私は四国高松で2年半ほど単身赴任をした。おかげでうどん好きに。
自宅に帰らない時は、閑を持て余すので「四国88か所」を周ることにした。
このシステムは信仰の実践と経済の活性化両面で非常に優れていると実感。
88か所をすべて回ると最後に高野山・金剛峯寺にお参りする。
空海は四国室戸岬の洞窟で修業中にみほとけの霊応を感得する。
真言を大声で唱えていると、こだまがすぐ帰って来る。おりしも明けの明星が海面を走って来るのを感じた。
谷響き惜しまず、明星来影す。 空海
NHK
日本画家というか抽象画家でもある千住博が金剛峯寺の襖絵を描くことになった。
全身全霊をかけて描いたのが「崖」をイメージした次の絵。
(この絵をながめているのは千住博本人)
NHKでドキュメンタリー風に放映していた。NHKも時にはじっくりと良い番組を作る。
滝をイメージしたのが次の絵。「この滝の後ろに空海さんがいらっしゃる」との思いで描いたそうだ。
崖にしても滝にしても、それは大自然ということだろう。
そして人間というのはこの自然の中で生かされている、ということを語りたかったのだと思う。
88か所を徒歩で周り、最後に金剛峯寺に満願成就で訪れた人が語った言葉が印象的だった。
人間だけに出来てロボットには絶対に出来ないことがあります。
それは不合理なことを信じること。
北海道の冬