ある若い男の子と女の子が二人、
幸せの青い鳥を探しに旅に出た。
二人はいくつもの山を越え、谷を渡り、
いくつもの街を通りすぎた。
ところが、
とつぜんのどしゃ降りに出会って、
なすところなく、
立ちすくんだままだった。
行き交う人々は、
とても自分の用事でせいっぱい。
二人のそばを通りゆくだけ。
そんなところに、
年齢も似たような、
知的な顔立ちの少年が寄ってきて、
これを唱えるとお願いごとが叶うんだよと、
あるお呪い(おまじない)を教えてくれた。
❝オン・シャレイシュレイ・ジュンテイ・ソワカ。❞
何度も、何度も唱えるんだ。
そう伝えて、
その少年は二人の前から去っていった。
もう助かりたい一心で、
二人は一生懸命に唱え続けた。
来る日も来る日も、
二人はそのおまじないをとなえつづけた。
そうすると、
ある日、
青い鳥が窓先で鳴いているのを見つけた。
幸せの青い鳥だとは分からなかったけど、
可愛いかったので、
餌をやって飼い馴らした。
やがて、
二人はその鳥が、
幸せを運ぶ鳥だったことに気がついたんだね。
今では、
年老いた二人は、毎朝、
朝の連続ドラマ『カムカムエブリバディ』を観て、
そして次に、
『日野正平のこころ旅』を観て,
二人で笑い合っているそうです。
男の子の頭には、
そのたびに、
『On A Rainy Day』のメロディが流れているんだという。
(おわり)
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