植物園「 槐松亭 」

バラと蘭とその他もろもろの植物に囲まれ、野鳥と甲斐犬すみれと暮らす

好奇心は科学の起爆剤 技術情報は経済のスタミナドリンク

2021年10月07日 | 時事
 真鍋淑郎さんがノーベル物理学賞に決まったそうであります。近年は毎年のように、日本人科学者が受賞しているのを誇らしく感じると同時に、そのほとんどがアメリカなど海外在住で研究しているということが気になります。日本の企業や日本政府が、基礎研究にお金を出さないでおろそかにしている、日本人の科学研究者をないがしろにしてきた、その結果が日本企業の競争力の低下につながりました。半導体や液晶・携帯などの先端分野で完全に後れを取り、技術力や生産性が2流となったために、経済の低迷に繋がっているのです。

 同時に優秀な技術者や研究者が欧米や中国に引き抜かれ、産業技術が流出したのも見逃せません。それは中国のハッカーたちが、日本の企業のコンピューターやサーバーに侵入し、機密情報を盗み出し、産業スパイの暗躍などにも関係します。せっかくお金をかけて長年培った技術・ノウハウがいとも簡単に中国に盗まれ模倣され、市場を席巻されたことをもっと深刻にとらえ、産業情報は人間を含め価値の高い国家的知的財産として、徹底的に保護しなければならないのです。
 
 時の総理大臣が、日本人がこうした賞をとると、自分もあやかろうとばかりに祝意を述べ、電話したりSNSに投稿したりしますが、そうした現実を直視し、日本の科学者研究者さんたちが抱える問題、企業活動から零れ落ちている研究部門の重要性を認識してその解決策を打ち出すのが政治家の仕事だと思います。菅さんが、学術会議の人選に異を唱え、いまだに解決しないのは、その政権の不明・先見性の無さの象徴に見えます。

 真鍋さんの研究の原動力は「好奇心」なんだそうです。われわれ文科系の下々の人間にとっても意味は同じだろうと思います。好奇心を持って世界を眺めること、身の回りの出来事や現象に強く関心を持ち、知らないことを知ろう、やらなかったことをやってみよう、そんなことが人間の成長につながるのだろうと思います。

 90歳になった老科学者の業績が「CO2 など 温室効果ガス と地球温暖化の関係」を数十年にかけて研究したと聞きますが、それが50年も前の予測にあるそうです。バカトランプが地球温暖化など無い、と嘯いたように、欧米などの先進国はそれを軽視し続けてきた、そしてノーベル賞の選考委員たちも同様であったと言わざるを得ません。普通だったら死んでる年齢ですよ。何十年か前に高く評価されて受賞していれば、温暖化の問題はもっと注目され、研究が進み地球全体の環境問題に大きな変革をもたらしたかもしれないと感じます。

 ワタシも、科学とは真逆の世界、書道やメダカ・篆刻・園芸にいそしんでおりますが、好奇心だけは失っておりません。探求心も持ち合わせております。目下研究課題は、メダカとスネイル(サカマキガイ など)の互恵関係であります。メダカを飼ったことがある人の共通の問題の一つが、際限なく増えるスネイルです。この巻貝は、単独で卵を産むので凄まじい繁殖力があります。メダカのプールに一杯出てまいります。

 汚らしく鬱陶しい存在なので、「駆除」対象になります。しかし、ほんとうにそうだろうか?メダカにとってプラスは無いのか?それを研究中であります。文科系で科学的な研究手法など持ち合わせていませんので、もっぱら推測と観察に頼っております。

 これは、そのうち「論文」にまとめて発表しようと思います。目指すはノーベル賞ならぬ「イグノーベル賞」であります。

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