中国で共産主義が実施されていると信じる人はあまりいない。
もしいるとすれば中国たたきに精を出すネトウヨ系の人たちだけだ。
(要するに勉強不足)
習近平は着々と「習王朝」の確立に向けて歩を固めている。
その形態は国家資本主義をベースにした権威主義国家と規定してよいだろう。
中国の49の王朝は平均して70年続いている。
王朝の滅亡のもっとも重要な原因はエリートの反乱だ。
王朝交替の主役は遊牧民でも大衆でもなかった。
習政権が言論統制にいかに注力しているか、明らかに歴史から学んでいるのだろう。
香港の弾圧は良い例だ。
「中国国家イメージ世界調査2015」によると、
中国が平和的、協力的、責任ある大国だと思っている中国人は65%に上る。
回答してきた先進諸国では8%に過ぎなかった。
この乖離は極めて危険な兆候だ。
おそらく中国政府の誘導の結果なんだろうが、台湾問題や対米政策で国民が強硬策に傾いた時に抑えられなくなる。
しかし「習王朝」への道を歩む習近平は敢えて「抑えない道」を取る可能性があるからだ。
バイデン政権が中国との対話の道を探っていることは評価したい。
いたずらに危機を煽ることは世界の平和と発展に寄与することは何もない。
その上で中国の問題点についてはっきりと主張すべきである。
今回の自民党総裁選で対中国強硬論を唱えるグループがかなりいることが判明した。
極めてバランスを欠く議論にはまり込む可能性が大きいと危惧する。
火種がまだ小さいうちに消しておくことが肝要だ。
日本と中国は国民同士の交流を密にして相互理解を深めることが極めて重要になっているのだ。