≪ソバコウに関する囲碁の格言~『新・早わかり格言小事典』より≫
(2021年9月3日)
今回のブログでは、日本棋院から出版されている工藤紀夫編『新・早わかり格言小事典 役に立つ囲碁の法則』(日本棋院、1994年[2007年版])に見える、ソバコウに関する囲碁の格言について解説してみたい。
具体的には次の格言である。
〇ソバコウあって大威張り
〇ソバコウは立たず
【『新・早わかり格言小事典 役に立つ囲碁の法則』日本棋院はこちらから】
新 早わかり格言小事典―役に立つ囲碁の法則
さて、今回の執筆項目は次のようになる。
「ソバコウ」は「近所コウ」ともいう。
大石はコウになっても、近くにコウ立てがたくさんあるはずだから、なかなか死なないものである。
【テーマ図:ソバコウ】
≪棋譜≫(131頁の1図)
・たとえば、白(4, 十八)に取り込まれ、この黒の生死はコウにゆだねられることになった。
しかし、この黒には「ソバコウ」がたくさんあるから、ご安心なさいというわけである。
棋譜再生
【コウ立ての例】
≪棋譜≫(131頁の2図)
棋譜再生
・黒1がまずひとつめ。
【コウ立ての例】
≪棋譜≫(131頁の3図)
棋譜再生
・つづいて、白がどこかにコウ立てをして、白(4, 十八)に取り返したとしょう。
・あとはいちいちコウのやりとりは示さないが、黒1以下コウ立てである。
【コウ立ての例】
≪棋譜≫(131頁の4図)
棋譜再生
・さらに、眼をつくるゾ、という黒3以下も全部コウ立てになる。
まだ黒a(8, 十八)もある。
※これでは白はたまらない。黒さんの大威張りもうなずける。
ただし、いずれどこかで二手連打を白に許すことは、覚悟しておくべきである。
(工藤紀夫『新・早わかり格言小事典 役に立つ囲碁の法則』日本棋院、1994年[2007年版]、131頁)
前項「ソバコウあって大威張り」とは別に、ソバコウが立たないというケースである。
(碁にはこういうこともある)
【テーマ図:前型と少々形がちがう】
≪棋譜≫(132頁の1図)
棋譜再生
☆前型と少々形がちがっている。
a(3, 十七)に黒石がない。⇒この一事が黒にとって悲劇的である。
おなじく白(4, 十八)にコウを取られたところ。
【「ソバコウは立たず」の例】
≪棋譜≫(132頁の2図)
棋譜再生
・黒1が「ソバコウは立たず」である。
・白2と解消され、黒3に白4で、先に隅が取られてしまう。
※黒1はコウ材として使えない。
【黒の失敗:ツギで死】
≪棋譜≫(132頁の3図)
棋譜再生
・といって、黒1ツギでは白2、4で、コウに関係なく黒死が確定してしまう。
【黒のソバコウが物を言う場合】
≪棋譜≫(132頁の4図)
棋譜再生
(白4コウ取る、黒7コウ取る)
・結局、この形では、黒は他所にコウ材を求め、黒1のコウに勝つしかない。
・黒1に白2と謝らせれば、黒3、5。
・なお黒7のコウではあるが、今度こそ、a(3, 十四)以下の「ソバコウ」が物を言う。
※ソバコウ、立ったり、立たなかったりである。
(工藤紀夫『新・早わかり格言小事典 役に立つ囲碁の法則』日本棋院、1994年[2007年版]、132頁)
(2021年9月3日)
【はじめに】
今回のブログでは、日本棋院から出版されている工藤紀夫編『新・早わかり格言小事典 役に立つ囲碁の法則』(日本棋院、1994年[2007年版])に見える、ソバコウに関する囲碁の格言について解説してみたい。
具体的には次の格言である。
〇ソバコウあって大威張り
〇ソバコウは立たず
【『新・早わかり格言小事典 役に立つ囲碁の法則』日本棋院はこちらから】
新 早わかり格言小事典―役に立つ囲碁の法則
さて、今回の執筆項目は次のようになる。
・はじめに
・ソバコウあって大威張り
・ソバコウは立たず
ソバコウあって大威張り
「ソバコウ」は「近所コウ」ともいう。
大石はコウになっても、近くにコウ立てがたくさんあるはずだから、なかなか死なないものである。
【テーマ図:ソバコウ】
≪棋譜≫(131頁の1図)
・たとえば、白(4, 十八)に取り込まれ、この黒の生死はコウにゆだねられることになった。
しかし、この黒には「ソバコウ」がたくさんあるから、ご安心なさいというわけである。
棋譜再生
【コウ立ての例】
≪棋譜≫(131頁の2図)
棋譜再生
・黒1がまずひとつめ。
【コウ立ての例】
≪棋譜≫(131頁の3図)
棋譜再生
・つづいて、白がどこかにコウ立てをして、白(4, 十八)に取り返したとしょう。
・あとはいちいちコウのやりとりは示さないが、黒1以下コウ立てである。
【コウ立ての例】
≪棋譜≫(131頁の4図)
棋譜再生
・さらに、眼をつくるゾ、という黒3以下も全部コウ立てになる。
まだ黒a(8, 十八)もある。
※これでは白はたまらない。黒さんの大威張りもうなずける。
ただし、いずれどこかで二手連打を白に許すことは、覚悟しておくべきである。
(工藤紀夫『新・早わかり格言小事典 役に立つ囲碁の法則』日本棋院、1994年[2007年版]、131頁)
ソバコウは立たず
前項「ソバコウあって大威張り」とは別に、ソバコウが立たないというケースである。
(碁にはこういうこともある)
【テーマ図:前型と少々形がちがう】
≪棋譜≫(132頁の1図)
棋譜再生
☆前型と少々形がちがっている。
a(3, 十七)に黒石がない。⇒この一事が黒にとって悲劇的である。
おなじく白(4, 十八)にコウを取られたところ。
【「ソバコウは立たず」の例】
≪棋譜≫(132頁の2図)
棋譜再生
・黒1が「ソバコウは立たず」である。
・白2と解消され、黒3に白4で、先に隅が取られてしまう。
※黒1はコウ材として使えない。
【黒の失敗:ツギで死】
≪棋譜≫(132頁の3図)
棋譜再生
・といって、黒1ツギでは白2、4で、コウに関係なく黒死が確定してしまう。
【黒のソバコウが物を言う場合】
≪棋譜≫(132頁の4図)
棋譜再生
(白4コウ取る、黒7コウ取る)
・結局、この形では、黒は他所にコウ材を求め、黒1のコウに勝つしかない。
・黒1に白2と謝らせれば、黒3、5。
・なお黒7のコウではあるが、今度こそ、a(3, 十四)以下の「ソバコウ」が物を言う。
※ソバコウ、立ったり、立たなかったりである。
(工藤紀夫『新・早わかり格言小事典 役に立つ囲碁の法則』日本棋院、1994年[2007年版]、132頁)
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