KAA「カラスの教科書のこと」KAA 松井多絵子
「生物として当たり前に振る舞うほど嫌われる。すこしは<言い分>を代弁したい」と、一般向けに「カラスの教科書」を書いたのは43歳の松原始さん。京大で動物行動学を専攻し、学士,修士、博士の学位論文をすべてカラスで通した。東大の総合博物館に勤め、学会では「名刺代わり」に自分でカラスを描いたシャツを着る。
幼い日を過ごした奈良市で、森へ帰るカラスに「カア」と呼びかけたら、鳴き返されて興味をもった。鹿せんべい目当てに歩く鹿を追う抜け目なさにもひかれた。
行動観察では双眼鏡を手に、ビルの屋上で夜明け前から日没まで粘る。カラスとの付き合い方は、自然との共存を考えるテストケースになるという。
※朝刊のこの記事は何ともたのしい。双眼鏡を手に遠くを見つめる松原始さんはとても素敵な方。バレンタインチョコレートを贈りたくなる。ブラックのチョコレートの羽を広げたカラスを。とりあえず私のカラスの歌をお贈りします。松原さんに届きますように。
❤❤「カラスのうた三首」❤❤
わが上を矢のごと過ぎりはや見えぬビルの林のなかのカラスは
草食のカラスが近ごろ肉食になったと言う君、前歯が光る
われの持つゴミの袋にカラスらの視線が集う「福袋だぞ」
松原 始さまへ 松井多絵子より