映画を誘ってくれた友だちと帰りは韓国料理の店でランチする。
韓国人の彼女とはもう30年近くのつき合い。
そもそもなんで知り合ったんだっけ?という話になって、
熱を出して独りぼっちで寝ていた時に、風邪薬をアパートに持ってきてくれたのが私だったと話してくれた。
日本人の船乗りの夫と結婚して日本で暮らし始めた彼女は、一人で過ごす時間のほうが長くて心細い日常だった。だからとても嬉しかった、と。
もう覚えていないのだけれど、立場が違えば私もきっとそう思ったことだろう。
パートナーが定年して毎日家にいる生活となった今、お互いの文化の隔たりなど、様々な問題が彼女に立ちふさがっている。
もう若くないし健康でもない。
着陸地点はどこなのか。いつも不安だと語っていた。
私に出来ることはそう多くないかもしれないけれど、こうして横にいて話を聴くことはできる。
助けが必要な時にいつも名前を想い浮かべる友人の一人でいたいと願っている。