ぼちぼち日記

シニアの暮らし方や思い、猫たちのことなどをマイペースで記録しています。

昔も「ゆるかわ」は流行っていたのだ。

2024-04-11 19:23:48 | 
ちょっとうつりが悪いけれど、先日図書館で借りた本。
タイトル通り日本とヨーロッパで描かれた動物たちの絵が満載。
描いた人は、画家や俳人、お坊さんに、あの徳川家光まで。
写真右上のフクロウが徳川家光作。
徳川家光は、こんなのを沢山描いている。
絵が好きだったのだと知って、何か嬉しい。
時代を飛び越えてしまう。

一見ウマヘタ。
他にも日本には沢山可愛い絵を描く画家がいて、皆から愛された。

どれも可愛くてゆるい。
なんだか肩の力が抜けていくような。
こんな絵が描けたらいいなと思うけれど、おそらくしっかりした基礎があってのこの絵なのだろうな。
解説もおもしろい。
ずっと手元に置いておきたい本だ。

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「本当の人生」 著者:アドリーヌ・デュドネ  訳:藤田真利子

2024-04-06 13:22:04 | 
ある夏の晩、母はツナと桃の料理を作り、わたしたちはそれを庭に面した青い石のテラスで食べた。父はもう食卓を逃げ出してテレビの前にすわり、グレンフィディックの瓶を抱えていた。父はわたしたちと一緒に過ごすのが好きではなかった。この家族では夕食を囲んで家族が集まる時間が好きな人は一人もいなかったと思う。でも、父はこの儀式をわたしたちに押しつけていた。もちろん自分自身にも。そういうものだからだ。家族というのは楽しいかどうかは別にして一緒に食事をとるものだからだ。テレビではそうなっていた。ただ、テレビの人たちは、楽しそうだったけれど。

こんなふうに食卓を囲む家族が、この地球上でどれだけいるのだろう、と、ふと思った。
機能不全の家族。悲惨で陰鬱な食卓。
こんな景色は、外側からはなかなか見えないけれど、案外ありふれているのかもしれない。
家族によって壊されていく子どもたちも。
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「昔はよかった」と言うけれど  著者:大倉幸宏

2024-03-20 21:22:37 | 


高齢者に席を譲らない若者、車内で化粧をする女性、道端にゴミを捨てていく人、パッケージが偽装された食品、落書きされた図書館の本・・・・・100年前に生きていた日本人も、こうした事例を日々目の当たりにしていました。日本人の道徳心は終戦を境に低下しはじめたのではなく、「もともと低かった」のです。


(写真、影が入ってしまったけど、内容があまりにひどいので紹介)


著者は当時の議事録や新聞記事を丹念に集めて細かく事例をあげている。
江戸時代、明治、大正、戦前、戦中、戦後。
昔からみんな同じことを言っていたなんて・・・・
何だかここ最近で一番ガッカリしたかも。
つまり、昔から馬鹿な人は馬鹿で、身勝手な人は身勝手で、意地の悪い人は意地悪で。
極悪な人は極悪であったということだ。
ああ。
世界はいつでも玉石混交。






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図書館へ。

2024-03-17 20:53:21 | 
今日は返却日だったので、また8冊ほど新たに借りてきた。
その中でこんな本が。


普段見慣れて、気にも留めない雑草たちが、ミクロで見るとこんなにきれいだなんて!
見ているだけでとても楽しい。

今度からじっくり観察してみようと思う。
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「やさしい猫」 著者:中島京子

2024-03-03 17:49:53 | 
「空港で難民申請したとたんに、するーっと入管の収容所に直行させられちゃうケースもあるの。日本の地を踏まずに二年も三年も収容されている依頼人の顔が、ああ、いまここに思い浮かぶわ!」
「難民を保護するというマインドと、外国人を管理するという入管のマインドは、そもそも相いれないものだからね」
「本来は、入国管理局からは独立した難民認定機関ができなきゃいけないんだよね」
「いや、ここ、じつは根源的な問題なんだよ、マヤちゃん。なぜ、難民保護と入国管理を同じ部署の同じ人間が担っているのかってこと。変だと思わない?助けてあげたいっていうのと、追い出してやるぜっていうのが、同じ部署なんだよ」
「はっきりいって『追い出してやるぜ』ってメンタリティに貫かれているよね」
「うん、日本には難民認定制度って、ないに等しいよね。あるのは難民不認定制度だよ」
麻衣子先生とハムスター先生は、よほど不満が溜まっていたらしく、一気にここまで語り合うと、ふうーっと息をついて、二人で虚空を見つめた。

スリランカ人の男性と結婚したシングルマザーの母と娘は、幸せから一転彼がオーバーステイで入管に囚われるという最悪の事態に直面する。そもそも難民がどのように生まれ、日本ではどういう扱いを受けるのか。
日本の入管の問題点を、ある家族の人生をなぞりながらリアルに描ききっている。出来るだけ多くの人に読んでほしい力作だ。
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