寒さが増してあちらこちらでYBR125のアイシングの話題がちらほらと見かけるようになったね。
だけど俺のYBRはまったくその兆候が現れない。
理由は後で説明します。
中華VM26キャブの加工をするまでの間の暇つぶしにYBR125のアイシング対策例について考えを
まとめてみた。
色々判明したのはYBR125K(KG)に限ってアイシング対策のキャブレターヒーターとサーモ
スイッチが実装されてる事実がある。
パーツカタログ群で確認しても無印系には残念ながら実装されていない。
いつの間にか大人気になったこのページなので、
いくつか追記。
・最新記事はYB125SPや2013年式YBR125Kに施工した
ポン付けキャブヒーター(←リンク) の話なので、
合わせてお読みください。
・2013年モデルからのYBR125K、YBR125KGに関しては、なんと
キャブヒーターが廃止になったとの事で、パーツカタログを確認しても
確かに該当箇所にヒーターは記載されて居ない。
代わりに人力で始動時と安定期までのスロー系は、左スイッチ横の
リモートケーブル式チョークレバーでなんとかしてくれって事なんだろうか?
まあキャブ穴にネジも切ってあるので後付ヒーターも無加工でいけるため、
ネジ山無しで穴だけのBS25キャブ・2011年式無印よりは親切と言える。
もしかしたら将来モデルチェンジ時に再度付くかもしれないが、輸入YBR
は元々中国国内向けのため、現地の消費者が強く嘆願しないとコスト面
で付けないだろうな。
・2015年モデルの無印YBR125 至尊 天剣はキャブヒーター搭載と非搭載の
二種類がパーツカタログ内で存在するが、日本国内への輸入商社がどちらを扱う
のか不明なので、購入の際に確認するとよいだろう。
この記事を書いてから冬季2シーズン経ったが、ぼちぼちキャブヒーター追加と結果の話題がネット上
で見られるようになった。
主にYB125SPオーナー談が多く、エンジン・キャブがほぼ同じ部品構成なのでYBR125でも効果は
ある。
初心者にとってはちょっと敷居が高いかもしれないので、不安な人は電気配線に詳しい友人知人に
相談することもお勧めします。
また、GNやEN125なども実装例が見られるようになった。
冬季始動性がYBRよりもいいとの評判であったはずだけど、運用地域によってはそうでもなさそう。
CBF125に関しては最初からキャブヒーター実装ということで、売り文句にしてもよさそうな仕様だ。
こんな具合だから車種は別だけど互いに仲良く情報共有しようではないか。
なお、キャブヒーターを装着しててもエンジン始動直後はさすがに温まっていなので、速攻で効果が
出るわけじゃない。
カップ麺でも食べようとヤカンに水を入れて火にかけても、直後に沸騰するわけじゃないのと同じだねw
エンジン始動から即走りだして走行中に暖気させるやり方でも、走行風で熱を奪われる関係で、
これもなかなか温まりにくい。
風が吹く屋外で煮炊きした時になかなか鍋が温まらないのと同じ感じ。
始動後、停車暖気を1~2分加える事によって蓄熱されて効果が出やすい。
旧型Kの実態はこんな感じ。(某氏のブログから画像を借りて加筆してます)
見ての通りBS25負圧式キャブ搭載の無印やKでは、エンジンとキャブの間のインレットマニホールドが
ゴム製で熱伝導率が低く真夏の高温時に燃料の温度上昇に伴うパーコレーションが起きにくい反面、
冬季にはキャブが冷える傾向になると容易に想像できるだろう。
一方、2010年までの無印(VM22強制開閉型キャブ搭載)はこのマニホールドが金属のアルミで出来ていて
熱伝導率が高いおかげでアイシングが起きにくい。
逆に真夏はパーコレーションが起きる可能性もあるが、パーコレーションの経験は一度も無くてマニホールドと
キャブ間の薄いガスケットが断熱の役目をはたしてるからパーコレーションに関しては気にしなく
ていいと思う。
調べてて気づいたオマケはKにはスロットルポジションセンサーが実装されていてCDIも含めて無印と違う点だ。
修理でCDIとかハーネスを交換する時によく確認しないと互換性のない部品を入手してしまう。
追記:なお、2013年モデルのKやKGはスロットルポジションセンサーが排除されたので、CDI
やメインハーネス類がYBR125Eと共通化されて、かえって整備・修理時に互いの情報が共有
できるメリットが生まれた。
さて、キャブヒーターの部品構成はKでこんな感じ。
この他に配線やら温度センサーが付く。
5FU-83790-00 ヒーターアセンブリ 1,418円 (←15W)
5CY-14951-00 ワツシヤ 116円
5FU-82560-30 サ-モスイツチアセンブリ 1,754円
ヤマハの部品検索で出た値段だけど発注して出してもらえるかどうかは定かでない。
VMキャブの無印には絵の反対側にヒーター取り付け用の穴がありネジ山が立ってるので、部品さえ入手すれば
ポン付け可能だと前から分ってたけど、なにせ必要性を感じないからなぁ・・・・
2011年モデルのBSキャブ無印はちょっとやっかいだ。
オーナー達の情報及び実際に観察する機会があった結果、該当箇所に穴は開いてるけれどネジ山が立っていない。w
つまりM8×1.25(下穴6.8mm)でネジ山を切らないと付けられないって点が弱点だと思う。
YBR125E(2013年モデル)及びYB125SPに関してはお店で実車目視確認したらネジ山が切ってあるので
無加工で付く。
M8×1.25のタップで立てるためには腕のあるバイク屋や個人に頼むか、あるいは自分でタップとハンドルを購入して
加工するほかない。
一発勝負で失敗したらおしまいだからタップ立て未経験者は素直にプロまかせか、あるいはヤフオクで中古K用キャブ
(ヒーター付き)を買って載せ換えたほうがいいかもなあ・・・(へたするとその方が楽で安いかもw)
穴がドン突きなのでスパイラルタップが適正だろう。
欲を言うなら仕上げタップでヒーターが奥まで届くようにするのがベストかな。
ヒーターが物理的に付いたのなら後は配線だ。
ざっと描いてみたけれど、オマケで動作確認と気温に関係なく強制的にヒーターをオンしたりヒーターの電源が正常に
稼動してるか確認用のインジケーター回路も追加してみた。Kでもインジケータくらいは付ければ確認に便利かも?
こんな感じの回路だけど15Wで電流が約1.9A、25Wでは約2.7A流れる可能性があるので配線の太さは少し気
にしておいたほうがいい。
ヒーター製造メーカーの技術資料を追記しますので電気的特性などを考慮の上、環境や必要配線容量を吟味し
てください。
キャブヒーターはPTCタイプで温度上昇と共に抵抗が上がって電流が下がって平衡状態になる。
15Wタイプで平衡温度約35度、25Wは約42度という温度データを見た事があったけれど、これは室内25度・無風
・試験用放熱器によるものなので、真冬の外気温で風が当たるキャブでは平衡温度はもっと低いだろう。
純正は15Wだけど、国内で入手可能な他車種流用品なら25W物が存在するのでKでちょっと熱量に足りなさを感じ
る極寒通勤者は25Wに交換してみる手もある。(配線と灯火類の消費電力のバランスも忘れずに)
追記:温度センサーに繋げる電源ラインは車体側の「茶」の線を探して接続の事。
「青」は何らかのスイッチを介在した線なので、例えばテールランプの線などに接続した場合は、
右ライトスイッチの位置をポジションまたはヘッドライトにしないとキャブヒーターが動作しない。
日本の現行法では走行時にヘッドライト点灯を義務づけてるので問題無いだろうけど、例えば
エンジン始動や暖気中に右ライトスイッチを入れてないとせっかくのヒーターが動作せず、蓄熱の
観点で時間がもったいない。
YBR125Kでもメインスイッチ直後の「茶」の線で回路構成されてるので従うのが最適を思うよ。
もちろん分かっててテールランプ線「青」に繋ぐならスイッチ操作で問題は出ない。
つまり暖気中にポジションランプを点灯してあげれば済むってわけだ。
さらに簡略した配線図。
実機に近い配置で表現しました。
これでも分からないなら絶対に自分で改造しないでください。
バイク屋さんか電気関係へ進学・就職した友人や知人に頼み込んで改造してください。
互換品
・ヤマハ YB-1(最終型2006)
4EB-83790-00 ヒーターアセンブリ 2,237円
5FU-82103-00 ターミナル 1 95円
90201-08016 ワツシヤ,プレート 89円
5FU-82560-20 サーモスイツチアセンブリ 1,985 円
・スズキ スカイウェイブ250やストリートマジック用
ヒーターアッシー 13650-25E01 ←15Wタイプ(スカブ、ストマジ前期型)
13650-20E00 ←25wタイプ(ストマジ後期型) 約1800円
サーモスイッチ、キャブヒーター 13655-16F00 約2350円
カワサキもエストレアで実装された年式もあるらしく、どこかのブログでカワサキの部品番号を見かけた
けれど、値段も番号もメモし忘れてわからん。この手の情報って気になったらとりあえずメモだね。orz
サーモスイッチは気温10度以下でONになる仕様なので、エンジン近くに設置すると廃熱が影響して
希望の動作状態にならない可能があるから、Kと同じ様にシート下のテールカウル付近に設置した方
が無難だろうが、面倒ならタンク下付近にタイラップで固定するかウィンカーリレーの上にある空間
に固定すれば特に問題は出ないと思う。
てことで旧K(KG)以外でキャブヒーター実装は可能。(某店でも無印を改造した例を画像付きで公開してる
けど詳細不明)
このような電気的ヒーティングの他に物理的に熱伝導させる改造など、世の中極寒と戦う通勤ライダーが実
に多い。
アイシングとかキャブヒーターで検索しまくればきっといいヒントが見つかるだろうね。
最後にYBRでアイシングって本当に起きてるのかな?
キャブヒーターの入り切り比較で検証してる人とか居ないようなので実は半信半疑なんだよね。
YBR125Kにてアイシングらしき現象が起きる条件でのキャブヒーターの効果を
実証した方が居ます。
やはり論より証拠、実行に勝るものなしの結果ですね。
さすが10万キロ越へYBRのオーナーさん、行動力が違います!m(__)m
YBR125Kでキャブヒーターの効用を探ってみた ←リンク
キャブヒーターを切ってみた ←リンク