植物園「 槐松亭 」

バラと蘭とその他もろもろの植物に囲まれ、メダカと野鳥と甲斐犬すみれと暮らす

安倍政権が遺したもの その4 「放置国家」

2020年09月03日 | 時事
この政権が発足して、まもなく小渕優子さん政治資金規正法違反疑惑が持ち上がりました。元秘書は立件されましたがご本人は不起訴でした。次になんとかいう女性議員の扇子かうちわがどうしたとこせこい事件もありましたか。更に甘利明経済再生大臣が都市開発機構「口利き」疑惑で辞職しましたが、当人は不起訴。次に安倍さんに最も近いと言われていたジャーナリスト山口敬之による伊藤詩織さん事件(強制わいせつ)で不起訴というのもありました。
 
 それからは、怒涛の疑惑ラッシュでしたな。森友学園公有地払い下げ・学校設立に関わる様々な問題が明るみに出ました。更に加計学園の獣医学部認可も私利私欲で公平性を欠いた不透明な設立を「依怙贔屓した」と糾弾された事件でした。自治体の記録と全く異なる応接記録や公文書が公開されましたがうやむやのままに終わっています。

 一方自衛隊の南スーダンへのPKO派遣に関して「戦闘があったという日報」が消えたという問題。(隠滅したという疑惑で、後日発見)

 そして桜を見る会での公選法等の違反疑惑が勃発しました。これについては、余りにばかばかしく問題点が説明できないほど沢山あり詳細は割愛いたします。

 で、とどめは黒川さんの検察庁長官就任への検察人事介入であります。本来国家公務員法と一線を画して態態定められている検察庁法の解釈を捻じ曲げて、黒川さんを定年延長させました。後追いの法律を作るため検察庁法改正案と国家公務員定年延長にまで国会に上げたのを国民がNoを突き付けました。

 更に、この検察庁長官に内定していた黒川さんは、コロナ自粛の最中に賭けマージャンをしていたことが発覚して辞職しました。これも、調べもせずに不起訴にいたしました。庶民は、賭け麻雀やったら賭博罪、高級官僚は点ピンという安いレートだからセーフという理屈。点ピンだったかどうかはそのもそも本人から聞き取りしただけでした。いつからですか、そういうルール。万引きしても100円以下ならお咎めなしなどといった法律が出来たんでしょうか。

 一方、IR(ギャンブル法)で中国企業から収賄した自民党議員、1億5千万円の選挙資金を党から渡した河井夫妻の選挙買収疑惑もありましたが。離党させてあとは知らん顔ですね。

 このような、法律違反の見逃しは検察と結託しているとしか思えません。ほとんどのまともな知識人は、政権の意向をくんで黒川さんたちが片っ端から不起訴にした、と認識しています。

 そもそも、安倍内閣は内閣人事局を作って、国家公務員の人事権を握りました。三権分立で言えば、立法(国会)が行政を操る仕組みに変えてしまいました。今回の検察庁人事介入は、司法にも自民党総裁がコントロールしていることを図らずも露見させました。
 つまり、安倍さんは戦後の三権分立という基本構造を壊したのです。のみならず、集団的自衛権の行使を容認する安全保障関連法案を強行採決しました。これは、憲法学者が違憲であると公言しています。つまり、同盟国と一緒に交戦する権利を認め、憲法9条「国権の発動たる戦争と,武力による威嚇又は武力の行使は,国際紛争を解決する手段としては,永久にこれを放棄する」をあっさりと破ったのですね。

 また、野党の要求による国会開催も2度無視(拒否)しましたが、これも憲法違反であり、違憲状態のまま放置して退陣するおつもりです。

 安倍さんが行った数々の違法行為や疑惑を、行政の役人と司法の検察が操られ忖度し、偽証や改竄、公文書隠蔽、など様々な公務員法違反を引き起こしているのに、これも検察は不起訴はおろか、捜査すら行いませんでした。

 もう「法治国家」では無くなったのです。権力を握った人や集団が「法に背いても罰せられない」というルールに変えてしまいました。検察庁はこれを「放置」したという職務責任放棄であったと言わざるを得ないのです。

 籠池夫妻は、前科者になりました。国の方針にたてついて「文書はある」と主張した前川元次官は、変態扱いされて解任されました。
 そして、森友事件で改竄に加担させられたノンキャリ官僚は自殺に追い込まれました。一方国会で、まともに答えず逃げ回った指揮命令した佐川他の官僚6名はみんな出世し、事件やそれまでの職歴と無関係な他局に栄転しております。

 こうした事実や経過は、今後一体どういう歴史的評価になるのでしょうか。稀代の口先総理の功績に隠れて、公開も作成もされないといわれている公文書とともに歴史の闇に葬られてしまうのでしょうか。

 法治主義が溶けてなくなりつつある中、そうした、ワタシ達の国に起きた様々な汚点や涜職行為にきちんと、結末をつけ真実を解明し、改善策をとることが自民党政権に出来るとは、ワタシには到底思えないのです。

 
 

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