“藪蛇”
不用意な行為により余計な事が起きてしまう事を“藪蛇(やぶへび)”と言って藪を棒で突いてヘビを出してしまう
失敗例に習ってそう言われている。 この“藪蛇”の語源は中国の兵法の故事成句で、“打草驚蛇”だそうです。
ならば尖閣諸島周辺の領海問題で日本の政治家達が無責任な行動を繰り返して大きなヘマをした失態を中国側もあ
る程度は理解しているのでしょう。 そうで無ければこんなにも強くは出ないと思う。 石原慎太郎と右翼団体・
日本青年社による尖閣への不法建設に続く第二、第三の失敗をしっかりと把握してあわよくば領有権を主張できる
立場まで持続可能な努力目標としての尖閣諸島付近の実行支配を中国は始めた。 日本は海自の愚かな行動で知っ
てか知らずか、自らの失態で大切な実効支配を維持した上での“尖閣棚上げ論”を壊してしまった。
今から10年前の2010年9月の旧民主党政権時代に海保は尖閣諸島付近で“違法操業”の中国船籍を発見し退去命令を
出すも無視され中国船は操業を止めなかった。 更に中国船籍は逃走時(尖閣近くの海域から離れる時)に海保の巡視
船二隻に衝突をした為に海保は中国船の船長を逮捕し那覇地検に送検した。 ここまでの内容は多くの人が尖閣諸島中
国漁船衝突事故として良く覚えているかもしれませんが、 私見ではこの衝突事故について十分な現場検証が足りな
かったと思う。 それが10年経っても領有権問題の拗れる原因になっているだけでなく、衝突事故の際に尖閣諸島周
辺海域に海保以外に海自の船が巡航していたかの確認も無い。 取締の海保2隻と違法操業の中国漁船1隻の起した衝
突では無いとすると自衛隊と防衛相は国民に対して虚偽の内容を流布させている事になる。 正しい現場検証も無く
海自が自ら編集した動画を一色正春が違法にsengoku38のアカウント名でユーチューブに流出させ、国会で公開した
動画とは違うモノを見せ、国民に衝突事件を問うのは、尖閣諸島で起きた真実を捻じ曲げ海保と海自の都合の良いよ
うに国民を欺く行為に他ならない。
あれから10年ということで一色正春や当時の幕僚長の露出が増えているが、事件の風化と共に捻じ曲げられた真実を
当たり前の事として認識してはいけない。米国は無料で尖閣諸島を守ってくれる訳でも無いので安易に日米同盟に依
存するのも問題だ。 そういえばボランティアによる海の自警団“海守”は新規会員登録を停止して2015年に事務局
を廃止した。 あの衝突事故から尖閣の領有権ばかりでなく海の安全を守る意味さえも変わってしまったようだ。
中国漁船を尖閣周辺の領海内から追い返す努力していれば良かったが逮捕までしたのは藪蛇でしたな。 もっと悪く言
えば日中双方が辛抱が足らずに暴走したとしか言いようがない。 日本にとって領有権で有利な状況を長く続けて来た
努力を崩してしまうのは余程愚かなのか、どこからか金銭を受け取っての悪質な行為を疑わなくてはいけない。 決し
て海保と海自が勇敢にも中国漁船を捕まえた物語では無いと思う。
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