2010年尖閣諸島の領有権問題で圧倒的に日本がアドバンテージを持っていた頃に、尖閣付近の領海で不法操業をする
中国籍の漁船を取り締まるが、逃亡する際に海保の巡視船に体当たりをされたので中国人船長を逮捕した、しかし後
に高度な政治的な判断として当時の旧民主党政権の仙石官房長官が中国人船長を起訴せずに中国に送り返した。
この時に自民党の石破茂は自身のブログ内で仙石官房長官の判断に「弱腰」と批難をした。 衝突の際の映像が元海
保の一色正春により不正にYoutubeに流出した事も有り、 燻っていたネトウヨの反中感情を刺激し軍事に詳しい政治
家として認知度を上げた石破は一躍総理大臣になって欲しい人第一位にまで登り詰め、 日本を悪い中国から守ってく
れる勧善懲悪の自衛隊には賛辞が送られ、 中国人船長を送り返した旧民主党はネトウヨから「弱腰」と石破に同調し
た口調で批難されるようになった。 そればかりか当時の石原慎太郎・東京都知事は東京都による尖閣諸島の民間レベ
ルでの購入を持ち出し尖閣騒ぎに便乗してネトウヨからの支持と金銭を得ようとしていた。
領有権問題を正しく理解していない一部の愚かな政治家にとって尖閣は愛国心を掲げれば誰でも無責任に関与が出来て
都合よく利用できる外交課題となっていった。 これまでのデリケートに扱われた「尖閣棚上げ論」が崩れて領有権問
題が政治家の思惑で簡単に左右される最悪の事態にまで陥ってしまった。
あれから10年経ち政権は自民党に代わり、負担の大きくなった尖閣諸島付近の領有権問題も大きく様変わりをした。
衝突事件後に日本は急遽尖閣の領有権を保持する為に国が地主から土地を買い取るなどの行政的な措置を行ったが、尖
閣諸島の実行支配についてはあれだけ自衛隊が担がれ石破茂が支持されていたにも拘わらず、海自による領有権は確立
せず後ろ盾の日米同盟関係も効力を発揮せず、 中国側に圧され中国公船が日本領海内をわがモノ顔で航行しても海自
は殆ど何も出来ないのが今の実情だ。 日本側には以前のような領有権を保持した形のアドバンテージどころかビハイ
ンドが生まれ尖閣の領有権が不安定で中国外交にリスクを抱えるようになったと言って過言ではない。
2020年11月24日、日中外相会談で中国外相の王氏は「日本漁船が釣魚島周辺の敏感な水域に入る事態が発生し(中国海
警局が)やむを得ず反応しなければならない」などと述べた。 また尖閣諸島付近で漁をする船を「偽装漁船」と呼んだ。
旧民主党政権時代の尖閣諸島衝突事件の頃の日中関係の立場が10年でまるっきり双方が入れ変わったような言い振りに日
本の茂木外相は反論すら出来ずに党内からも「情けない」と批判が噴出した。 しかし本来ならば事件の発生と日中外交
の経緯からは石破茂と海自を強く批判するべきなのだが未だに方向違いのことをしているようだ。
「尖閣棚上げ論」を日本が自ら壊した代償は大きく、(これだけ国家の主権が自前で毀損されるのも珍しい。)もしかする
と海保の一色正春による動画流出事件が何故か海自施設から持ち出されたSDカードであった謎も含めて石破茂と海自によ
る旧民主党政権の倒幕を狙った軍事クーデターだった恐れがある。 それはその後の安倍政権において特別秘密保護法や
テロ準備罪など共謀罪が立法化した側面と符合する。ばかりではなく尖閣諸島衝突事故は“窮鼠猫噛み”で中国漁船が海
保の船に体当たりをした可能性を強くしており、このままだと尖閣諸島の領有権も危ない。