大相撲の大阪場所は荒れる、とよく言われる。
今年も大荒れの場所だった。
新入幕で幕尻の尊富士が優勝するとは場所前に誰が予想しただろうか?
最大の見せ場は、14日目朝乃山との対戦で負傷した後、翌日の千秋楽に出て来るかどうかであった。
この段階で2敗の尊富士に対し3敗の大の里が追う展開。
もし休場すれば、大の里が豊将龍に勝った場合、優勝は大の里に転がり込む。
しかし、負傷後の尊富士の決断が素晴らしい。
「人の勝ち負けを待っている場合ではない、休場すれば、一生悔いが残る」
(この決断には横綱照ノ富士のアドヴァイスがあったようだ)
幸いだったのはアキレス腱断裂ではなかったことだ。靱帯損傷だった。
テーピングと痛み止めの注射で対応できた。
青森県五所川原からこれで有名人が3人輩出した。
太宰治、吉幾三、尊富士。
太宰についてはよくわからないが、吉幾三や尊富士に、土から掘り起こして出てきた土偶のイメージが重なる。
いわゆる縄文人のイメージだ。
同じ東北人でも大谷翔平には海のイメージを感じる。
弥生人だ。
優勝インタビューの言葉も素晴らしい。
本人は意識していないだろうが極めてサビの利いたピリッとした言葉。
(記憶をなくした政治家に聞かせたいものだ)
「記録も大事ですけどみなさんの記憶に一つでも残りたくて、必死で頑張りました」