満を持していたウクライナ軍の反撃が始まった。
当初、ウクライナ軍が南部の要衝ヘルソンを攻撃する気配を見せたため、ロシア軍は慌てて東部から軍を引き抜いて南部に移動させた。
ところがこれは周到に用意されたウクライナ軍の陽動作戦だったのか?
南部に兵が移動したのを見計らって、東部ハルキウ州の要衝クピャンスクに攻め込んだ。
ロシア軍の兵士はは満足に給料を払ってもらえていないようで、戦う気力もなくズルズルと後退。
どうも戦局はウクライナ軍有利に動いているようだ。
ロシアのエリート層の間では、「プーチンは過去の人」とみなされ後継者争いが始まっているという。
1週間でウクライナを制圧すると豪語していたプーチンは、半年がたっても先行き不透明で出口を示さない。
エリート層の不安やイライラがつのっているようだ。
勝敗の帰趨がはっきりしない段階で、「後継者指名して自分は院政を敷く」というシナリオは十分ありだ。
アメリカのバイデンがもう一段強力な武器をウクライナに提供すれば一挙に方がつくだろう。
しかしバイデンは慎重だ。じわじわと「真綿で首を締める」ような戦略を取っている。
プーチンが核兵器を使わないまでもザボリージャ原発に細工をすることを恐れている。
ここはじっくりと、この原発をIAEAの管理下に置くことを考えているのだろう。
今のようなロシアの軍部の管理下にある状況ではリスクがありすぎる。
ロシアへの経済制裁はじわじわ効いている。
よりによって武器弾薬を北朝鮮やイランに頼るようでは先が見えている。
ウクライナ軍も調子に乗って攻め込むと落とし穴にはまる。
一旦立ち止まって「戦力の再点検」をすべきだろう。
彼を知り、己を知れば、百戦して危うからず。孫子