まさおレポート

ウブド王家の葬儀


バリの葬儀は既に2回見ていたので、その賑わいと華やかな祭りの雰囲気は知っていた。先週の土曜日に我が家にマッサージに来てくれたアユが「11月2日に大きなお祭りがあるから行かないか」とお誘いがあった。よく聞いてみるとお祭りは王族の火葬だという。けた違いに盛大なお葬式なので誘ったというので行く気になった。

プリアタン旧王家・九代目当主Ida Dwagung peliatan 9の火葬でウブド王宮前で12時から執り行われる。朝の10時に家族とアユの4人でサヌールを出発した。王宮前の坂の下から通行止めになっているので歩いて広場に到着すると11時になっていた。坂の下から25メートル11層のワデ(バデ)が見えている。なるほど今まで見たこともない高さのワデだ。これは遺体をその高いところに入れて火葬場まで運ぶ。紙や木で軽く作ってある。

その奥には白い牛の大きな張りぼてが見える。ルンブーと呼ぶもので火葬場でこの中に遺体を移して焼く。王族は黒だとどなたかのブログにあったが、今日のは白い。これはプリアタン旧王家・九代目当主が聖職者でもあったので白い牛になっているとこれまたブログで勉強させてもらった。

広場のワデの隣の建物の最上階には白装束の男がマイクを持って議事進行の司会のような話をしている風だが、内容は理解できない。盛んにバンジャールという言葉が出てくる。参加するバンジャール(村落共同体)の名前を読み上げているのだろうと推測する。今日のウブドはかなり暑いので幼児を連れている身としてはどこか日陰を探さなければならない。

まだあまり混んでいないときだったのでワルンの腰掛台を確保できた。ここで感心したことがある。このワルンのおやじは飲み物を注文しなくてもなにもいってこないでにこにこしている。なんと寛大なオヤジだ。イタリアのローマなら絶対に注文しない客は追い出されるなと思いながら葬儀の次第に盛り上がってくるのを待つ。途中でのどが渇いたので4人分のジュースを注文したが、このオヤジあいかわらずにこやかでまことに感じがよかった。これがバリのよさだなと再認識した。

12時近くなってくると白装束の男の声がだんだんエキサイトしてくる。ロックコンサート会場でスターが登場するときのような盛り上げ方に似ている。tragtag(遺体をワデに納めるときに使う橋のようなもので、これもかなりの高さがある)の上に何人もの白装束の男たちが立ち、棺を収めるといよいよ盛り上がりを見せる。12時を少し過ぎて、このワデが少し動いた。ようやく動き出すらしい。人々の密集度は既に恐ろしいほどになっている。

こちらは幼児を連れているのでこの群衆の中で移動するのは危険だと考え、行進が始まる前にこの過密状態から立ち去ることにした。アユとドライバーはクライマックスを見たかったらしく、「もうちょっと」と言っていたが強引に連れだした。この判断は正解だったようで、少し離れた坂の下からみると一層人々の過密状態は募っていた。





















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