★★ 「朝日歌壇あれこれ~2月11日」★★ 松井多絵子
2月11日の朝日歌壇は、大島渚や大鵬の追悼歌があり、3週間位前に投稿したと思われる作品が多い。かなり鮮度のいい作品を私たちは味わうことができる。選者が第一席に採っている歌は選者の<お気に入り>であり、「評」にも熱がこもつている。
▲佐佐木選 「評」 今週は、日本全国から多様な鳥たちの歌が寄せられた。第一首、鳥の名の入った地名が楽しい。※この作品は高野選者も第三席に選んでいる、つまり川野公子さんはの作品は☆がふたつ、おめでとうございます。
☆上毛の鳥之郷地区に日は昇り鶴生田の里に青鷺の立つ (太田市) 川野公子
▲高野選 「評」 第一首、高齢化社会の人生を、肯定的に二毛作ととらえたのがいい。
❤人生は二毛作です務め終え小菊つちかう講習うける (山形県) 高橋まさじ
▲永田選 「評」 岸本さん、給食センターもようやく復旧、再開。「ほかほかスープ」が嬉しいと いう具体に切実なリア リティがある。
❤何よりもほかほかスープが嬉しくて今日から通常給食再開 (いわき市) 岸本靖子
▲馬場選 「評」 第一首の被災地の雪。雪の大地の暮らしは倍の労力がいる。「悲しみのつづ
にかなしみ」は簡潔に言っているが、深い悲しみだ。
❤悲しみのつづきにかなしみのフクシマありふるさとに降るきさらぎの雪
(福島市) 美原凍子、
※ 松田わこ(富山市)も☆がついてます。
☆それにしても11歳はいそがしい急に一人になりたうなったり 初句にそれにしても なんて
ますます自在になった11歳の少女歌人の眩しいこと、眩しいこと。 松井多絵子