ここ10年、子ども達の「言語能力」の低下は、かなり深刻な問題です。この原因は、家庭生活の中で、母国語である日本語が大切にされていない・・・ということに大きな原因があると思っています。
国際化社会という御旗を掲げ、幼児期からの外国語習得に躍起になる親が多い中、親そのものが正しく美しい日本語が話せなかったり、話そうという思いがなかったり・・・私は大変残念なことだと思っています
そんな状況のもと、現在の子ども達は、5、6年前の子ども達と比較すると、「口頭で出された問題の意味そのものが理解できない」ということがよくあります。
私の教室では、どんなカリキュラムを教える時も、いきなりペーパーを使うのではなく、ホワイトボード上に例題を出し、子ども達にわかりやすい言葉を使い、何度も何度も、多方向から説明をします。一人一人の顔を見ていると、その子が私の言葉、私の説明を理解しているかどうか?ということがよく理解できます。わかったかな?とたずねて、ウン、ウン、と頷いても、必ずしも子ども達の理解度は一定ではありません
ウン、ウン・・・の子ども達の表情をよく見て、理解の程度が浅そうだと思った時には、その子に対してピンポイントで説明をします。
そして、やっとしっかりと全員が理解できた、と思えた時に、初めてペーパー学習を始める・・・という手順を踏みますが、年々、ここまでの時間が長くなっていくのです。つまり、子ども達の「言葉の理解力が低下している」ということ、ですね
お母様方は大人ですから、どんなペーパーの問題を読んでも、「むー、この問題・・・理解できない」ということはあり得ません、よね。
でも子ども達の場合は、日頃、ご家庭の中や幼稚園、保育園の会話で用いている言葉と、ペーパー学習で使われている言葉には「大きな隔たり」があり、決して同じ言葉として理解はできないのですよ。お気づきでしたか?
「どちらが多いですか(少ないですか)?」程度の言葉であれば、普段の会話でも使っています。ですから、こういう問題の意味がわからなかった、ということはないでしょう。
しかし、こういう問題はいかがでしょうか?
問題1:
『上の段と下の段には、5枚ずつカードが並んでいます。それぞれのカードには絵が描かれてあります。その絵をよく見て、上のカードと下のカード、それぞれ関係のある絵を探して、線で結びましょう。』
問題2:
『ここに描かれてあるリンゴを、上の四角の中に描かれた人数で分けようと思います。必ず、一人一人に分けるリンゴの数が同じ数になるようにするためには、何個あげればよいでしょうか。その数を、下の線の上に赤のクレヨンで○を描いてください。』
大人は、「わかるはずだ」と考えます。うちの子は、すでに5歳(6歳)になっているのだもの・・・普段は、私に偉そうに反抗的な口答えもするわけだもの・・・と。
けれど、案外、子どもは実際には完璧に出された問題を理解できている、とは限りません
中には、出された問題を聞き、「はいはい、この間、やったやつね」という理解の仕方をしている子もいて、この場合には、完全に「問題を理解した」のではなく「慣れ」によって、理解したつもりになっているだけ、なんです。
ですから、こういう子ども、こういう理解の仕方をした子どもの場合は、ほんの少し設問の内容を違ったものにするだけで、見事に間違ってしまう・・・こういうことは少なくありません
特に数量の問題などは、小学校に入ってしまって、数を数字で表すことを覚え、数式にして書き換えられるようになったほうが、絶対に間違いにくくなるものです。
しかし、小学校受験準備の段階では、数量の問題も、すべてが基本的には「文章題」であり、数量の問題を、しっかりと文章を理解することによって「○」や「△」という印に数を置き換え、「3」と描く換わりに「3個、○を描く」という作業をしなければなりません。
そのためには、出された文章での問題を、完璧に理解していなければ、先には進めない・・・とか、間違った答えを導き出してしまう・・・こういうことが頻繁に起こってしまうわけです。
問題のメカニズムを理解することが、何よりも一番大切であることは言うまでもありませんが、もっとそれ以前に、わが子の「言葉(文章)の理解度、理解力がどの程度であるのか?」ということを、親側がしっかりとチェックし、言葉の言語能力を高める努力をしないといけません
外国語の習得がなかなか難しいように(たとえば、鉛筆が「pencil」である、と覚えるのは簡単ですが、「ぼくの鉛筆の芯がとがりすぎていたから、とても書きづらかった」と言うのは難しいですね。しかし、実際には、子ども達は、そういうことも言えなければいけないわけですし、そういう言葉を理解できなければ困るのです)、言葉の習得には時間がかかります。
わが子の言語能力・・・それは、今までの5年間、6年間のご家庭での積み重ねの結果、です。言葉の発音、文章を組み立てる力、聞く力、等、総称すれば「言語力」を、あらためてチェックしてみましょう
そして、ペーパー学習での「子どもの間違い」が、カリキュラムの不理解なのか、言語力の未熟から来るものなのかを、しっかりと見極め、対処をしなければなりません。
このブログの他の、お役立ちホームページのご紹介
幼児教室マナーズ http://www.madoka-manners.com/ リニューアルされました
まどか先生の親と子の相談室 http://www.manners-sodan.com/
0歳からの小学校受験 http://www.madoka-smile.com/
働くママ・ワーキングマザーの小学校受験 http://www.hataraku-mama.com/
国際化社会という御旗を掲げ、幼児期からの外国語習得に躍起になる親が多い中、親そのものが正しく美しい日本語が話せなかったり、話そうという思いがなかったり・・・私は大変残念なことだと思っています
そんな状況のもと、現在の子ども達は、5、6年前の子ども達と比較すると、「口頭で出された問題の意味そのものが理解できない」ということがよくあります。
私の教室では、どんなカリキュラムを教える時も、いきなりペーパーを使うのではなく、ホワイトボード上に例題を出し、子ども達にわかりやすい言葉を使い、何度も何度も、多方向から説明をします。一人一人の顔を見ていると、その子が私の言葉、私の説明を理解しているかどうか?ということがよく理解できます。わかったかな?とたずねて、ウン、ウン、と頷いても、必ずしも子ども達の理解度は一定ではありません
ウン、ウン・・・の子ども達の表情をよく見て、理解の程度が浅そうだと思った時には、その子に対してピンポイントで説明をします。
そして、やっとしっかりと全員が理解できた、と思えた時に、初めてペーパー学習を始める・・・という手順を踏みますが、年々、ここまでの時間が長くなっていくのです。つまり、子ども達の「言葉の理解力が低下している」ということ、ですね
お母様方は大人ですから、どんなペーパーの問題を読んでも、「むー、この問題・・・理解できない」ということはあり得ません、よね。
でも子ども達の場合は、日頃、ご家庭の中や幼稚園、保育園の会話で用いている言葉と、ペーパー学習で使われている言葉には「大きな隔たり」があり、決して同じ言葉として理解はできないのですよ。お気づきでしたか?
「どちらが多いですか(少ないですか)?」程度の言葉であれば、普段の会話でも使っています。ですから、こういう問題の意味がわからなかった、ということはないでしょう。
しかし、こういう問題はいかがでしょうか?
問題1:
『上の段と下の段には、5枚ずつカードが並んでいます。それぞれのカードには絵が描かれてあります。その絵をよく見て、上のカードと下のカード、それぞれ関係のある絵を探して、線で結びましょう。』
問題2:
『ここに描かれてあるリンゴを、上の四角の中に描かれた人数で分けようと思います。必ず、一人一人に分けるリンゴの数が同じ数になるようにするためには、何個あげればよいでしょうか。その数を、下の線の上に赤のクレヨンで○を描いてください。』
大人は、「わかるはずだ」と考えます。うちの子は、すでに5歳(6歳)になっているのだもの・・・普段は、私に偉そうに反抗的な口答えもするわけだもの・・・と。
けれど、案外、子どもは実際には完璧に出された問題を理解できている、とは限りません
中には、出された問題を聞き、「はいはい、この間、やったやつね」という理解の仕方をしている子もいて、この場合には、完全に「問題を理解した」のではなく「慣れ」によって、理解したつもりになっているだけ、なんです。
ですから、こういう子ども、こういう理解の仕方をした子どもの場合は、ほんの少し設問の内容を違ったものにするだけで、見事に間違ってしまう・・・こういうことは少なくありません
特に数量の問題などは、小学校に入ってしまって、数を数字で表すことを覚え、数式にして書き換えられるようになったほうが、絶対に間違いにくくなるものです。
しかし、小学校受験準備の段階では、数量の問題も、すべてが基本的には「文章題」であり、数量の問題を、しっかりと文章を理解することによって「○」や「△」という印に数を置き換え、「3」と描く換わりに「3個、○を描く」という作業をしなければなりません。
そのためには、出された文章での問題を、完璧に理解していなければ、先には進めない・・・とか、間違った答えを導き出してしまう・・・こういうことが頻繁に起こってしまうわけです。
問題のメカニズムを理解することが、何よりも一番大切であることは言うまでもありませんが、もっとそれ以前に、わが子の「言葉(文章)の理解度、理解力がどの程度であるのか?」ということを、親側がしっかりとチェックし、言葉の言語能力を高める努力をしないといけません
外国語の習得がなかなか難しいように(たとえば、鉛筆が「pencil」である、と覚えるのは簡単ですが、「ぼくの鉛筆の芯がとがりすぎていたから、とても書きづらかった」と言うのは難しいですね。しかし、実際には、子ども達は、そういうことも言えなければいけないわけですし、そういう言葉を理解できなければ困るのです)、言葉の習得には時間がかかります。
わが子の言語能力・・・それは、今までの5年間、6年間のご家庭での積み重ねの結果、です。言葉の発音、文章を組み立てる力、聞く力、等、総称すれば「言語力」を、あらためてチェックしてみましょう
そして、ペーパー学習での「子どもの間違い」が、カリキュラムの不理解なのか、言語力の未熟から来るものなのかを、しっかりと見極め、対処をしなければなりません。
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