものころの遊び場だった小川の魚たちも泳いでいる。それらの多くは地元の漁師たちからのプレゼント――。考えただけでもワクワクです。

水族館として再生したのは、室戸岬から徳島方向に少し走ったところにある旧椎名小学校。室戸市教育委員会の記録では昭和20年(1945)に141人いた児童が平成12年(2000年)には3人になって休校、6年後には廃校に。
残された鉄筋コンクリート造3階建ての校舎が昨年4月、そっくり水族館になりました。

1番の目玉は大水槽。子どもたちが夏を楽しんだ25㍍プールに、アカウミガメやサメがゆったり泳いでいます。サバやアジ、ボラ、シイラなどもいるようです。プールを囲む観光客や子どもたちから歓声が沸きます。

手洗い場だったところにはナマコやヒトデ、カニ・・・。イセエビもいます。それらを自由にタッチして楽しめるようになっていました。
大小の水槽にはタカアシガニ。ゴンズイ。タツノオトシゴ。
高知では口にする機会が多いウツボが重なり合うように何匹も。そのどう猛な顔とガラス越しににらめっこするようにカメラに収めました。

金魚もいます。
飼育・展示している海と川の生き物は50種類、1000匹以上。
ほとんどは、地元の漁師が定置網などにかかった獲物を届けてくれたのです。

だからしょっちゅう「新入生」がいます。他の廃校からやってきた「転入生」もいます。
なので、展示している魚の購入費は必要ありません。
ちなみに生徒数が多くなれば「卒業生」として、海へ放たれるそうです。

図書室の書棚には海や川の生き物に関する本。地元の漁師が水揚げしたミンククジラの骨格標本も。
理科室にはホルマリン漬けの標本がずらり。市民から寄せられた室戸で昔いたという動物のはく製も並んでいました。ペンギンは遠洋漁船で持ち帰り飼っていたようです。

掲示された説明や案内もほとんど手作り。
水族館の管理・運営にあたっているのは、室戸でウミガメの学術調査をしている「日本ウミガメ協議会」のメンバーたち。
年中無休(荒天の時は臨時休館)。つまり、毎日「授業参観日」なのです。すごいなあ。

予想像以上のワクワク感と童心にかえることができた旅の締めくくりでした。





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