維新の会のセールストークは「身を切る改革」だ。
吉村大阪府知事は新人国会議員が1日登院して100万円もらうのはけしからんと息巻いたのだが、何ということはない自分も6年前にもらっていたことが発覚した。
盛大なブーメランが飛んできたのだが、その分は返却すると開き直ったようだ。
ところが令和の大石あきこ衆院議員(新人、元大阪府職員)が噛みついた。
「維新が”100万円もったいない”と空騒ぎ。よう言うわ。資本家やマスコミと結託して、この国のカネやリソースを好き放題に浪費しているのが維新。何より非正規雇用を推進しまくって、大阪や日本の景気を停滞させた損失は計り知れない。維新を倒すための戦費として私は100万円でも何でも使います」
※今回の100万円騒動、私は新人の大石あきこ議員に軍配を上げよう。
大阪府のデーターを見ても、就学援助率や生活保護率は、全国平均に比べて圧倒的に悪い。
そんな状況でなぜ維新に人気が集まるのか?
関西学院大学法学部教授富田宏冶氏の指摘が的確だ。
維新支持層のメンタリティーについて
そこに浮かび上がってくるのは、「格差に喘ぐ若年貧困層」などでは決してなく、税や社会保険など公的負担への負担感を重く感じつつ、それに見合う公的サービスの恩恵を受けられない不満と、自分たちとは逆に公的負担を負うことなくもっぱら福祉、医療などの公的サービスの恩恵を受けている「貧乏人」や「年寄り」や「病人」への激しい怨嗟や憎悪に身を焦がす「勝ち組」・中堅サラリーマン層の姿にほかなりません」
「身を切る改革」と「官から民へ」と叫ぶ維新のスローガンは、自己責任と市場原理主義そのものなのだが、「勝ち組サラーリーマン層」に響いたのであろう。
しかしこの流れが強まると、「勝ち組」と「負け組」の分断が固定化し、殺伐とした日本社会が出現する。
維新オーナーの橋下徹や吉村大阪府知事、松井大阪市長の発言を何の批判もなく垂れ流しているマスコミ各社は猛省すべきであろう。
他人を思い通りにする唯一の手段は、パワーと悪知恵である。愛もあるではないかと人は言う。だが、それは太陽を待つようなものである。人生には昼も夜もない。 ヨハン・フォン・ゲーテ