社会保障の破綻、貧困格差、精神障害、母親の介護、政治家、イジメ、虐待
現代社会に渦巻く問題を一つ一つ重ね合わせた惨めで低辺な人生を生きる妄想癖の
男が自らの手により多くのモノを失いどうしようもない程に人生のどん底に落ちぶ
れた時に暴力によって運命と性格が一転してしまう。
大雑把にいえばそんな内容の映画が米国では危険な映画として上映時には厳戒態勢
が敷かれ日本でも大きな話題を呼んでいる。 私はまだ視聴していない。でも幾つかの
レビューを見る限りでは、ストーリー構成ではエンディングのシーンは映画イントロの場面
に戻って来るとされている、その為に実は時間経過が殆んど無く映画の内容のほとんどが
ジョーカーの妄想やジョークであると推測されているようですが、制作側は映画視聴者の
想像に委ねるとして、現時点では明確な答えは示されていない。
ある程度のあらすじを聞いて最近BSプレミアムで観た「グリーンマイル」に構成が少
し似ているなと感想を持った。グリーンマイルのエンディングでは映画イントロ部分
の老人ホームで生活する話し上手なおじいさんのシーンに戻って来て物語のその後に
余韻を与えてくれる。(このおじいさんの若かりし頃こそが映画の主人公である。)別
に珍しくも無いし物議を醸し出す訳でも無いストーリー構成の演出ですが、ジョーカ
ーの場合、観客はこの演出の部分にこだわり過ぎている様に思う。もしくは最初と最
後のシーンだけが入れ替わる倒置法を使っているかもしれない。
映画は想像の産物である以上、そんなことを考える必要は無いのだが、ジョーカー誕
生を考察する為には映画の内容がジョーカーの想像に過ぎないのか、不幸な生い立ち
と母親を介護した半生がジョーカーの人格形成の土台にあるか答えが必要となる。し
かしそれはアメコミのバットマンのファンに限っての事でしかない。
断続的に妄想と現実が入り乱れている場合に置いてそれは映画の考察が非常に難しく
なるので違うと思うので却下したい。しかし過去にはそうした映画もあった。「メメ
ント」はそうした映画で前向性健忘症による忘却と現実が入り乱れる内容に最初観た
時は戸惑うだろう。しかも「メメント」の監督は「ダークナイト」のクリストファー・ノーランです。
ここはドット・フィリップス監督も意識したかもしれない。
もしくはアーサーの幸運は全て妄想に過ぎず、余りにも不幸過ぎる故に箸休め程度の幸
せな妄想シーンを挿入して緩衝剤としなくては映像として幾つもの不幸を重ねて映しき
れないかったのかもしれない。 結論は無い。見ている人がどう思うかだけで意味など
無い。そこにはバットマンファンあり、映画ファンがあり、一般の人がいるだけの事で
すが論点が大きくて映画の魔法も少し強めに効いているようです。レビューだけで全く
映画の本編は観ていませんが、こんな意見を持ってます。何か騒ぎ過ぎのように感じて
しまう。 ラグビーW杯の次はアメコミのバットマンかよ的な斜めにとらえている。大丈夫。
アメコミファンは決して多くないので突如としてアメコミファンを名乗る人が増えただけの事。
焦る必要はどこにもない。 なんか、ジョーカーの批評やレビューまたは解説系が凄い
ので私も書いているだけの事。 あのアーサーが一人でゆっくりと踊るシーンに覚えがある。
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