人の道は
自分の目には正しく見える、
しかし主は人の心をはかられる。
「箴言」 21章 2節 旧約聖書 口語訳
迫害を受ける人は
神様と一番近いのです。
涙を流す心を持つことが大切です。
普段は涙を流したことがなかった人も、
国を失えば涙を流して泣きます。
神様にすがって慟哭します。
苦痛に満ちてつらいことですが、
涙を流して泣くことのできる心は
福となります。
涙に濡れた心に神様が
来られるからです。
▲ジャンヌ・ダルクを演じる笹本玲奈 さん。
★【インタビュー】
ジャンヌ・ダルクを演じる笹本玲奈
喜怒哀楽以上のものを要求される難役
スターファイル
◆朝日新聞社 2013年9月2日
主にミュージカルで活躍している笹本玲奈が、9月5日に世田谷パブリックシアターで初日を迎えるストレートプレイ作品「『ジャンヌ』~ノーベル賞作家が暴く 聖女ジャンヌ・ダルクの真実~」に主演する。笹本はジャンヌ・ダルクを「憧れの役」と言い続けてきた。そのジャンヌ・ダルク役に取り組んでいる思いや作品について、またデビュー15周年コンサートなどについて語ってもらった。
(フリーランスライター・岩村美佳)
ジャンヌ・ダルク役について尋ねると、「こんなに大変だとは思わなかったです」と笑う。「人を説得したり、奮い立たせたりとすごくエネルギーを使う。ひとつの信念を持って突き進むという、すごく強い女性というイメージがあったんですけれど、喜怒哀楽以上のものを要求される非常に難しい役」と、取り組んで初めて気づいた今の思いを語った。
笹本は、ジャンヌ・ダルクのゆかりの地であるフランスのオルレアンを訪れたそうだ。「町中にジャンヌ・ダルクの銅像があって、剣を十字架のように抱きしめているポーズが一番多いんですよ。ジャンヌ・ダルクといったらそのポーズが一番象徴的なのかなと思いました」と印象を語る。今作品のポスターはジャンヌ・ダルクの銅像のひとつをヒントに撮影された。「鵜山さんが撮影のときに、『大切にしている感じで抱いてほしい』とおっしゃっていました。ジャンヌ・ダルクは人を殺したことがなかったそうなんですね。戦場に行ったときもこの剣を自分の十字架として、十字架に見たててずっとお祈りをしていたんだなと思います」と思いを馳せた。
※『ジャンヌダルク』竹下節子
キリスト教や宗教裁判など、今の日本人にはなじみのないものが題材となっている作品ならではの難しさがあるという。「特にジャンヌ・ダルクは神様の存在を身近に感じて生きているので、いかに自分自身が神様というものを身近に感じられるかというのが、まず第一関門だなと思ってお稽古していました」という。
ジャンヌ・ダルク自身に対しては「神様みたいな遠い存在だと感じていたんですけれど、実際にバーナード・ショーの台本を読ませて頂いて、ジャンヌ・ダルクという人に親近感が湧くというか、本当に生きていたんだと感じることが出来たんです」と話し、ジャンヌ・ダルクをリアルに感じているようだ。そして、「ジャンヌ・ダルクは常に誰かのためを思って生きていますし、そういう姿は自分にもすごく必要だと思います」とも話した。
今回の作品の特徴に、エピローグがある。ジャンヌ・ダルクの死から25年後、シャルルの夢に登場人物たちが集まって、ジャンヌ・ダルクの死後何を思っていたのかというのが描かれている。「このシーンは非常に面白いシーンになるんじゃないかと思います。火あぶりの刑で終わってしまうジャンヌ・ダルクってすごく悲しいと思うんですよね。そうではなくて、このシーンがあることで何か希望を感じて劇場をあとにして頂ける作品になっています」と話した。
※『ジャンヌダルクの生涯』藤本ひとみ
笹本は「ジャンヌ」のあとに、「レ・ミゼラブル」の中日劇場公演と帝国劇場凱旋公演、「スクルージ」、そして15周年コンサート「笹本玲奈 15th Anniversary Show Magnifique(マニフィック)」が控えている。「レ・ミゼラブル」では10年同じ役を演じてきて、「エポニーヌは私の一部になっている」という。年齢を重ねるにつれ、役や作品に対する思いの変化もあるそうだ。「『ジャンヌ』でお芝居の勉強をして、さらに違う世界が見えてくるんじゃないか」と期待を込めた。コンサートについては、「自分が今まで経験してきた役をもう一度コンサートで演じてみたりとか、今までに見たことがない私というのも表現してみたいと思っているので、ミュージカルだけではなくて色んな音楽のジャンルに挑戦できたらいいなと思います」と話した。
得意の歌を封印して、ストレートプレイでジャンヌ・ダルクに挑む笹本。「ジャンヌ」を経て役者としての幅をさらに広げ、再び演じるエポニーヌや、15周年のコンサートも楽しみだ。
〈笹本玲奈さんプロフィール〉
1985年生まれ。一般公募オーディションにより選ばれ、13歳で『ピーターパン』として主演デビュー。10代主演女優の全149回という公演数は日本ミュージカル史上最高記録。2007年『ミー&マイガール』および『マリー・アントワネット』で第32回菊田一夫演劇賞を最年少受賞。2008年には『ウーマン・イン・ホワイト』で第15回読売演劇大賞優秀女優賞および杉村春子賞を受賞。その他の出演作は『ミス・サイゴン』『ジキル&ハイド』『こどもの一生』『ロッキー・ホラー・ショー』『日本人のへそ』など多数。今年は『レ・ミゼラブル』にも出演しているが、エポニーヌ役を演じるのは10年目となる。また、演劇だけでなくテレビドラマやバラエティなどにも出演。2013年5月にはデビュー15周年を記念して、2ndアルバム「Magnifique」(マニフィック)を発売。来年にはコンサートも決定しており、女優の枠にとらわれずに幅広く活躍している。
◆「『ジャンヌ』 ~ノーベル賞作家が暴く 聖女ジャンヌ・ダルクの真実~」
《東京公演》2013年9月5日(木)~9月24日(火) 世田谷パブリックシアター
《兵庫公演》2013年9月28日(土)~29日(日) 兵庫県立芸術文化センター 阪急中ホール
《豊橋公演》2013年10月5日(土) 穂の国とよはし芸術劇場PLAT 主ホール
《札幌公演》2013年10月9日(水) 札幌市教育文化会館 大ホール
⇒内容については公式ホームページなどでご確認下さい。
http://setagaya-pt.jp/theater_info/2013/09/20139.html
◆「笹本玲奈 15th Anniversary Show Magnifique(マニフィック)」
《東京公演》2014年1月31日(金)~2月2日(日) 天王洲 銀河劇場
⇒内容については公式ホームページなどでご確認下さい。
http://www.gingeki.jp/performance/index.php?date=201401#238
(関連リンク:笹本玲奈オフィシャルサイト)
http://renasasamoto.jp/
(関連リンク:笹本玲奈オフィシャルブログ)
http://ameblo.jp/renasasamoto/
《筆者プロフィール》岩村美佳 フリーランスのフォトグラファー、ライター。舞台関係、ファッションなどを中心に撮影してきた経験をいかし、ライターとしても活動している。「目に浮かぶ言葉」を伝えていきたい。
(朝日新聞社 2013年9月2日)
※この人も幕末から明治を生き抜いた
ジャンヌダルクであった。
「あすの夜はいづくの誰かながむらむ
馴れしみ空に残す月影」
(新島八重)