祝!昭和百年!200万PV達成!漫画史研究家・本間正幸監修【少年画報大全】(少年画報社・現在三刷)

【20世紀冒険活劇の少年世界】メトロポリス漫画総合研究所(since1997)から、昭和の映画、出版美術、音楽を!

本格推理マガジン少年探偵王

2009-03-26 22:15:46 | 「少年探偵王」(光文社文庫)「ビリーパック」追悼!河島光広先生!!
さて、昨日に引き続き、今日も本の紹介です。
少年画報大全監修後、次に私が選んだ仕事が光文社文庫より2002年4月20日発行の (少年探偵王 本格推理マガジン) です。
メジャーデビュー作となった少年画報大全が、2001年7月の発売に際して、朝日新聞・毎日新聞・読売新聞夕刊・日本経済新聞で記事になるなど出版界でちょっぴり話題を呼んだため、これからは本格的な研究者としての生活が出来ると考えた私は、編集者としての実務と、漫画家さんの著作権管理について学ぶため、サードハウスの桑村さんの所で編集見習いとなりました。
編集プロダクションである有限会社サードハウス代表取締役社長の桑村誠二朗氏とは、いかなる人物であり、私とどういう繋がりがあったのかそれは明日のブログにて。

さて、本題である少年探偵王についてですが、文庫の雑誌/ぼくらの推理冒険物語 として鮎川哲也監修、芦辺 拓編として発行されました。
収録内容

* 江戸川乱歩
まほうやしき
古賀亜十夫・画
ふしぎな人/名たんていと二十めんそう
岩田浩昌・画
かいじん二十めんそう
藤子・F・不二雄/しのだひでお・画

秋山憲司 ( 回想の乱歩・洋一郎・峯太郎)

* 高木彬光
吸血魔

二上洋一(吸血魔)解説

* 鮎川哲也
空気人間 谷俊彦・画
呪いの家 谷俊彦・画
時計塔 谷俊彦・画

山前 譲 鮎川哲也氏の年少者向け推理小説

* 河島光広
ビリーパック 恐怖の狼人間

本間正幸 (ビリーパック)解説

はじめに
解説 僕らも少年探偵団!芦辺拓

はじめにの中にこの本の特色が説明されているので、芦辺さんの文を一部引用させて貰う。

鮎川哲也先生より編集長職を受け継ぎましての本格推理マガジン、前回大好評をいただいた(絢爛たる殺人)に続く第二弾は、ガラリと趣向を変えて幻の"少年もの"傑作選となりました。これまで以上に珍しい作品群をとりそろえ、相当にコアな探偵小説愛好家といえど未開拓に違いない分野だけに、存分にご満悦いただけるのではないかと思います。(中略)
今回は収録作品の性質上、特に各編解説に力を入れまして、いつもご尽力いただいている山前譲さんのほか、少年小説研究の第一人者であられる二上洋一さん、昨年(少年画報大全)で注目された本間正幸さんらに寄稿をお願いしました。中でもポプラ社で江戸川乱歩氏をはじめ、山中峯太郎氏訳のシャーロック・ホームズ、南洋一郎氏訳の怪盗ルパンシリーズを担当された秋山憲司さんの回想は、かつてそれらに熱中されたみなさんにとって、このうえなく興味深い贈り物となることでしょう。(後略)

そして、解説においても

解説者の本間正幸氏は、何とほぼ全ての別冊付録を収集し終えたそうで、ぜひとも今回の収録がきっかけとなって、(ビリーパック)の大々的な復刻が行なわれることを期待しております。
推理作家芦辺拓氏の私に対するイメージがわかる人物評です。

さて、この本の解説のきっかけですが、中野晴行氏からの紹介で芦辺拓先生から直接連絡をいただいた上での依頼によるものでした。
その後、当時まだ関西に活動拠点があった芦辺さんが上京してきた際に初対面となり、一緒に古本屋巡りもしました。
創元社の鮎川哲也賞のパーティの 席上では、有栖川有栖先生や二階堂黎人先生にも御逢いでき、今日まで続く推理作家の先生方との交流は、この本がきっかけとなったのです。
二上洋一先生との付き合いは、出版美術研究会の席上でこの本の話題となり、始まりました。
ビリーパックについては、後日また話しを致します。漫画についての研究者としてのスタンスが、他の人達と違うのはこの頃から既に始まっていたのです。

追伸
現在、この少年探偵王は、品切となっております。
初版発売時から好調な滑り出しだったのですが、まだ増刷はされておりません。出版された部数は確か17000部になります。
この後より現在まで続く江戸川乱歩再ブームのきっかけの一つとなった本として推理作家の間では、高い評価を受けている一冊です。古本屋で見つけたら即買いの逸品です。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする