えくぼ

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奄美大島のこと③

2013-02-22 21:06:10 | 歌う

             AMAMI 「奄美大島のこと」 OOSIMA   松井多絵子

 ❤ カジュマルの根が蛇のごと寄りてくる或いはこれがハブかもしれぬ

 奄美大島に来て二日目、16名の老人たちは海上タクシーに乗り大島海峡を渡り加計呂麻島へ上陸、この島は日本一ハブが多いらしいと言う人もいる。ガイドブックにもハブに注意すること、万が一かまれた場合の処置の仕方まで書かれているが、噛まれた場合は死ぬしかないようである。
 ガイド兼ドライバーの初老の細身のオジサンは細道を歩きながら「この辺にハブがよくでますよ」と声を弾ませる。「ハブを1匹捕って保健所に持っていくと4000円もらえますからね。この島ではね4000円稼ぐのは大変ですからね。ハブがどんどん出てくれるとワタシは金持ちになれるんですがね。ただしハブは生きたままでないと買い取ってもらえない。だから、生け捕りにするための網をいつも車に乗せています」 「どんな網か見せてよ」と私がお願いしたが「秘密兵器だから」とか、
「またこの島へいらしたときにお見せしますよ」などと話が蛇行、結局その蛇とり兵器を見ることができなかった。
 半日もいたこの島で一匹のハブにも会うことができなかった。わたくしよりガイドのオジサンのほうががっかりしていた。2メートル以上のハブを生け捕りにしたら、ハブ屋に持ってけば10000円で買い取ってもらえるとオジサンは目をギラギラさせていた。
 島のハブたちよ、人間に近づいたら利用され殺されてしまいますよ。(親切な人間松井多絵子)