地上を旅する教会

私たちのすることは大海のたった一滴の水にすぎないかもしれません。
でもその一滴の水があつまって大海となるのです。

健やかな命【原発と汚染共に考えて 外国人研修生に農業伝え40年】

2013-09-16 20:33:39 | 今日の御言葉


貧しい人は食べて満ち足り
主を尋ね求める人は主を賛美します。

いつまでも健やかな命が与えられますように。


「詩編」 / 22編 27節 旧約聖書 新共同訳



私たちのすることは
大海のたった一滴の水に
すぎないかもしれません。

でもその一滴の水があつまって
大海となるのです。


マザーテレサ
(マザーテレサ『愛のことば』より)



Photo http://www.ari-edu.org/ja/about-us/


★原発と汚染共に考えて
外国人研修生に農業伝え40年


◆東京新聞 2013年9月14日
社会(TOKYO Web)



▲和気あいあいと農作業する外国人研修生たち=栃木県那須塩原市で


世界中から研修生を受け入れ、農業リーダーを育成している専門学校「アジア学院」(栃木県那須塩原市)が、十六日に創立四十周年を迎える。記念式典には、アジアやアフリカの卒業生約五十人が再来日。東京電力福島第一原発事故で汚染された畑を除染し、収穫した作物の放射線量を計測し続けた経験を伝える。いつか、彼らの国が原発を輸入し問題に直面したときのために。 (大野暢子(まさこ))

現在の在校生は、日本を含む十一カ国の三十二人。トマト、キュウリなど約六十種類の野菜や家畜を育て、収穫後は自分たちで食べたり、直売したりしている。

ケニアで孤児院職員だった女性ジェスカ・ンブチェさん(38)の故郷では、シングルマザーが生計を立てられずに育児放棄する人も多い。「農業を通じて女性の自立を助けたい」と、乾燥地域でも乾きにくい土づくりなどを熱心に学んでいる。

ミャンマー出身の男性ザ・ベット・タンさん(43)は、代々続けてきた焼き畑農業に疑問を持ち、入学した。「焼き畑は毎年移住し、いちいち木を切って新たに家を建てる。持続可能な農業とはいえない」と話す。

国内外の教会や個人、福祉団体からの寄付で運営を続けてきたが、東日本大震災では、震度6弱の揺れで校舎や寮が破損。さらに原発事故の影響で、敷地内にある畑の土や野菜から、基準値を超える放射性ヨウ素やセシウムが検出された。

現在地での農業をあきらめる声も出たが、人海戦術で畑の表土や落ち葉を除去。支援者から贈られた測定器で、収穫物や土、農業用水の放射線量を計測し続けた。現在は、露地栽培も再開した。

収穫物については、世界的にも厳しいとされるベラルーシの基準(一キログラム当たり三七ベクレル以下)を採用し、これを超えた物は処分。購入者にはデータをすべて公開している。

昨年からは、地域住民が持ち込む食品や土の線量を計測するサービスを開始。これまで二千件を測り、不安軽減に役だっている。

卒業生たちは一週間滞在し、放射能汚染について考える授業を受講する。大津健一校長(70)は「有機農業が示すように、身の回りに自然にあるものを使って生きていくのが一番。日本から原発が輸出される方向にはならないでほしい」と願う。「だからこそ学院の現状を見て、自分たちの国の将来のこととして考えて」と訴えた。


<アジア学院>
1973(昭和48)年、途上国で持続可能な農業を指導できる人材を増やそうと、キリスト教関係者が中心となって設立した専門学校。これまでに54カ国の1130人が学んだ。
キリスト教以外の信者や無宗教者も約3割。9カ月間を寮で過ごし、有機農業や酪農のノウハウを学びながら、自給自足を実践する。経営は寄付でまかない、学費はほぼ全額を学校が負担。故郷が内戦状態にあったり、貧困で農業の発展が急がれる国から来た学生も少なくない。
http://www.ari-edu.org/