日銀の建物の前を何回か通ったことがあるが、一言で言えば「古色蒼然」。
この建物は明治29年(1896年)ベルギー国立銀行を参考にして建てた。
外観は古典主義建築で、秩序と威厳を表している。
前任の黒田総裁が「威厳と秩序」を壊してから後任の植田総裁もその流れの中にあるようだ。
もっと思い切って手を打てばよいのだが、思い切りが悪い。
4月26日に植田総裁は円安の影響を問われて、
「基調的な物価上昇率に、今のところ大きな影響を与えていない」
かなり不用意な発言だった。もしくは国民生活の実態を把握していないのか?
「真実は細部に宿る」と言われるが、現実の国民生活を知るためにはスーパーマーケットへお忍びで行くべきだ。
食料品や日常品は3年前に比べて20~30%くらい上がっている。
春闘で5%くらい賃金が上がっても追い付かない。
ましてや年金生活者は物価上昇には割り負けする。
英国投資ファンドCIO マーク・ダウディング氏
「為替介入によって、一時的に円高になるかもしれないが、円の状況が本当に変わるには、金融政策が正常化しなければならない。円を弱めているのは、日銀の政策や植田氏だ。会合後の円安の進行に驚きはない」
全くこの通りだ。
日銀は英断を持って「金融政策の正常化」を図るべきだ。