YB&YBRダイアリー

中国ヤマハのYB125SPとYBR125でバイクライフを満喫するブログ
(自己責任を伴う整備・改造を多く含んでいます)

リレー無しの強化配線

2014年01月07日 | YBR電装系

YBR125のメインスイッチの配線を観察してて気づいたのは、他の配線よりも太い事。///

メインスイッチ側の配線は太いけれど、バッテリーからの配線・赤とスイッチ通過後の車体ACC配線・茶
の線径は比べてみると細い。

配線の強化改造をあれこれやったのはいいけど、メインスイッチの接点容量を上手く利用すればリレー無し
でアクセサリー配線と充電系の改良もできる。

こんな感じ。

アクセサリー配線とは別に、バッテリとレクチファイヤ・レギュレータ間の配線も1.25sqで強化する。
車体全体は基本的にバッテリから電力を供給してるけれど、同時にレクチファイヤ・レギュレータからも
電力をもらったり補充電をしてるわけ。
ところが補充電をメインにしてる関係でバッテリとレクチファイヤ・レギュレータ間の配線は最小限の太さ
だから、バッテリの持ち出し以上の負荷がかかった場合にレクチファイヤ・レギュレータの供給で補おうと
しても、配線が細いから電圧降下が起きて能力を存分に発揮できていない。

そこで、バッテリとレクチファイヤ・レギュレータ間の既存配線に“並列で追加配線”すればいいわけだ。
既存線+追加配線でボトルネックを無くす手法である。
無駄に太くしても圧着がやりにくいから1.25sqで十分だと思うよ。

幸い既存のヒューズホルダーとレクチファイヤ・レギュレータのコネクタに使われてる端子は、コネクタ用の
「平型端子 250型」。  探せばきっと見つかるはず。

矢印の爪がコネクタに差し込んだ時にひっかかる構造だ。
レギュレータの既存端子は精密ドライバーか四輪のワイパーブレードの“骨”をちょっと削って治具を作ると、
隙間に差し込んで爪を寝かせて抜く事が可能だ。
この辺の話は画像検索でもすると、いくらでも作業実例が見つかるよ。

追加配線のみ表記した図はこんな感じ。

このくらい簡素化すれば、どんな配線を作ればいいかきっと分かるだろう。
セルモーターのアーシング線は測定結果から判断して無くても困る事はないから、さらに簡単な構成に
できる。

とりあえず図面のみの紹介なのは、簡略化した図面を見ても理解できない人は配線改造に向かないので
やって欲しくないだけ。
図面みて萌えたら大丈夫かな?
電気や施工が少しでも分かる人へのヒントとして今回はこのくらいにしますよっと。

本音を言うと、また細かい作業の記事を書くのが面倒だったからw

最後にネタのヒントになっていただいたのしろさんの趣味のお部屋」に多謝!
この方は着々と独自の電装強化改造を遂行中なのだ。


アーシングとライト消費電流

2013年12月20日 | YBR電装系

配線整理で新たに引きなおした大電流用配線だったけれど、ついでにオカルトパワーの[アーシング]
施工してたので、ちょっと電流測定もやってみたよ。

ノーマル配線の接地線(アース線)電流の様子は以下の感じかな。

特に大電流が流れるセルモーターに着目してみると、メインのルートはクラッチカバーを通して既設配線
からバッテリーに戻る。
この他にエンジンマウントやフレームを経由して既設のメインハーネスを通って戻るルートもあるけれど、
ワイヤーが細いので、こちらにはあまり電流は流れない。
電流は正直で、流れやすい所へ集中的に流れるのだ。

前に既設接地線を測定した時には約12Aの電流が流れた。

これを基準に今回の配線変更でどう変化したかを探ってみる。

結果、同じ場所なのに電流がかなり減ったよ。

約1Aまで減って、残りの電流11Aはどこへ流れたのか?

増設した①セルモーターのアーシング線を測定してみる。

あれ?予想外にここもあまり電流が流れてないw たった0.6Aだ。
アーシング効果は無いのか??

効果が無いわけではない。
大電流が流れるルートが変わっただけだ。つまり電流の流れ方が変化したって事だ。

こんな感じで増設した②強化接地線の効果で、こちらへ大電流が流れやすくなったわけだろう。
セルモーターが回転する勢いが若干増したので、全体の電流は流れやすくなったと思う。

さて、俺のYBRの強化配線はアクセサリ用の他にポジション(+尾灯+メーター照明)とヘッドライトも
配線してる
ので、太くなった状態での消費電流(消費電力)やバッテリーの負担も知りたいから簡単な測定
をしてみた。

かなりへたった純正バッテリーだから、H4ハロゲンランプの負荷が影響して、アイドリング時ではギリギリ
の状態と読んだ。
長い時間の信号待ちには一時的にポジションへ切り替える癖をつけておこう。

3000rpmでは問題ないので走行時は安心してH4 55/60Wを点灯できる能力がYBRにあるね。
ただし、この測定結果はライト系の一部のみなので、実際はCDIやブレーキランプ、アクセサリ関係も
加算されるから、これ以上に大きな電流が流れる機器を接続するにはYBRの純正レギュレーターの能力
じゃ少し不安になるところだけど、まあいいかw
無駄に電流を引き出さなきゃ問題ないし、実際4年ちかく運用してて不具合は出ていない。

興味があるであろう、アーシング効果は正直あまり感じ取れなかった。

・セルモーターの勢いが少し増した感じ
・5000rpmからの吹け上がりが少しよくなった・・・・・かな?????

この程度であるw

特に吹け上がりに関しては元々俺のYBRがキャブ変更とインマニ交換のおかげで絶好調であり、しかも
季節柄、吹け上がりが非常に良いので誤差範囲内、いつもYBR号って感じでもある。
よって変化がわかったのはセルモーターの件だけって事で、世間で言う「事業が上手く行き、美女に
囲まれて札束の風呂に入れる」のようなプラシーボな幸せは起きていない。

みなさんがもしも配線強化するなら、手始めに①②配線だけ施工して検証したりしても面白いと思う。
例えばこの季節に一番分かりやすい始動性や始動後の安定性などに明らかな変化が起きたならば、ぜひ
コメントをいただきたいなぁ。
その人にとって変化や効果があったのならアーシング効果はあるって事だ。

測定結果から判断するとヘッドライトH4、キャブヒーター、スマホ充電やナビ、グリップヒーターなどを同時に
使うと、めいっぱいYBR純正の発電・充電系を使う事になるだろう。
灯火類のLED化で負荷を軽減させるか、大工事でジェネレーターステーターとローターとレギュレーターおよび
充電系の配線強化と開放型バッテリー車の場合はMF化を施工するなど、いろいろ工夫も必要になると思う。

ただし、YBRは発電機ではない。
バイクなんだから走って楽しむ事を優先すればそれでいいと思う。


改造配線の整理(実装編)

2013年12月18日 | YBR電装系

ぬくぬくと部屋の中で製作したケーブル類を車体に実装する様子を紹介するよ。

各番号順に付ければ迷わずに済む。

赤丸印の箇所が回路構成の中で一番の特徴で、端子台代わりにIG(イグニッション)コイルの固定
箇所を
利用する。

作業しやすいように左右サイドカバー、シート、タンクと燃料センサー配線コネクタを外す。

IGコイルはフレームに位置してるので前側の固定ボルトを外す。

丸端子をいくつか共締めするから既設のボルトをM6×20~25mmくらいに変更。
今回の作業で初めてココに細い線の接地線(マイナス線)が繋がってるのを知ったよ。
アーシングの効果が楽しみだ。(本当に効果あるのか?)

各番号の線を付けておく。

俺の場合は図面の他にヘッドライト専用のマイナス線もついでに固定した。

セルモーターへ行くアーシング線はフレームに沿わせる。

エンジンガードの固定金具が上手い具合に位置決めに使えたけれど、ガードが無い時はタイラップで固定
するとよいだろう。


エンジンのシリンダーは高熱になるから配線をできるだけ離してフォーミングするのが重要だ。

②バッテリの配線はこんな感じでフレームに沿わせてた。


既設ハーネス用のマイナス極線はギボシ端子で中継接続されてる。


ギボシ端子を引き離して③の割り込み分岐配線を接続する。

リレーコイルのマイナス極線・黒へつなげる。
リレーをこの位置にした理由は、シートを外さなくてもアクセスできて修理交換や配線変更の時にやり易い
からだ。

④ヒューズホルダーはバッテリー端子+極とリレー接点の入力・赤につなげる。

平型ヒューズ7.5Aは一時的に外しておくと作業中のショートを防ぐことができる。

⑤、⑥の強化ACC配線は7Φのコルゲートチューブに通してあるから、既設のチューブの沿わせて
タイラップで固定。

ハンドルを左右にきった時でも引っ張られないように曲げ具合を調整しておく。

[YAMAHA]のエンブレムを外して上へ通してライトケースの中へ。


ライトケース内に先端のギボシ端子が収まるようにする。

あとは好きなアクセサリーをつなげればOK。

⑥の強化ACC+極線・赤はリレー接点出力・黄につなげる。

⑦リレーコイルの+極配線は分かりやすいウインカーリレーの電源線・茶に接続すると良いだろう。
リレーコイル自体は駆動電流が少ないので大丈夫だ。

全体の配線は整線しながらタイラップでまとめる。

最後にIGコイルのボルトを増し締めしてからヒューズを付け、試しにメインキーをONにしてみる。
カチッとリレーが鳴って強化ACC端子に電圧が来てれば配線は成功だ。

ライトケース内の配線類は毎回まとめるのが大変で、レンズを収める時にじゃましてばかり・・・

真ん中付近を避けるようにドーナツ状に避けてまとめておくいとレンズが収まりやすい。
見えにくい下側に配線を噛みこませないように注意すること。

最後にエンブレム、タンクと燃料センサー配線コネクタ、シート、左右サイドカバーを戻して終了。
これでゴチャゴチャとなってたバッテリー周辺もすっきりして、整備の時も見やすくなった。
既設のヒューズと別系統のヒューズにしたから、なにか問題が起きた時にも切り分けがしやすくて
異常電流が流れても切れるから安全だ。

この季節に人気のキャブヒーター増設の時は、リレー出力・黄の直後から分岐させて温度センサースイッチ、
キャブヒーター+極へ配線すると良いだろう。
キャブヒーター-極は③割り込み分岐配線に追加接続するか、バッテリー端子-極、あるいはIGコイルの
集合接地点につなげれば簡単だ。

以上で今回の配線整理が完了した。
めんどくさいけれど、1回きちんとやってしまえば後が楽になるから良いきっかけだった。

真似する人も自己責任。
適当につないでYBRを燃やしちゃダメ、ぜったい!


改造配線の整理(製作編)

2013年12月16日 | YBR電装系

前回の改造配線の整理(作業編)で個々の作業イメージを紹介したので、今回は実際の製作について
書いてみるよ。
その前にYBR本体のワイヤーハーネスの電線についてちょっと判明した事があるのから前書きするよ。

さて、この電線の比較画像をみてみて!

電線って中身の導線が見えないと、被覆の太さでおおよその判断をする場合があると思うのだが・・・
この画像の例だと市販電線Bが一番太く、その次はYBRの電線、最後に市販電線Aが一番細いから、
市販電線B>YBRの電線>市販電線Aの順で導線が太くて電流容量もこれに準じてると思うでしょ?

ところが、実際の中身は・・・

ごらんのように、被覆が一番太かった市販電線BとYBRの電線の導線が同じ0.5sqで、市販電線A
のAVS電線だけが細い被覆なのに、ひとまわり太い導線0.75sqなのだw

車用品店やホムセンのカー用品売り場でよく見かけるエーモン工業の電線は、自動車用電線規格の
AV電線
を発売しており、バイク用品で有名なDAYTONAのガレージシリーズは、さらに絶縁体被覆を
AVより薄くしたAVS電線をバイク用に発売してる。
軽量化と、まとめた時の細径化、また柔軟性などを考慮するとバイク用品のデイトナはいい所に目をつけてる
と思う。
俺の場合はホムセンの切り売りでVSF電線を買ったけれど、実際に作業を進めてるうちに被覆の厚さが少し
邪魔になりだしたので、次回はデイトナかエーモンの電線で工作しようかと思う。

ついでにバイクでよく使う太さの電線に関して資料をまとめてみた。

前出の例にあげた太さ0.5sqの例では規格上10A(12Vで120W)もの許容があると思われがちだけど、
実際にはハーネス内で複数まとめられたり、閉鎖空間に閉じ込められて許容電流が減ってしまうのだ。
さらに安全マージンを考慮すると、さらに半分程度と考えられる。
計算例で5Aと算出されても連続動作による導線自身の発熱により、さらに低くなる場合もある。
また、家庭用のAC100Vによく使われるコードなどはさらに絶縁被覆が厚くて蓄熱しやすく、しかも安全性
確保の関係で表よりも許容電流を低く設定してる。
よく目にするYBRの例で言うところ、ホーンの配線がACC動作で都合が良いからとグリップヒーター
のような電流を多く消費する追加アクセサリを繋げると、配線が参ってしまうかも?
実はYBRのホーンの配線は0.5sqなのだ。w

真冬で周囲温度が低いからギリギリ我慢してるはずだろう。

だから、俺は今紹介してるように配線を別にした強化ACC(アクセサリ)配線を実装することで余裕を持た
せている。

それでは本題の製作編。
回路図各部の番号にしたがって製作し、車体への取り付け順も同じにすると迷わない。

採用したリレーとヒューズホルダは入手のしやすさを優先し、リレーに関しては出先で故障しても店に駆け
込んで購入・交換を可能にしてるから、日本1周などの長期間ツーリングの方にもお勧めできる。

各部の図面を書いた。
寸法は配線の切り寸法で2~3回やり直しても大丈夫な程度の余長を含む。





この場所に関しては1.25sqを必ず守ってください。
これ以上細いとYBR全体の電装に影響する。
太い分にはかまわないけれど、分岐側のギボシ端子オスの圧着で苦労するだろう。
0.75sq300mmはリレーコイルの消費電流が少ないから、0.5sqでもいい。


電線自体はヒューズホルダからすでに出てるから、これに圧着するだけ。




⑤・⑥に関しては保護用のコルゲートチューブに通すので、2sq900mmを先にチューブに通してから
各部の圧着作業をする。

完成画像がこれ。

フレームとステアリング間を渡る配線なので柔軟性のあるコルゲートチューブを使って保護するのだ。
YBRのワイヤーハーネスも同じ方法なので見かけた事があるだろう。


最後に⑦のリレーコイル用のプラス極側だけど、YBRのどこから分岐接続するかが問題だ。
俺の例ではリレーの設置場所は後のメンテナスや修理交換などを考慮して、ウインカーリレーの上に
あるフレームにタイラップで固定してる。

一番近くで分かりやすいのがウインカーリレーの電源線・茶色だろう。


また、タンク下にあるレクチファイヤ・レギュレータの上段・真ん中も使える。

ただし、ここはレギュレータの制御用なので、もしも加工によって弱くなって断線すると異常電圧になるから
あまり使いたくない。
また、年式によってはここの色が違う場合があり、電気的には使えるけれど気持ち悪いから避けた方がいい
だろう。w

俺のYBRの場合、CDIの電源線を利用したキルスイッチ改造をしてる関係でCDIの電源線・茶が余ってる
から、ここへリレーコイルのプラス極配線を繋いだ。

遊ばせておいた時にギボシ端子メスを付けてテープ巻きしてたから、実装は本当に簡単だったよ。
以上の説明から分かるようにウインカーリレーに届く程度の長さの0.75sqを用意すればいい。

今回も絵がいっぱい、説明はおおざっぱ、分かる人には分かる程度のハーネス製作の回でした。
次回は作った配線類を実際に車体へ実装する話だよ。

もうお腹いっぱいな感じ。


改造配線の整理(作業編)

2013年12月15日 | YBR電装系

いろいろと作業したり画像整理したりしてたらもう休日終了~。
結論から言うと配線変更しました。

実際に装着したのがこの回路と構成。

結局リレー制御式にしましたよっと。
単に手元にリレーとヒューズホルダがあるのでもったいないから。w

さて、世の中にはこの図面を見て速攻で作れる人とか、まったくわからない人とかいろいろ居るかもしれない。
当ブログ開設時のモットーは「わからないなら他で調べてね」や「このくらい分からないなら触らないほうが
いいよ~」とかだった気がするけれど、電装系に関しては「失敗しました。バイク燃えました!><」って
なると、
ほら、迷惑な責任問題とか起きそうでしょ?w
だから配線の製作過程を紹介する前に、少しだけ各部の作業内容を抜粋してみるよ。

大量の画像で説明を簡略しますのでよろしくお願いしますです。

ビニール絶縁電線の皮むき。

ワイヤーストリッパーを使ったけど、無くても工夫すればニッパーやナイフでも可能。

絶縁保護用の熱収縮チューブを通し、裸丸端子(R端子)に芯線を入れる。

チューブを通し忘れると作業やり直しw
この画像を見て電気工事士や工事士試験を受ける方は隙間を見てとんでもない欠陥だとお嘆きになる
だろう。

[電気工事士試験の判定基準からの抜粋]

電線相互の接続部分
1. リングスリーブ圧着接続部の絶縁被覆処理
・テープ巻きが困難なもの(←テープ巻かないからかんけーねー!)
・絶縁被覆を著しくむき過ぎているもの(←むき過ぎじゃねーもん)
・絶縁被覆の上から圧着(そもそも規格に準拠した丸端子を使えば被覆は入らないしw)

電気工事士試験では、わざと隙間が見える程度(2~5mm)で施工するだろうし、講習会や学校でも必ず
そうしろと口うるさく教えてるはずだ。
実は圧着時の被覆噛みこみ防止の意味もあるけれど、試験後の採点員がどんな人になろうがひと目見て
噛み込んで無い事をアピールするには、隙間をどの角度から見ても見えるように厳守するのが
一番「重大欠陥」の判定にならずに済むわけなんだ。
バイクや車、産業用制御装置の製造は電気工事士試験ではないから厳守する必要も無い上に、
一部の仕様では電気工事以上の厳しい仕様の図面で作業指定される場合もある。
また、熱収縮チューブを採用する事で不要なショート防止と配線の折り曲げ耐性の確保もするので、
画像の状態で問題なし。

話が横道にそれすぎた・・・

普通の簡易型圧着ペンチで圧着。

かなり強く握らないとしっかり圧着できないのが安物の弱点だ。

こんな感じで仕上がる。

引っ張っても動かず抜けないなら一応は合格。
プロが使う工具は数万円~の値段で、もっと軽い握りで仕上がり品質も上等なんだが・・・

そこで代用工具として電気工事士指定の圧着ペンチを試してみた。

今回使う端子は5.5sq用でこの工具に準拠していないけれど、近似値と仕上がりから判断しての位置
で圧着すれば問題ないことが分かった。

ちょっと中央からずれてしまったけれど、仕上がりはこんなもの。

しっかり圧着されてる。

最後に収縮チューブをかぶせて加熱する。

ヒートガンを使いたいけれど、無ければライターで軽くあぶればいい。

次にオープンバレルのギボシ端子の圧着で、剥きしろと仮止め位置はこんな具合。
画像は⑥ギボシ端子メス(ダブル)

芯線は羽根の部分より約0.5mmずつはみ出るように剥く。 カバーも忘れずに!

芯線を圧着。

芯線の太さに合った箇所を使うこと。 画像は2sqの線での作業だ。

絶縁被覆を締める。

ここは隣の太い箇所で行う。

仕上がりはこちら。

オープンバレルは被覆をつかむ事で曲げ耐性が向上するから振動の多い自動車・バイク電装に最適だ。

最後に絶縁用のカバーをずらしてかぶせる。

本当は矢印部分が重なるまでずらすべきなんだけど、今回買ってきた電線はVSFという規格で被覆が
厚い関係で太くなってるため、そこまでずらせなかった。
一応、端子自体には被ってからヨシとしよう。w

ギボシ端子オスの仕上がり。

これもカバーを入れ忘れるとまずいのだ。

カバーをかぶせるとこんな具合。

今度は定位置までずらす事ができた。

ちょっと規格外の組み合わせ。
5.5sq用の端子(R5.5-5)に④ヒューズホルダ付属の1.25sqを圧着する技。

折り曲げて約2.5sq。(3回曲げれば5.0sqの近似値になるが、この例では電工ペンチ側で対応する)

電工ペンチ 中 の位置で圧着。

きちんとできた。w

これもあぶって収縮~。

ほれ、中身が見えないから規格外作業と思わないでしょ?w

リレーコイルのマイナス配線③は既存のギボシ接続箇所に割り込み配線するので、ギボシ端子オスに
二本の線を同時に圧着する。

ちょっと難しいけれど仕上がってしまえばこの通りにきれいだ。
ここはギボシ端子付属のカバーを使わず、収縮チューブで絶縁処理する。

配線の中で2sqの線⑤⑥の分岐箇所にも規格外の変な作業をするが、本当は専用のスリーブが存在する。
意外と売られて無いし、どうせR5.5があるので加工して流用する。
R5.5-6端子を切る。

圧着部分だけほしいのだ。

2sq、3本を互いに挿入するんだけど、計算では6sqになって0.5sq太いから少し大変だ。

どうにか入れられた。

汎用ペンチで締めてみる。

5.5sq位置で問題なし。

さらに電工ペンチ  の位置で締めてみる

まったく問題なしでしっかりつながった。

フレームとステアリング部を渡る場所は、保護用に7φのコルゲートチューブに通しておくわけだけど、
両端の固定・保護は一般的なビニールテープを使わず、ハーネステープを使う。

ビニールテープは一年もしないうちに剥がれてドロドロになるのでむき出しのバイク用配線には向かない。
安価なのは写真の輸入工具量販店のものでひと巻き100円くらいだから買い置きするとよいだろう。

各配線はこんな感じで仕上がる。

図面と見比べるとイメージしやすいだろう。

ヒューズホルダを撮影し忘れたので、実装後の画像でごまかす。

ホルダー付属の線に圧着するだけの簡単なお仕事。

以上、各作業の抜粋でした。ふううううう・・・つかれた。
これを見てもイメージがつかめず、自信が無い方は回路を真似するのをあきらめるか、作業慣れした人
の指導を受けながら会得すればいいだろう。

基本的に使った工具は以下のもの。

エーモンの1452は5.5sqの皮むきと裸丸端子圧着ができるので便利だけど、ちょっと圧着品質が
頼りない感じ。
利点はカー用品店でも見かけるほど入手しやすくて安い。
新たに買うなら支点からの距離が短い場所で圧着し、なおかつ力点になる柄が長いものにしたほうが
やりやすいだろう。
有名どころではホーザンやフジ矢、ロブテックス、マーベルなど。

次回は各配線の長さなど、もう少し詳しい図面と作業手順を書く予定です。
予定よりも膨大な量になって疲れたから、今日はもう寝ます。Zzz


改造配線の整理(机上編)

2013年12月13日 | YBR電装系

我がYBR号の電装系配線はシガライターソケット(シガソケ)増設をきっかけにして、その後、ビデオカメラ
電源、ヘッドライト強化配線などの増改築を繰り返した結果、知らない人が見たら迷路のような状態に
なっている。 自分自身でも迷うくらいだw

特にバッテリーのマイナス極は追加配線でいっぱい。

YBRのメインハーネスは0.5~1.25スケア程度の細い配線の束で構成されてるけれど、大電流が流れる
セルモーター用には専用のアース線はクラッチカバーのボルトで固定されてるので問題ない。

試しにこのアース線にどれだけの帰還電流が流れてるのか計測してみた。

わざとプラグコードを外し、負荷のかかった状態(エンジンがかからない状態)で回して測定した結果、
突入電流は約20Aで定常回転時は約12A程度が流れていた。
(テスターの電流レンジをオーバーして焦ったよ。 長時間流すとテスター内部の分流抵抗が燃えるw)

測定した結果も踏まえて、ちょっと配線整理をしてみようかと思って机上であれこれ考えてみた。
マイナス極の整理が一番面倒だから、ついでに巷で流行のオカルト改造「アーシング」にでも手を出して
みるかと考えた回路がこれ。

既設アース線は見た目が5.5スケアくらいだから規格の範囲内と言えばそうだけど、はたしてアーシング
でどんな変化が起きるのか興味しんしんになったよ。

そして総合的な配線はこんな回路を考えてみた。

追加のアクセサリーやと強化ライト配線を共用しながらアーシングのルートも考えた結果、イグニッション
コイルの固定ボルトをマイナス極の基点にすることを思い立ち、マイナス極を分岐させつつアーシングを
兼用する方向で改造しようかと思う。
こうすればマイナス側の増設も簡単だし、バッテリー端子周りはスッキリする。
また、キャブヒーターを増設する時でもリレーの直後から分岐させて配線すれば簡単で電流容量の問題
も起きない。
ヒューズを通してから大容量リレーをメインキーONで制御して通電させれば、ショートや異常電流が
起きた時でも安全で、問題の切り分け判断がしやすく、既存のハーネスへの負担も無いから一石五鳥くらいかなw

さらに制御リレーを必要としない回路も書いてみた。

実はYBRのメインキーの配線は電源配線類の中でかなり太くて見た目では1.25sqくらいありそうだ。
キーアッシー自体は他車種と共用な場合が多く、元々の仕様がそうなってるのだろう。
せっかく有る大容量配線と接点なので、これを利用するために既存電源線に太い配線を並列に追加して
やればメインキーのカプラーまでは余裕が生まれる。
そこから分岐してアクセサリー関係へ送ればいいわけだ。
電源の引き出しはスターターリレー上部の赤い田型カプラーの左上が空端子になってて、ここが既存の
プラス極なのでメス平型端子を使って接続すればよい。
この端子を利用すると既存のヒューズ容量15Aを通る事になるので安全も確保される。
ただし、YBR既存のメインキーカプラーは電流容量に限界があるため、カプラーだけは大容量化する
必要があるけれど、この方法だとリレーが無いので簡単だ。
エーモン工業から都合の良い製品・M282があるので利用すればいいと思う。

以上の配線改造で忘れてはいけないのが、発電系の能力以上の電力を搾り出す事はできない点だ。
YBR純正の発電能力は約120Wなので、電流で考えると約10Aが限度である。
既存のCDIや灯火類を考慮すると追加アクセサリーはせいぜい3~5A(36~60W)が限界であり、
いくら配線を太くしても純正のジェネレーターとレギュレーターでは無理なものは無理。
たとえジェネレーターとレギュレーターを強化しても既存ハーネス内の配線まで対応しなければ、そこが
ボトルネックになって発熱・炎上の可能性も起きるかもしれない。
強化配線の目的は既存ハーネスの弱点であるギリギリな規格に対して、アクセサリーを増設しても
余裕を持たせたい
のと、配線抵抗による電圧降下を減らしたいだけだ。

次回は実際の作業内容を紹介するよ。


YBRの発電系の話

2013年11月24日 | YBR電装系

YBR125の電装系改造をあちこちで見てると、発電系統の話ってあまり話題に上がらず、もっぱら
ライトバルブ、LED化、バッテリー、シガソケ、スマホ充電、カーナビ、グリップヒーター関係くらいしか
見当たらない。
だが、偶然、某所()で珍しく発電コイルのステーターを強化したらどうよ?って話が出ていた。
実はこの話、簡単に行かないんだ・・・

魅惑の罠サイト・タオバオにも以前から幾つもの強化ジェネレーターが発売されていて、気にはなってた
けど、特に強化が必要だと感じてなかったのでスルーしてた。

こんな12極三相強化ステーターコイルなんかある。(発電量アップ!ノーマル比2倍以上の230W)
そのまま単相方式のYBRに付けるためにはローターが8極用であり、しかもレギュレータは三相用でない
と動作せず、さらに配線も改造しなければならない。
2007年~2010年までの8極ステーターのYBRならローターを変えなくて済む。
12極のYBRではローターが違うので強化コイルは18極を選ぶらしい。(ややこしいぞ)


ところでふと思ってみた・・・・YBRのステーターとかローターってどんな仕様なの?
パーツカタログを見まくってみると年式や型式によって違いが有るのが判明した。

【05、06 無印か? 欧州1型?】 単相7極

5VL-H5550-00 ローター  5VL-H5510-00 ステーター

【07~09 無印】 単相8極

3D9–H1450–00 ローター  3D9–H1410–00 ステーター

【無印11~、K&KG】 単相12極

1JP–H1450–00 ローター   1JP–H1410–00 ステーター
さらに2013年式からは部品番号違いの単相12極
1BK–H1450–00 ローター  13R–H1410–00 ステーター

もうね、さっぱりわからんw
追い打ちをかけるように単相用強化ステーターまでタオバオで見かけて、実機との相性などは本当に
自分の車体を確認しないととんでもない事になる改造分野だとわかったよw
気軽に話題にすると話がややこしくなるので、よほど知識と経験が無い限り、発電強化は控えたほうが
良いと思う。
せいぜい配線強化にとどめて、追加する電子機器はほどほどに!

このままじゃ面白くないのでオイル交換ついでカバーを外してステーターコイルを確認してみた。

俺の07式は単相8極で外径は97mm。
YBRシリーズは年式問わず外径97mm、取り付け穴位置は同じだから前出の三相強化コイルに
入れ換え可能だ。

タオバオに俺の年式用単相強化型がある・・・これならレギュレーターはそのまま使えるし95元だし・・・
イカン、これは底なし沼への罠かもしれないw

巻線の線径を太くして電流容量を増やしてる。
これだけ換えても大電流負荷時の電圧降下による充電不足は抑えられるが、やはり単相用大電力レクチ
ファイヤレギュレータに交換し電源基幹線を全て太くしない100%の性能は発揮できないかな・・・面倒だw

余談だけど、極数が多くなると1周360度内での交流の山の数が増えるから低回転時の発電が安定する。
要約すると1回転の間の「オラオラオラ~」の数が増えると、ゆっくり回転しても「オラ」数が多いので有利
なのだ。(ひどい例えだ)

さて、中を見て満足したからさっさと組みたててオイルを放り込み、気晴らしにダム湖まで行ってきた。
ちょうど駐車場に付く頃、目に前にYBRが走ってる。
ほぼ同時に駐輪して互いに挨拶を交わして談笑。
なんと読者様ではないか!

2011年式で上手くキャンプ道具を積載してる。
モトフィズのサイドバッグは幅がYBRにドンピシャで綺麗に付く事が分かったのが収穫。

互いの車体を見比べながら指摘されたのが、右タンデムステップのブラケット・フートレストの形。

11年式からAI機構の空気挿入部が変更になってマフラー側へ移設されたのを機会にパイプが突き出る
ので、これを避けるように形状変更されていたのだ。
これはさすがに気づかなかったよw
年式によって細かい変更があってもうなにがなんだか分からなくなってきちゃった。
うかつに質問に応答できないし、パーツカタログさま様だと感じる。

駐輪場には我々2台の他、奥に09年式青、別の場所に06式?の青Gが止まっていて、さらに声を掛け
てきた青年は2013年式を所有してると言うYBR125だらけな秋晴れの休日であった。


セルモーターの話(清掃組立編)

2013年11月08日 | YBR電装系

興味本位でYBRのセルモーターを分解しちまったから掃除をする。

まずはブラシカスが溜まってるリアブラケットの掃除。

樹脂なども使われてるので安易に溶剤系パーツクリーナーは使わず、掃除機ブラシで
ゴミを吸い取るのが一番簡単で綺麗になるよ。
ブラシスプリングは前もって外して置かないと、掃除機パックを漁るはめになる。

ブラシの測定をしてみた。

ブラシの摩耗限界値:3.5mmに対して9.5mmあるのでまだ余裕がある。
このまま使う事にした。

コミュテーターの汚れ具合。

赤丸で囲った部分はたぶんアーク放電の跡で、溝に中にはブラシのカスが
溜まってるはずだ。

コミュテーターも測定してみた。

コミュテーターの摩耗限界値:21.0mmに対して22.0mmだからこのまま
使う事にする。
マメに整備してて表面に凸凹の荒れが無ければ20mm程度までは延命できるだろう。

コミュテーターの接点を磨く。

サービスマニュアルでは600番程度のサンドペーパーで擦るように指示され
てるけれど、ナイロンたわしを使った方が接点を無駄に痩せさせなくて良い
簡単で綺麗になった。

溝の中を掃除する。

爪楊枝でカスを掻き出すと結構溜まってるのが分かった。
このカスが隣り合わせの接点をレアショートさせて電気的な動作の妨げを起こし、
回転不良になる場合
が多い。
この場所は意外と忘れがちな掃除箇所である。

端子の錆びたビスも交換した。

純正は鉄ビスであったが、俺は偶然電気配線用の黄銅ニッケルメッキのビスが
手元にあったので使った。
固定した後で防湿・防錆のためにグリスを塗布しておくと良い。
なお、ステンレス製ビスは電蝕及び電気伝導率の関係でお勧めできない。

掃除が終わったので組立に移ったけれど、これがまた大変だった。w
一応、サービスマニュアルにも手順が記してあるけれど、コツは載ってない。

最初にマーキングしたり、爪の位置確認したのは全てこのためである。

・爪がずれない事。
・スターターヨーク(筒)の前後方向を分解前と同じにする事。
(逆だと回転方向が逆になってスタータークラッチが動作しなくなる。)
・位置決め線に合わせる事。
・リアブラケットの穴とモーターシャフトの接触部に薄くグリスを塗布しておく。
・ブラシが脱落しないように“工夫”してコミュテーターを定位置に組み込む。

簡単に5行にまとめてみたけど、実際“工夫して”やらないと知恵の輪みたいで手が
もう2本欲しくなるはずだ。w
だれかに押さえてもらうなり、補助で手伝ってもらった方が絶対に楽だと思う。
またネット上に転がってるセローのセルモーター整備記事が作業の参考になるだろう。

2019年に同型モーターを搭載したXTZ125Eのモーター分解整備の詳しい動画が
You Tubeに登場したので観ると良いと思う。
XTZ125のセルモーター分解整備(詳細版)
https://www.youtube.com/watch?v=2PVHB1B9P6Q

製造会社では組立冶具で行ってるか、百戦錬磨のパートのおばちゃんリンさんが早業で
組み込みをしてると想像する。

実装後は特に変わり無く、いつもの様に元気に始動した。
開ける必要がない状況でメンテしちゃったからなぁ・・・変わるわけないw

セルブラシなどの摩耗限界時期は予測困難で具体的には動作時間で決まるわけだけど、
距離や年月で判断できない。
極端な例では1回始動して300㎞走り続けるのと、100㎞しか走らなかったけど休憩
含めて4回始動したのとでは、後者の方が減り方が進むってわけだ。

だから、なんとなくで構わないので2~3年経った頃に一度は確認と清掃・測定をして
おくと前出のようなセルモーター突然死を予防できると思う。
でも、例の謎の耐久性ってヤツもあって10万キロ超えでもまだ大丈夫な例があるから、
実際のところよくかわらん。

追記:読者様からのコメント情報にて走行距離約5万キロでブラシの残りにまだ余裕がある
との事でした。
回転が弱く感じるようになったら掃除メンテと残量確認だけで済ませられそう・・・
長寿の謎が少し解けた気がする。

 

 


セルモーターの話(分解確認編)

2013年11月07日 | YBR電装系

YBR125に限らず電気モーター式で始動するバイクにはセルモーターが
搭載されてるけど、中身を整備したり修理する個人はめったに居ないだろう。
「電気はわからん」「そんな事ができるのか?」「なんで必要なの?」
「交換の方が早い」と色々な答えが浮かぶ。
ネタも尽きかけてる当ブログなので、隠して持ってたセルモーターの話を
2回に分けて公開してみようかと思う。

過去の経験や事例を揚げてみる。

【セロー225】
俺が昔乗ってた車種で走行距離約3万8千キロ時にセルが突然動かなくなった時の話。

・バッテリーは元気でセルモーター端子まで電圧が来ている。
・分解してみたら細かい埃(ブラシのカス)でいっぱいで、ブラシが限界まで
 摩耗してた。
・コミュテーター(整流子)が黒く汚れていた。
・ブラシ交換と各部清掃、コミュテーターを磨いて組み立てたら元気に復活した。

【XV750】
北海道ツーリング途中で泊まったライダーハウスで一緒に呑んだ方のXVが
朝になってセルが動かなくなった。
社会人で旅行期間に限度もあり、自走も搬送も大変でかなり弱ってたから、
試しに分解確認・清掃と細工をしてみたら直った。

・前日までは動いていたけど最近セルが弱々しく動く事があった。
・セルモーター端子までは電圧が来てる(ポケットテスターで確認)
・分解したらオイルで汚れてた。(モーターシャフトのオイルシール劣化)
・ブラシがかなり減ってた。
・清掃、オイルシールリップにグリス塗り、コミュテーターを磨く、
 ブラシスプリングを伸ばして ブラシの押し付けを増強する細工
 したら嘘のように元気に回った。
・劣化部品をメモして帰宅後に修理するように伝えたら後日、旅は無事に
 終了して修理も完了したとの知らせが来る。よかったよかった^^

【ジェベル125】
掲示板での相談相手の話。
セルの回り方が弱くなって朝の始動が困難になったのでバッテリーを交換したが
改善せず。

・分解組み立てのコツを伝えて実行してもらう。
・清掃、コミュテーター磨き、ブラシは摩耗限界に達してなかったのでそのまま
 組み立て。
 嘘のように毎朝元気に始動。前のバッテリーでも元気なので交換が無駄に
 なった。
・コミュテーターの汚れがバカに出来ない事例。
・分解よりもブラシ関係の組付けで一番苦労したとの事。

と、たった3例ではあるがまた聞きではないので実例として紹介してみた。
どの例でも一番先に疑われるバッテリーの劣化では無かったのに注目してい
ただきたい。
スタータースイッチ、スターターリレー、バッテリーが正常でセルモーターの
端子まで電圧が来てるなら、次に疑うべきはセルモーター自体だろう。
また、バッテリー交換前に内部確認しておくと無駄な出費を抑えられる。
セルモーター内の不具合は気付きにくい、隠れた故障なのだ。

さて、我がYBR号が納車されて約二年経った頃興味本位でセルモーターの
端子を覆ってるゴムキャップをめくってみたら、ごらんのようにビスが錆びていた。

このままじゃダメだよね~w
セローの経験もあったから、ついでに中を見て掃除でもしてみようと思い立った。

とりあえずダウンロードしてたパーツカタログで部品構成を確認する。

パーツカタログは分解・組図として一番わかり易い。

部品には全て方向や裏表、組み立て順番があるのでわかりやすいように
マーカーで印を付ける。

セルモーターはこれをやっておくと後で悩まずに済む。
真ん中の筒の前後方向もわかるようにマーキングし、組み立て時には方向を
再現する必要がある。
これをやらないと回転が逆になって役立たずになるw
(逆組みが発覚したら戻せばいい)

セルブラシがあるリアブラケットを抜く。

密閉はOリングで行ってるようだ。

開けてみたらブラシホルダー周辺に黒いカスが散乱してた。

ブラシはまだまだ余裕があるのでこのままにしておこう。

コミュテーターには少し汚れが目立ってる。

ここの銅接点が汚れたり、接点間の溝にブラシカス(導体であるカーボン)が
溜まるとセルの回り方が悪くなる。

もちろん、他にもシャフトベアリングの破損、ボディ内のマグネット脱落なども
回らない要素にはなるが。

シャフト部分を観察してみる。

そおっと外したおかげで脱落せずに二枚の部品の表裏と順番が把握できて
ほっとした。
ポロっと落としてたら困った事になってただろうw

どんな状態で組み込まれてたのか確認。

羽が付いた部品(ロックワッシャー)をフロントブラケットの溝にはめる
構造なんだね。 (重要)

ところが最近のYBRのパーツカタログを確認すると、このロックワッシャーが
書面上には無い。

仕様変更したのか、下記の5番サークリップも記載なし。

ところがサービスマニュアルには記載されてるので仕様変更でもしたのか
記載漏れだろう。

まあ、目の前の実機の組み順や部品構成にしたがえば間違いない。

シャフトのベアリングはニードルタイプだ。

普通に動いてるモーターなので破損は無く、ここはエンジンオイルで濡れるので
グリスアップの必要が無い。

幸いブラシはまだまだ使えるけれど、もしも将来、交換が必要になった場合は
一箇所ハンダ付けの
技術が必要となる。

表にある端子とブラシ端子の部分だ。
ここは熱量の少し大きな40~60W程度のハンダゴテで作業しないと上手に
外したり付けたりできない。
ハンダ吸い取りポンプ(電動・手動問わず)を併用したり、ハンダを溶かしながら
ブラシ端子を上へ引き抜く手順で外し、組み順は逆に行う。
このハンダ処理作業が苦手なメカニックや個人は、モーター自体を交換する方法で
簡単で早く修理する選択を選ぶかもしれない。
金で時間と技を解決できる場合はそれでいいけど、ものすごく古い旧車の場合は
モーター自体の入手が困難なので、この手の修理を得意とするお店やレストア屋さんに
頼むのも解決方法の一部だ。

ブラシを入手したければYBR独自の部番か、日本国産ならセロー225等の
ブラシが使える。

左はタオバオで見かけた部品で、右は俺が探しだしたセロー225用のブラシで
ビスまで付属してる。
当然、セロー用はメイド イン ジャパン
分解して構造と汚れの程度が分かったので、いよいよ掃除と消耗確認と組み立だ。

次回へつづく・・・


ウィンカーカチカチ2

2013年09月25日 | YBR電装系

ネタ不足につき ウィンカーカチカチ の項で書いたウインカー音の追加記事。

オフ会で再会した某氏が教えてくれたカチカチ音改造の例だ。
彼のYBRもウィンカー点滅時にカチカチ音を発生するように改造してあったが
俺の方法よりも更に簡単な改造である。

スズキのスクーター系であるアドレス系、レッツ系、ストマジ系などに採用された
音響リレー。解体屋にでも行けば見つかりそうなメジャー車種なのもいいね。
     
これをYBRの純正リレーの位置に置き換える。

配線はコネクタの形がYBR純正がL型に対してスズキ系はT型。
     
同じ2端子構造なので変換ケーブルを作るなり、純正コネクタから平型端子を
ハウジングから抜いて熱収縮チューブで絶縁処理をした後に差し込むなり、
方法はどうにでもできる。

こんな感じの線でも2本作って接続してもかまわない。
    

某氏のYBRでの音量は必要にして十分で俺が試して失敗だったDIOの音響リレー
よりも遥かに実用的な音量だから、俺も最初からコレを知ってたらと悔しんだよ。w

余談だけどキタコ(KITACO)からも LEDウインカー対応フラッシャーリレーで
アドレスV125/G用の音響リレーが発売されてるから、YBRウィンカーをLED化する
ついでに音響インジケーターを追加したい場合はこれを選ぶと楽であろう。
 商品番号: 755-2409900


バッテリーの補水

2013年09月11日 | YBR電装系

バッテリーの補水を最後にやったのが記憶ではゴールデンウィーク前だった気がする。
ちょっと確認してみたらLOWER線まで液面が下がっていたので補水した。


2番ドライバーでマイナス端子から先に外す。

補水はいつもの蒸留水。
このボトルの中身は四輪用の大きなボトルから移したもので、容器が使いやすいから再使用してる。

UPPERまで入れて蓋をし、ドレンホースのつなぎ忘れの有無と確認後、端子を元に戻した。

経験的には冬より夏の方が減り具合が早く、よく走る季節に3ヶ月も放置するとLOWERまで下がってる
事があったので、みなさんも油断せずに補水管理をするべきだと思う。

密閉式のMFバッテリー(~~7L-BS型)に交換すれば少しは楽だろうが、まだ元気なのでこのまま冬を
越せるか様子見でもある。

補水方法は「バッテリー液の補水と電圧測定」のページでもご覧ください。


YBRのヒューズ

2013年07月26日 | YBR電装系

ネタが無い無いと言う割に探せば出てくるから不思議w
YBR125の電装系を一手に引き受ける安全ヒューズの話。

YBRに限らずどんなバイクでもノーマル状態で特になにもしてなければ廃車までヒューズなんか
切れる事はめったにない。
ところが不幸にして切れちゃう場合もあるんだよね。

例えば・・・

・電装系の改造をしようと配線をいじってたら接続を間違えた

・冬に調子に乗って後付グリップヒーターフルパワー+55/60wH4ハロゲンライト
+ウィンカー
 出しながらブレーキランプ点けて長時間信号待ち+スマホ充電なう!を同時にやる


・単に運悪く切れた


などなどで限界まで電流が流れて切れる場合も考えられる。

そんな時の症状は全ての電球類が点灯せず、セルも回らずエンジンもかからない。
渦電流の原因を特定して直してからでないとまた起きる。

さて、ヒューズの位置はみなさんご存知、左サイドカバー内、バッテリー右横にある赤い部分。

ここはセルモーター用のリレーに抱き合わせたヒューズホルダーだ。

リレーを手前に少し引き出して指でロックつまみを摘んで解除しながらグリグリと手前に引っ張る。

これがけっこう固いんだよw

無事にコネクタが外れると電流15Aのヒューズが見える。

平型ヒューズで手前に引きぬくと外れる。

外したヒューズの中を観察して端子間の∩字型の細い線が切れていたらビンゴ。
ヒューズ切れであります。

これからが本日のネタ。
知る人ぞ知る予備ヒューズの在り処。

このままリレーを裏返すとなんとそこには予備ヒューズが!

これを抜いて切れたヒューズの代わりに挿してコネクタをリレーに戻せば復帰できる。

予備を使ってしまうと後が無いので、同じ15Aの平型ヒューズを早めに入手して予備ヒューズホルダーに
刺しておくと良い。
ホムセンや自動車用品店、自動車修理工場、ガソリンスタンド、バイク屋で切れたヒューズを見せれば
きっと見つかるだろう。
この平型ヒューズは四輪でも使われている規格の物だ。

ヒューズを入れ替えてもすぐに切れるようなら根本的に電装系の故障や配線ショート、配線間違いなので
原因を突き止めて直さないといけない。
たいてい切れる直前にやった改造や作業、動作が原因だ。


ウィンカーカチカチ

2013年07月05日 | YBR電装系

久しぶりに電装系の改造ネタ。

納車された当時に実行したウィンカーのカチカチ音発生改造のネタで、記事の準備はしてたけれど、
他のネタにかまけてたら最近某氏が同様の改造を公開してるのを見かけた。
いい機会だから俺も書いてみることにしたよ。w

YBR125のウィンカー点滅はメーターパネルのインジケータで確認できるけど、純正の球だと点滅状態が
暗くて見えにくいし、そもそも右左折や進路変更直後は前方や周囲に集中してるので消し忘れをして
しまう事が時々あった。
ビジネスバイクやスクーター等はウィンカー点滅を知らせるカチカチ音が出る部品があるけれど、
YBR125には付いていないから、乗り換えた人の中には「ウィンカー芋」の経験者が意外と多いかも知れ
ない。w

で、ウィンカー音でも発するように改造してみようとホンダのスクーター・DIOに付いてるウィンカーリレー
を入手してYBRに取り付けてみた。

DIOのウィンカーリレーは中にカチカチ音を発生させる機構が内蔵されてるし、そのままYBR純正と差し
替えるだけだから簡単だった。

ところが・・・実際に走ってみると音が聞こえない!orz

シート下に隠れた部分へ収納された音響リレーじゃエンジン音に掻き消されて聞こえないのだ。
たいていのスクーターはフロントカウル内に音響リレーが設置されてるので、カウルの空間がスピーカー
ボックスのエンクロージャーみたいに反響を促して音が良く聞こえるのだろう。

DIO用リレーの流用は失敗に終わった・・・

次に入手したのはカブ系でおなじみのカチカチ音の部品。

オーディブル パイロット COMP 38401-187-701。

郵政カブなどはこれがハンドルに付けられていて、音がしっかりとライダーや通行人に聞こえる。
記憶ではCD50/90でもオプション設定されていてパーツリストに記載されていたはず。

配線はこんな感じで、左右ウィンカーの+極配線間に繋げればいいだけ。

市販のギボシ端子付Y型分岐線などを利用してもいいし、自分で端子を圧着してもいい。

俺は適当に手持ちの材料でオーディブルパイロット自体に分岐機能を持たせるように改造してた。


取り付けはライトケース内のウィンカー配線を探しだして割り込むだけなので、ウィンカーからの配線を
たどれば、どこに接続点があるか分かるだろう。

さて、YBRのどこにオーディブルパイロットを固定しようか?と迷ったけど、DIO用の失敗もあったから事前
に余計な細工をしたくないので、ライトケースの中に転がしておくことにした。
ライトケースが反響の役目をしてくれるならちょうどいい。
オーディブルパイロットを凹みの部分におさめて邪魔にならないように設置する。

この改造でカッコンカッコンと小気味よい音と共にウィンカーが点滅し、エンジン音にもかき消されず、
消し忘れは無くなったよ。

なお、配線間違えは致命的なダメージを与える可能性があるから、よく確認しながら作業してくだされ。
一番やってはいけないのは「これかな?これかな?」と理解せずに見知らぬ端子にてきとうに
繋いで見る
方法で厳禁だよ。

電装系改造は配線間違いを起こした時に運良くヒューズが切れてくれるといいが、ヒューズが切れても
それさえ理解できずに右往左往してるバイク改造記事をネットで見掛かけるたびに、この手の電装系改造は
あまり安易に紹介できないなぁとつくづく思う。


魔の11年式とはなんだ?

2013年05月14日 | YBR電装系

このネタはバッテリー上がりが目立つ冬季前にでもまとめようと思ってたけど、BBSにて突然この話が湧いて
出ててた
ので書くことにした。

YBR125は年式が進むにしたがって目に見えない部分での仕様変更がなされていて、不具合や変更情報が
なかなか定まらない。

2011年式YBRが出回り始めた頃にオーナー達の間でバッテリー上がりの報告が頻繁に行われだした時期があり、
電気に詳しいオーナー数名が情報交換と検証をした結果、充電回路に不具合がある可能性が指摘され、解決策が
公開されたけれどすっかり過去の話題として消え去っていた。


まず、以下の回路を見てくれよ~~

これはYBRのレギュレータ(レギュレートレクチファイヤ)の製造元の技術資料からの抜粋。
まず注目してほしいのがスイッチKの説明。 「スイッチKが閉じていないと働かないからね!!」
つまりメインスイッチK1が閉じてバッテリーが回路に繋がっててもKが閉じて無ければレギュレータは働かないと同意である。

さて、2010年までのYBR125系は簡単に書くと以下の回路で充電回路が構成されている。

レギュレータの前出のスイッチKの部分はCTR(コントロール・電圧監視用制御線)であり、メインスイッチをONにすればレギュレータは
働きはじめ、エンジン始動後はヒューズを介してバッテリーへ充電すると共にバッテリーから各回路への供給の補助的電源として機能する。
これを専門的にはフローティング回路って言うんだが・・・まあいいやw

ところが2011年式のどのロットか不明だけれど、一部の配線が仕様変更されていてなぜかCTR線がメインスイッチの手前に接続され
ている車体が存在した。(読者のG氏の車体もこの接続であったのはこの眼で確認したから間違いなく存在してる)

こんな接続ではメインスイッチがOFFの状態でもヒューズを介してバッテリーの電圧がCTRにつながりっぱなしになってレギュレーター内の
電子回路が動作しっぱなしになる。
最初の仕様書の説明の通り、CTRに電気がつながればレギュレーターはせっせと待機状態(動作)でジェネレータからの電気を待ってる。
当然、エンジンはかかってないので無駄な待機動作になり、わずかながら消費電流が発生してバッテリーを消耗してしまうよね。
頻繁に乗ってて十分に充電されたバッテリーなら1週間~2週間程度放置しててもまだ余力があるだろうが、ひと月に数回程度で短距離
しか走らなければバッテリーの充電が追いつかず、この待機動作による暗電流で久しぶりにスタータモーターを回そうとしてもバッテリーは
腹減り状態で勢い良く回らない。
これが冬季にはもっと顕著にあらわれてしまうだろうし、話題が出てた当時も冬頃であった。
以上が「魔の11年式」の正体だけど、ユーザー間の情報では問題の回路になっていない車体も存在するので2011年式の全てが該当
るわけではない。

興味があれば当時のpdfファイルがまだDLできるみたいなので、電気に少し知識がある人は目を通しておくと良いだろう。
www1.axfc.net/uploader/Sc/so/307886.pdf
pdf製作者の方に深く感謝いたします。

そして以下がその内容の一部を抜粋。

さらに分かりやすいように加筆させていただきました。
キーオフでもバッテリー電圧10~13Vの範囲内で問題の配線では約5mAの電流が流れ続けてるわけだ。

そんじゃ「オイラの11年式は大丈夫なの?」って心配する人も居るだろう。  バッテリーの右横にこんな部品がある。

田型の端子のうち、右上の端子に「配線色・赤」だけが出ていたら「大丈夫だ、問題無い・・・」

ここに赤と共に「白(黄)」の線が出ていたら「大丈夫じゃない、問題有り…」w
また、画像の左上の空いてる箇所から出ていても同様に問題ありと見てよい
だろう。この辺の配線仕様変更は密かに行われてるのでやっかいだな。


で、具体的な対策としては以下のように配線を変更すればよろし。

つまり、白(黄)の線を切ってメインスイッチを介した後の茶色の線に接続すれば仕様書の通りになり、暗電流問題は解決する。

幸い、右にあるウィンカーリレーの2端子のうち片方がこの茶線なので、ここへ切ったCTR線を接続すればいい。

CTR線の接続方法は圧着スリーブ接続か芯線共巻・ハンダ付けでしっかり行ない、絶縁処理もきちんと行うようにね。
バイクは振動が多いので、この部分で接触不良を起こすと異常電圧になるような別の問題が発生するから、安易に配線
タップなどの簡易接続部品は使わないようにした方が安全だ。

さて、どんなに対策しても根本的に弱ってる死にかけバッテリーでは効果がないので、そんな車体はさっさと新品のバッテリー
に交換したほうがいい。

なお、一部の情報では一定期間内でレギュレーター自体が製造ロット不良を起こして暗電流が発生したとの話もあったが、
情報元がハッキりせず具体的な不良内容も出てなかったからこの話については定かでない。

とにかく2011年式YBRや心配な方、年式不明な中古車は一度配線を確認しておくといいだろう。

追記:
YB125SPでも一部の製造ロットで魔の11年式配線が混在してるようで報告が
ありました。
ネット上で画像も見つかりました。

困った事に製造時か輸入時に
改修された車体も多く存在してるのでYB125SP
オーナーは一度ご自分の車体を確認することをオススメします。

追記:数年後、YB125SPを入手したので、暗電流を測ってみた。
http://blog.goo.ne.jp/lightning-ybr/e/2c6b60fdbfab587c803419a66a8c546b
レギュレーターの内部回路の仕様変更が有ったためなのか定かではないけれど、この記事を書いた
頃と違って暗電流は無視できる値になってたので、心配な人はテスターで一度確認しておくと良い
と思う。


バッテリー液の補水と電圧測定

2012年12月28日 | YBR電装系

年末前にちょっとYBR125のバッテリーの補水をしてみた。
最後に確認・補水をしたのが夏前だった気がするので半年間隔かな。

とりあえずバッテリーの端子をマイナス、プラスの順に外す


YBR125の標準バッテリー〇〇5L-Bは開放型で補水管理が必要だからLOWER LEVEL付近
まで下がってたら補水するといい。
ケースの透明度が低いので確認しづらいけれど、ちょっとバッテリーをゆすってあげると液面が動いて、
どうにか確認できる。
電極6部屋分あるが、それぞれ同じ液面とは限らないので良く観察しよう。
補水をする時はバッテリーのドレンホースを抜いてからバッテリーボックスから外す。


補水には基本的に市販の100%精製水・純水である「バッテリー補充液」でOK
へたに「バッテリー強化液」を入れると電解液の比重が変わってしまい、寿命を縮める原因にもなる。
強化液は寿命を迎える直前の緊急用途に向いてるので、普段は一番安い補充液で十分だ。

補充液の容器の形によってはこのように先が細いものがあり、こんな感じの物を選ぶと使いやすいね。

バッテリー液を入れる穴のフタにベロが出てるから、それを使ってベリベリっとはがすと穴が見えてくる。

不幸にして液が飛び跳ねて衣類や目にかかったら、急いで流水で流しておくこと。
電解液の正体は希硫酸なのでそのまま放置すると綿類はボロボロにくずれ、目は視力に悪影響
与える可能性がある。

6部屋それぞれUPPER LEVELまで補充してフタを押し込んで元に戻す。


バッテリーを車体に戻す時にドレンホースを差し込むのを忘れずに!
端子の取り付け順はプラス、マイナスの順だ。

さて、補水が済んだからついでに電圧確認でもしてみようかテスターで測定してみた。
実は大掃除をしてたら行方不明だったテスターが出てきたので、せっかくだから使ってみようって思い立つ。w

まずはメインスイッチを切った状態と入れた状態比較。

メインスイッチをONにするとNランプやCDIなどがバッテリーを消費し始めるので、エンジンがかかってない状態では一方的にバッテリーを
消耗する。
バッテリーメーカーの標準電圧比較表から判断するとおおむね70%の充電状態だけど、これでも1発始動するし、この季節と4年物の
バッテリーを考慮するとこんなものでしょう。

エンジンをかけてアイドリング時でのライト関係の比較をしてみた。


ポジションライトをONにしてもアイドリング時でも十分補充電される程度の電圧がレギュレート・レクチファイヤーから発生してるのが分
る。バッテリー端子に流れ込む充電電圧の事だ。
ヘッドライト(55/60W改造状態)をONにすると電力を食われるのでちょっと電圧が下がるけれど、ギリギリ大丈夫な感じかな。
長時間の信号待ちや渋滞停車時には、こまめにライトを切る事にしよう。

ちょっと回転を上げて比較してみると・・・


3000回転くらいまで上げると十分な補充電状態だな。
実走行時にはまったく問題ないレベルなのでH4 55/60w改造でも発電・充電系は大丈夫だと確信したが、もしもグリップヒーター等を
付けたらもう無理!って感じなので、その際にはライトを35/35wに戻すとか他の灯火類をLED化してつじつまを合わせる必要がある。

5000回転付近はこんな感じになった。


レギュレート・レクチファイヤーの安定化回路がしっかり働いてるのが分って安心した。
これが極端に低かったり高かったりする場合はレギュレート・レクチファイヤーやジェネレーターコイルの故障の可能性があるので、この手の
電圧チェックは正常状態で測定してメモしておくと、いざという時に貴重な比較資料になる。
サービスマニュアルのデーターも参考にするが、ライト改造やLED化してると実車の状態が変わるので、この手の健康診断が有効になる。

しかし寒い・・・タイヤ交換、いつしよう?┐(´―`;)┌