YB&YBRダイアリー

中国ヤマハのYB125SPとYBR125でバイクライフを満喫するブログ
(自己責任を伴う整備・改造を多く含んでいます)

強化配線とUSBシガソケ

2016年12月02日 | YB125SP電装系

こつこつと描いたりしてた図面が出来たので、予告通りにYB125SPの電源の
強化配線とUSB・シガーライターソケット電源取付の話を書くよ。
YB125SPにUSB型電源でも付けようと、最初はこんな感じで簡単に済ませ
るつもりだった。



すげー簡単でしょ。w
だがしかし、この方法はYBの既存配線の能力に依存するため、どのくらいの
余裕があるのかわからない。
ホーンを駆動する電流で大丈夫なら、USB電源程度は大丈夫と判断してたけれど、
今後、どんな電気アクセサリーを追加するか未定なのでちょっと調査した。

部品取り用に入手してたYBR125無印のメインハーネスを分解してACC(アクセサリー
電源)関係の茶色い配線の接続方法を確認してみたよ。

このように各部へ行くACC配線(茶色)はハーネス途中の一か所でまとめて
圧着接続されていた。

イメージはこんな感じ。

ACC基幹線は0.75sqくらい細かったから、あまり追加負荷を行いたくない。
できればメインスイッチ配線の直近の方が安心だ。

さんざん悩んだ結果、今回YBに施工する追加アクセサリー配線はこの方法にした。

メインスイッチ配線がギボシ端子式なので、これを利用して強化配線を割り込む
方法。
既存配線に並列接続し、電線の電流容量を増やしつつ、後から追加配線しやすい
ように予備線も敷設しておくのだ。
メインスイッチの配線と接点に少し余裕があるから、リレー経由の回路にしない
で済ませたけど、後になって大容量なLEDサブランプなどを追加したくなった時には、
予備線からリレー回路を組めば良いと思っている。
その時は、メーター内照明、テールランプをLED化して、全体の消費電力の
バランスを保つ必要があるはずだ。

実際に作った配線。

ステアリング・ステム周辺の動きや配線保護のために、ジャバラ状のコルゲート
チューブ(「エーモン・配線チューブ」など)内径7mmを使った。
バイク用品店やホムセンの自動車電装品売り場、電材売り場、カー用品店で
見つかるだろう。
電線は基本、太さ1.25sqを使ったけれど、手持ちの0.75sqも混在してる。
USB電源やパーソナルナビしか使わないなら前出の簡単配線を0.75sqで組んでも
構わない。
線材はデイトナのバイク用配線AVSシリーズとエーモンのAVシリーズを愛用。

分岐接続の一例。

分岐したい箇所をデザインカッターなどで外皮を剥く。

追加したい線も剥く。

予め、ギボシ端子メスの絶縁チューブを通しておく。

丁寧に巻き付ける。

俺はこの時点でハンダ付けして、ギボシ絶縁チューブの代わりに熱収縮チューブ
で絶縁処理しちゃうんだけどね。

ギボシ端子メスを圧着スリーブ代わりにする。

この方法なら4~5本くらいまでまとめられる。
YBR純正方法と変わらないのだ。

圧着する。

正規な方法じゃないのでいびつだけど、しっかり固定する。

絶縁チューブをずらして被せる。

意外と面倒だったり簡単だったり、個人差はあるだろう。

ギボシ端子オス側の分岐方法例。

10mmほど剥いてから折り曲げる。

ギボシ端子にセットする。

配線を切らずに圧着できるため、線間接触不良が起きないのだ。

熱収縮チューブを被せてライターの火であぶる。

これでギボシ端子オスの分岐配線は完璧。
こんな感じで図面の回路を元に配線を作っておいた。

車体に組み付ける。
シートを外しておいて、ガソリンコックをOFFの位置にひねる。

ガソリンホースも抜く。

タンクの右前の下側にある燃料蒸気還元回路のチェックバルブを外す。

チェックバルブは樹脂製だから、管を折らないよう慎重に。

燃料タンク固定金具を外す。

裏表と回り止めの凹みがあるので、組む時には位置を再現する事。

タンクを少し持ち上げて、後方裏側の燃料計センサーの配線コネクタを抜く。

ロック機構部を押しながら抜く。
後はタンクを慎重に、左右に少し揺らしながら後へずらすと車体から分離できる。
タンクは地面に直置きせず、座布団などを敷いてキズ防止すると良い。

USB・シガソケユニットの位置決め。

まあ、こんなもんでしょ。w

そのままじゃ配線が長すぎるから短く切り、ヒューズケース内で配線を切って
端子にハンダ付けしなおした。

この長さであれば、OKだろう。

追加配線を車体に這わせる。

既存のメインハーネスにそって這わせると、ハンドルを切っても挟まれたりする
事が無い。

マイナス線は今回、キャニスターの固定ボルトに共締めした。

テスターで確認したらフレームを通してちゃんとバッテリーのマイナス極とつな
がっているので、この場所が作業的に楽だと判断した。

車体の配線ルート。

タンクやシートに挟まれる事が無い様に、メインハーネスに添わせると良い。
この作業をいいかげんにやって、後にショートや電気火災を起こす例はあると
お店も言っている。

ライトケース内の配線。

メインスイッチ配線をたどり、青色のギボシ端子を分離して分岐配線やUSB・シガソケ
を接続する。

整線し、タイラップでドーナツ状にまとめる。

後から確認や追加がしやすい様にまとめると良い。

最後にヒューズコネクターの空き端子にプラス極配線を接続する。

これで既存の15Aヒューズを経由してバッテリーに繋がるのだ。
メインスイッチをONにして、無事にニュートラルランプやUSB電源が通電できれば
配線は完成。

ガソリンタンクを戻す前に、保持用のラバーダンパーにシリコングリスを薄く塗布
しておくと組みやすく、しかも次回外す時は楽に動かせる。

タンクを載せたら燃料計センサーの配線コネクタを差し込むのを忘れずに。
後は燃料ホースやチェックバルブなどの配管を戻してタンクを固定、シートやら
サイドカバ-を元通りに固定すれば完了。

分からないとか面倒なら、一番簡単なホーン配線からの配線で構わないけど、
ホーンの配線容量は限界に近いからUSBシガソケ以外のアクセサリーは絶対に
追加しないでいただきたい。

最後に配線の強化前と後の電圧変化を、消費電力が高いヘッドライトの端子電圧で
アイドリング時に比較してみた。
強化前の純正状態。

13.48V。
配線強化後。

13.64V。
回路的にバッテリーからの配線のみが太くなっただけで末端では0.16Vの改善が
あり、負荷がもっと上がれば差はさらに広がるだろう。
苦労の甲斐はあったと思いたい。

以上、大雑把だけど要点は説明できたかな。

当ブログの各写真や図面は個人的に転載や再公開をしても構わないけれど、営利
目的の商品に添付する説明書への無断転載はご遠慮ください。
これでも夜な夜なコツコツと描いてるので、技術的図面の対価は結構な額になるの
は業界の人で無くてもわかるだろう。
内容を元に御自分で描いて記載する分には構いません。
それでも転載したいなら、事前にコメントで連絡し、転載元を明記してください。



2 コメント

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Unknown (ムネカ)
2021-04-23 17:51:46
ご無沙汰しています。セル、リレー問題でお世話になりました。
今回、雷太さんの電源取り出しを参考にドラレコを着けようと思っています。さらに同じ様にusb電源も取り付けようと着々と準備中です。
ドラレコでもこの配線で基本大丈夫ですか?
他に気をつけることがあればご指導願います。
作業は自己責任。肝に銘じております。
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同じです (雷太)
2021-04-23 21:44:58
ドライブレコーダーでも同じ方法で配線して構いません。
要はUSB用12V電源配線にドライブレコーダーの12V電源線を「並列」に追加接続するだけです。
注意点は電気一般的な話として
・間違った配線はしないこと。
・何となく「これかな?」作業は必ず誤配線をまねくので
 確認を確実にすること。
・電線の許容電流以上の装置(負荷)を繋がないこと。
・バイクは無限発電所じゃない。w

成功をお祈り申し上げます。
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