植物園「 槐松亭 」

バラと蘭とその他もろもろの植物に囲まれ、メダカと野鳥と甲斐犬すみれと暮らす

3人の名優の言動に感じること

2022年04月04日 | 時事
 アカデミー賞授賞式の舞台で米俳優 ウィル・スミスがプレゼンターのコメディアン にびんたをしたことが話題になっています。奥さんが脱毛症に悩み短く頭を刈りこんでいるのをあのデミ・ムーアさん主演のGIジョーになぞらえたのに激怒したのだとか。

 世界中で、「どんな理由であれ暴力はいけない」という論調が多くスミスさんも謝罪し反省の弁を語っているようです。そうでなくても、彼のような著名人で誰もが知っている名優は、いつも世間の注目を浴び、好奇の目で見られているのですから行動には十分気をつけなければならないと思います。また、芸能人ならば「有名税」を払うのは致し方ない事でもあります。ぶったスミスの名前はぱっと出てもコメディアンの名前はどうでもいい、というのと同じです。

 しかし、事の起こりはスミスさんの奥方の病気に起因する外見的な特徴を取り上げて、笑いものにしたという行為にあったのです。これは、ジェンダーや人種差別に通じる偏見をあらわにして、体を使わない暴力で、肉体では無く心やその身内の気持ちを傷つける行為であろうと思います。公の場所で平手でびんたするのは決して褒められたものでは無く、他にやり方はあっただろうとは思います。しかし、これまでアメリカ映画で、残酷な描写、殺人・暴力的なシーンをこれでもかと見せつけといて、そこまで非難されることではありません。相手を倒す、傷つけようとしたのではなく、公然の面前で妻が受けた侮辱を相手に気づかせようとしたのですから。いつも寛容であることは時として、馬鹿なの?と「軽視・蔑視」の対象になり付け入るスキを与えることにもなります。

 日本で昔、大島渚さんに殴りかかった野坂昭如さんのことを思い浮かべた日本人も多かったでしょう。おめでたいパーティーの席で、スピーチを頼んでいた野坂さんの事を忘れていたのにかっときて、壇上でパンチを見舞い眼鏡が曲がり、大島さんがやり返すという衝撃的なシーンでした、お互いいい年寄りでしかも酔っぱらっていたので大したケガにもならず傷害事件などという面倒な騒ぎにもなりませんでした。

 さて、デミ・ムーアさんといえば、元夫の 「ブルース・ウィリス」さんです。ここにきて俳優引退という残念な報道がありました。一世を風靡したあの「ダイハード」で一躍トップ俳優に数えられるようになりました。ディテールまでよく作り込まれた映画はワタシの好きな映画の最上位にあるもので、ビデオを買ってきて何度も観た数少ない映画でした。

 引退の理由が「認知障害・失語症」と言われています。
ゴールデンラズベリー賞(ラジー賞)というアカデミー賞の裏バージョンがあります。年間の最悪最低だった映画の監督や俳優を表彰するもので、以前はスタローンやケビンコスナー、ボーデレク、マドンナ、など錚々たるスターが幾度も受賞し、ウィルスさんも何度か最低男優賞になっていました。映画の産業を盛り上げる「シャレ」のような賞なのです。学問で言えば「イグノーベル賞」みたいなものかな。元妻のデミムーアさんも複数回受賞しています。まぁ、有名な世界的スターだからこそ貰える栄誉ともいえるのでさほど気にしてはいないでしょうが。

 そして、今回2022年の賞に8部門もノミネートされていたのが主催者から撤回されました。病気をおして映画に出ていた名優さんの名誉を傷つけることを避けたのでしょう。すでに2,3年前から撮影に支障が出るような症状が出ていたというのに、昨年1年で8本も出演していたようです。お頭が薄くなっていて年寄りかと思ったら、なんとまだ66歳ワタシと一緒!!!。若年性認知症かもしれませんが、好きな俳優さんだっただけに残念でなりません。

 名優で言えばフランスを代表する男優さんジェラール・ドパルデューも話題になっています。フランス映画は二枚目俳優より、ちょっと個性的で演技力やキャラクターの光る男優が評価されるようです。アランドロンよりJPベルモンドの方が人気が高かったし、真っ先に思い浮かぶ仏俳優といえば、ジャン・レノや「タクシー」のサミー・ナセリなどですね。

 ドパルデューは「グリーンカード」シラノ・ド・ベルジュラック などが代表作、大柄太り気味で鼻が曲がった人と言えばピンと来ます。彼はなんと10年前に、高額所得者に対する増税に抗議し、ロシア国籍を取得、プーチンさんと仲良しであったようです。なんでもプーチン自ら身分証を手渡したそうです。
 それが、ウクライナ侵攻に怒って「プーチンは行き過ぎで許せん」と声明を出しました。クレムリンもこれに反応しているようです。世界で多くの人がこのような明確なメッセージを出すようになれば、事態が動くのかもしれません。
 
 どこかのタレント弁護士みたいに「早く降伏しちゃえ」とか、岸田さんのように「そうはいってもサハリン2は日本の権益だし」「領土返還の妨げになるしー」などと見当違いなメッセージは願い下げであります。だから世界になめられ軽視されるのです。

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