昨月、『まんだらけZENBU45』最新号が発売時に届いていたのですが、紹介が遅くなりましたね。
年間購読者には、別冊ふろく『ねおまんだらけ.19』がついてくるのでオススメです。
今回もA5版カラーで48ページありました。
この本のポイントは、掲載商品がすべて抽選で買えるということ。
申込締切日は12月25日(金)当日必着なので過ぎちゃいました!
今回は、JPA(ジャパニーズ・ポップ・アンティーク)の大特集13ページ。
そして、セル画やアニメ原画、原画、台本、絵コンテ、単行本、新書、雑誌、雑誌ふろく、資料系グッズなど中身については、購読者だけのお楽しみ。
さて、本誌の今回の注目記事は、怪作!!竹内寛行版「墓場鬼太郎」全16冊セット、戦前~戦中の漫画、オリオン出版&スタジオシップpocket comics76冊セット、笠倉出版社 SAKURA COMICS全28冊初版セット、昭和ノスタルジー雑誌ふろく610点!といったところだろうか。
実物の写真とデータが明記されているので、無断引用や孫引きが多く実証的でない、大学教授などの肩書きを持つ評論家や研究者達のグループが作っているマンガ学の入門書の類より遥かにためになる。
漫画史研究家は、漫画評論家と違い、独自にデータベースを作るのが最低の必須条件。
作家の作品リスト、単行本リスト、年譜などを調査し、更に本当かどうか作家本人もしくは遺族や編集者など当時の関係者に確認する。
他人が発表したデータは実物が確認出来るまで、半信半疑のままである。
ちなみに、私が『少年画報大全』(少年画報社)を監修した時、それ以前から活躍している評論家達が発表していたデータと私が調べたデータとでは、100箇所以上の違いが見受けられた。
『少年画報大全』巻末の参考資料と本文の記載データが違う場合、原本から実証的に確認した私のデータの方が99.9%の確率で正しいと自負している。
2001年以降に発表された書籍でも、『少年画報大全』を参考文献に加えてないもので、同じ事柄のデータが違っていた場合、私のデータの方が正しい筈だ。
『少年画報大全』発表後、私に何の挨拶もなく、データや掲載した画像を無断引用している評論家や研究者がいる。
素人のファンの人やマニアの人が趣味で楽しんでくれているならお役に立てて嬉しい限りだが、評論家や研究者を名乗りながら、参考文献として、『少年画報大全』の書名をあげてくれる研究者としての最低限のマナーを守れる人が少ないのはなぜだろうか?
彼等のような高学歴ではなく、横浜鶴見の不良少年上がりの私では良く理解出来ない謎である。
ちなみに、有名古書専門店の間では、『少年画報大全』は必須であり、店の店長達の間では私の顔と名前がすっかりバレてしまっている。
それはさておき、もうひとつの楽しみは、星まこと氏によるアニメインタビュー。
毎回丁寧なインタビューを続けているこのシリーズも今回で41回目。
星さんは一般的には、あまり知られていないが、日本のアニメの研究者としての実力は日本一。
元エイケンの名プロデューサー鷺巣政安氏に師事。
御園まことの名で『図説テレビアニメ全書』(原書房1999年)を監修している。
この本には、現場から見たアニメの歴史として「宇宙戦艦ヤマト」や、「超時空マクロス」など数々のヒット作を手掛けた演出家の石黒昇氏や「風の谷のナウシカ」の作画監督であるアニメーターの小松原一男氏、テレビアニメ創成期からのプランナーとして鷺巣政安氏の特別インタビューも収録されている。
今回の『まんだらけZENBU45』には、
幼い頃のディズニー作品との出会いで、アニメーションの美術を目指しました。
と題して
『マッハGo Go Go』メカニックデザイン・美術監督、『紅 三四郎』美術監督、『昆虫物語みなしごハッチ』美術監督、『決断』美術設定、『科学忍者隊ガッチャマン』メカニックデザイン・美術監督、『新造人間キャシャーン』美術監督、『機動戦士ガンダム』美術監督、『ニルスのふしぎな旅』美術監督、『風の谷のナウシカ』美術監督として知られる
中村光毅インタビューを収録している。
星さんとは、10年以上の付き合いになる。
非常に爽やかな兄貴分です。
そして、忘れてはいけないのが成瀬正佑氏の記事。
「護美之山」特別編、護美之園~矢代まさこ貸本時代の全貌②~。
。
今回は、矢代まさこ貸本漫画作品リストがついているので有難い。
成瀬氏の記事は、毎回オールカラーで単行本のデータを紹介しているので非常に助かります。
漫画史研究家は、漫画評論家と違い、日々の地道なデータ集めが必要とされ、その成果を発表する場も非常に少ない。
だが、漫画評論家が漫画家の先生達にあまり好かれていないことが多いのにくらべ、漫画史研究家に対して先生方は皆、非常に親切である。
少年時代から憧れていた、ちばてつや先生に、名前と顔を覚えてもらえたなんてまるで夢のようである。
赤塚不二夫先生からは、特別のサイン色紙をいただき、松本零士先生の逓信総合博物館の企画展には私もスタッフの一人として協力させてもらった。
漫画史研究家の私としては、幸せな日々を過ごしている。
私が最年少の漫画史の研究者として認められ、社団法人日本漫画家協会の正会員になった2003年には、上田トシコ先生が文部科学大臣賞を受賞された。
御祝いの言葉にあわせて、私も研究者として、協会員になれたことを報告すると、
本当に良かったわね!
と一緒に喜んでくれた上田先生の笑顔が今も眼に焼き付いている。
上田先生の代表作である『フイチンさん』全三巻を発行人本間正幸として、2009年5月にコミックパークから復刊出来たことを思うと何だかとても嬉しいのだ。
現在、日本漫画家協会の正会員である漫画家の先生方の数が500名なのに対し、研究者の正会員の数が(今でも最年少である私を含め)10名前後しかおらず、私以外の研究者は全て大学教授の肩書きを持つ。
漫画家協会正会員の平均年齢は60歳前後である。
漫画界大御所の先生方からすれば、親子ほど年の離れた研究者である私は、かつての純粋な読者の代表であり、漫画ファンであることを皆さん理解してくれているようだ。
上から目線で漫画を評論する評論家の人達とは違って、漫画家の先生方の人達は、善人がとても多い。
一人の人間として接する場合、評論家の人達とは、あまり付き合いたいとは思わないが、漫画家の先生方とは親交を深めていけたら幸せである。
漫画史研究者としての私、本間正幸は、お金や名誉、肩書きはなくとも、研究者としてはとても幸せな日々を暮らしている。
これで、いいのだ。
追伸
来月には、舞鶴引揚記念館で上田トシコ先生の追悼展があり、それにあわせて上田先生の著作『ぼんこちゃん』『お初ちゃん』の二冊をコンテンツワークスのコミックパークから、オンデマンド出版する。
発行元は、パインウッドカンパニー、発行名義人は、私、本間正幸となっている。
3月には、『750ライダー』で知られる石井いさみ先生のサッカー漫画『くたばれ!!涙くん』全5巻同時発売など、昭和の少年少女漫画史を代表する作品群を続々と復刊していく予定だ。
皆さん、お楽しみに!
年間購読者には、別冊ふろく『ねおまんだらけ.19』がついてくるのでオススメです。
今回もA5版カラーで48ページありました。
この本のポイントは、掲載商品がすべて抽選で買えるということ。
申込締切日は12月25日(金)当日必着なので過ぎちゃいました!
今回は、JPA(ジャパニーズ・ポップ・アンティーク)の大特集13ページ。
そして、セル画やアニメ原画、原画、台本、絵コンテ、単行本、新書、雑誌、雑誌ふろく、資料系グッズなど中身については、購読者だけのお楽しみ。
さて、本誌の今回の注目記事は、怪作!!竹内寛行版「墓場鬼太郎」全16冊セット、戦前~戦中の漫画、オリオン出版&スタジオシップpocket comics76冊セット、笠倉出版社 SAKURA COMICS全28冊初版セット、昭和ノスタルジー雑誌ふろく610点!といったところだろうか。
実物の写真とデータが明記されているので、無断引用や孫引きが多く実証的でない、大学教授などの肩書きを持つ評論家や研究者達のグループが作っているマンガ学の入門書の類より遥かにためになる。
漫画史研究家は、漫画評論家と違い、独自にデータベースを作るのが最低の必須条件。
作家の作品リスト、単行本リスト、年譜などを調査し、更に本当かどうか作家本人もしくは遺族や編集者など当時の関係者に確認する。
他人が発表したデータは実物が確認出来るまで、半信半疑のままである。
ちなみに、私が『少年画報大全』(少年画報社)を監修した時、それ以前から活躍している評論家達が発表していたデータと私が調べたデータとでは、100箇所以上の違いが見受けられた。
『少年画報大全』巻末の参考資料と本文の記載データが違う場合、原本から実証的に確認した私のデータの方が99.9%の確率で正しいと自負している。
2001年以降に発表された書籍でも、『少年画報大全』を参考文献に加えてないもので、同じ事柄のデータが違っていた場合、私のデータの方が正しい筈だ。
『少年画報大全』発表後、私に何の挨拶もなく、データや掲載した画像を無断引用している評論家や研究者がいる。
素人のファンの人やマニアの人が趣味で楽しんでくれているならお役に立てて嬉しい限りだが、評論家や研究者を名乗りながら、参考文献として、『少年画報大全』の書名をあげてくれる研究者としての最低限のマナーを守れる人が少ないのはなぜだろうか?
彼等のような高学歴ではなく、横浜鶴見の不良少年上がりの私では良く理解出来ない謎である。
ちなみに、有名古書専門店の間では、『少年画報大全』は必須であり、店の店長達の間では私の顔と名前がすっかりバレてしまっている。
それはさておき、もうひとつの楽しみは、星まこと氏によるアニメインタビュー。
毎回丁寧なインタビューを続けているこのシリーズも今回で41回目。
星さんは一般的には、あまり知られていないが、日本のアニメの研究者としての実力は日本一。
元エイケンの名プロデューサー鷺巣政安氏に師事。
御園まことの名で『図説テレビアニメ全書』(原書房1999年)を監修している。
この本には、現場から見たアニメの歴史として「宇宙戦艦ヤマト」や、「超時空マクロス」など数々のヒット作を手掛けた演出家の石黒昇氏や「風の谷のナウシカ」の作画監督であるアニメーターの小松原一男氏、テレビアニメ創成期からのプランナーとして鷺巣政安氏の特別インタビューも収録されている。
今回の『まんだらけZENBU45』には、
幼い頃のディズニー作品との出会いで、アニメーションの美術を目指しました。
と題して
『マッハGo Go Go』メカニックデザイン・美術監督、『紅 三四郎』美術監督、『昆虫物語みなしごハッチ』美術監督、『決断』美術設定、『科学忍者隊ガッチャマン』メカニックデザイン・美術監督、『新造人間キャシャーン』美術監督、『機動戦士ガンダム』美術監督、『ニルスのふしぎな旅』美術監督、『風の谷のナウシカ』美術監督として知られる
中村光毅インタビューを収録している。
星さんとは、10年以上の付き合いになる。
非常に爽やかな兄貴分です。
そして、忘れてはいけないのが成瀬正佑氏の記事。
「護美之山」特別編、護美之園~矢代まさこ貸本時代の全貌②~。
。
今回は、矢代まさこ貸本漫画作品リストがついているので有難い。
成瀬氏の記事は、毎回オールカラーで単行本のデータを紹介しているので非常に助かります。
漫画史研究家は、漫画評論家と違い、日々の地道なデータ集めが必要とされ、その成果を発表する場も非常に少ない。
だが、漫画評論家が漫画家の先生達にあまり好かれていないことが多いのにくらべ、漫画史研究家に対して先生方は皆、非常に親切である。
少年時代から憧れていた、ちばてつや先生に、名前と顔を覚えてもらえたなんてまるで夢のようである。
赤塚不二夫先生からは、特別のサイン色紙をいただき、松本零士先生の逓信総合博物館の企画展には私もスタッフの一人として協力させてもらった。
漫画史研究家の私としては、幸せな日々を過ごしている。
私が最年少の漫画史の研究者として認められ、社団法人日本漫画家協会の正会員になった2003年には、上田トシコ先生が文部科学大臣賞を受賞された。
御祝いの言葉にあわせて、私も研究者として、協会員になれたことを報告すると、
本当に良かったわね!
と一緒に喜んでくれた上田先生の笑顔が今も眼に焼き付いている。
上田先生の代表作である『フイチンさん』全三巻を発行人本間正幸として、2009年5月にコミックパークから復刊出来たことを思うと何だかとても嬉しいのだ。
現在、日本漫画家協会の正会員である漫画家の先生方の数が500名なのに対し、研究者の正会員の数が(今でも最年少である私を含め)10名前後しかおらず、私以外の研究者は全て大学教授の肩書きを持つ。
漫画家協会正会員の平均年齢は60歳前後である。
漫画界大御所の先生方からすれば、親子ほど年の離れた研究者である私は、かつての純粋な読者の代表であり、漫画ファンであることを皆さん理解してくれているようだ。
上から目線で漫画を評論する評論家の人達とは違って、漫画家の先生方の人達は、善人がとても多い。
一人の人間として接する場合、評論家の人達とは、あまり付き合いたいとは思わないが、漫画家の先生方とは親交を深めていけたら幸せである。
漫画史研究者としての私、本間正幸は、お金や名誉、肩書きはなくとも、研究者としてはとても幸せな日々を暮らしている。
これで、いいのだ。
追伸
来月には、舞鶴引揚記念館で上田トシコ先生の追悼展があり、それにあわせて上田先生の著作『ぼんこちゃん』『お初ちゃん』の二冊をコンテンツワークスのコミックパークから、オンデマンド出版する。
発行元は、パインウッドカンパニー、発行名義人は、私、本間正幸となっている。
3月には、『750ライダー』で知られる石井いさみ先生のサッカー漫画『くたばれ!!涙くん』全5巻同時発売など、昭和の少年少女漫画史を代表する作品群を続々と復刊していく予定だ。
皆さん、お楽しみに!