美津島明編集「直言の宴」

政治・経済・思想・文化全般をカヴァーした言論を展開します。

MMTの変わり種・モスラーの『経済政策をめぐる7つの嘘っぱち』を訳してみました(その9)

2019年07月01日 01時06分07秒 | 経済

FRB

*今回は、国会議員やマスコミによって唱和され続けている「じゃあ、財源はどうするんだ」という愚問に対して、明確な解答が提示されます。
FRB議長バーナンキは、平易な英語で、彼らがお金を配る(すなわち支出したり貸し付けたりする)のは、単に、銀行口座の数字を変えているだけのことである、と私たちに言っているのです。私たちが“財政支出”と呼んでいる、表計算ソフトへのデータの記入は、課税や民間部門からの借り入れをしなければならないようなものではまったくないのです。パソコンのデータは、ほかのどこかからもたらされるものではない。みんな、そのことは分かっているのです!

私たちは、ほかのどこかで、同じようなことを見かけないでしょうか。あなたのアメフトのチームがキックして得点した場合、スコアボードの点数は、そう、7点から10点に変わりますね。その場合、スタジアムはどこで3点を得たのだろうかといぶかしがる人がはたしているでしょうか。いませんね。またあるいは、あなたがボーリング場でピンを5本倒したら、あなたのスコアは、10点から15点になります。その場合、あなたは、ボーリング場はどこで5点を手に入れたのだろうか、などと思い悩んだりしますか。すべてのボーリング場とアメフトのスタジアムは、あなたがあげた得点をあなたが手に入れたことを確認するために銀行の“金庫”に得点の保存をしておくべきだと、あなたは考えますか。もちろん、そうは考えませんね。そうしてもしもボーリング場が、あなたの“フット・フォールト”を見つけて5点分減点するとき、ボーリング場は、そのなくなる5点を補充するしょうか。そんなこと、ありえませんね。

以下のことを、議論の出発点として記憶に留めておいてください。すなわち、

連邦政府は、お金なるものを決して“持っている”わけではないしもしくは“持っていない”わけではない。

ということを。

*おそらくここで、モスラーは「政府には通貨発行権がある、という事実が重要である」と言いたいのでしょう。

それは、アメフトのスタジアムが、尽きてしまう得点の貯蔵庫を“持っている”わけではないしもしくは“持っていない”わけではないのと同じです。ドルについて言えば、連邦政府の代理機関やFRBや財務省を通じて活動しているわれらが連邦政府は、得点記録係なのです(そうしてこの係は、ゲームのルールを作ったりもします!)。

もはやあなたは、先の疑問、すなわち

財源はどうするんだ???!!!

に対して、はっきりと答えられえるのではないでしょうか。
あなたの答えは、こうです。

政府は、FRBに設けられている市中銀行の口座の数字を変えることによって財源を作り出しているのである。
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