植物園「 槐松亭 」

バラと蘭とその他もろもろの植物に囲まれ、野鳥と甲斐犬すみれと暮らす

我流篆刻修行中 数彫るが極意

2021年07月30日 | 篆刻
 篆刻は基本独学で我流、これでやっていこうと思います。近隣に篆刻教室は無く、市内に住む篆刻家さんに個人的に師事すると、大枚な費用がかかるのが明らかだからです。

 頼りになるのはNetのYouTubeで学ぶ、あとは数冊の篆刻入門書であります。今月はほぼ一日3個のペースで「摸刻」を続けています。篆刻のベースになるのは「篆書体」で、中国の甲骨文字・金文・石鼓文などから徐々に書体が確立していって今に至るのです。篆書は、字の太さが均一で、水平垂直になるように書いていきます。縦横線の間隔を等間隔にします。筆の速度も極端に早めたり止めたりせず出来るだけ同じ速さんにゆっくり書いていきます。
 印の書体に使うので、彫るために曲線を排し線に抑揚をつけない、単調にして簡素が原則となっているのです。

 わが師藤原先生は、篆書は単調で面白みが無いと、あまりお好きではないようですが、篆書は、楷書や行草書に無い篆書なりの独特な味わいがあり、ワタシのように篆刻を志す者にとって他の書体以上に習熟し極めたいと願うものです。とまれ、篆刻と篆書を並行的に学ぶがいいのだろうと勝手に決めております。

 現在取り組んでいるのは1995年発刊の「日本篆刻芸術」という中国の古本です。韩(かん)天雍という中国の研究家さんが著したもので、日本人(日本文化)の篆刻印を作家ごとに古い年代から順番に紹介しています。中国語は読めませんから何と書いているかは詮索しませんが、印に彫られた字を漢語で書いているので、ぎりぎりなんとか読めるというものです。摸刻なので、なんという字を彫ってるかはあまり気にはしませんが。
ここ数日分がこんな感じです。

心がけるのは、出来るだけ込み入った複雑な印を彫る、陰刻・陽刻をバランスよく彫り、手間のかかる「朱文」を避けて通らないということです。技術を向上させ、今までできなかったような印を彫るのが目的なので、簡単な奴をさっさと彫っても仕方ありません。パッと見て、素敵だなぁ、こんなのが彫れたらいいなぁと思うものを片っ端から摸刻する、で良かろうと思いますね。

また印材は、摸刻する印の大きさよりも極力小さいものを選びます。大きな印材を用いれば、失敗することも少なくなり、適当な彫り方で済むのですが、それでは精密な技術が身に付きません。更に、印が大きいほど削る面積が大きくなるので力と時間を余計に使うことになります。

 写真の上の丸い印は、浅く彫り、彫残しはそのままにしてあります。本来すべて平らに奇麗に仕上げるべきものなんでしょう。でもこれらは、いずれ潰して彫り直すものなので、余計な手間はかけません。そんな暇があったらもう一つ新たに彫ります。また、深く彫ればそれだけ再利用するときに印面をサンドペーパーで研磨するのが時間がかかりますから。

そんなわけで暇さえあれば印を彫る、余計なことは考えず、ただ無心に手を動かす、これがワタシ流の篆刻修行であります。





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