ミクロネシア 青年海外協力隊環境隊員のブログ

ミクロネシア連邦国において環境分野で活動する青年海外協力隊、シニアボランティアからの報告。コメントお待ちしています。

2012年4月 NGOと協働の予備調査(チューク)

2012-05-11 13:37:13 | チューク州

こんにちは。
ゴールデンウィークはどのように過ごされたでしょうか。バケーションも終わり5月病になっていませんか?私は危ないです(嘘)
それでは常緑にいつも癒されているチュークから、先月の活動を報告いたします。

1.平成24年4月の活動
 4月は、1か月後に迫ったごみ収集車の到着に合わせ、パートナーであるNGOのCWC(Chuuk Women’s Council)と毎週ミーティングを持ち、パイロットプロジェクトに向けた予備調査や対象地域の選定などを話し合いました。ある程度方向性が決まったところで、Mayor(ウェノ島の市長のような存在)にも報告を行い、プロジェクトに対する理解をもらいました。

 それと同時に、ごみ収集を行う公共事業局のスタッフにもプロジェクトを説明するとともに、メンテナンスの重要性を訴えかけました。



ここで、私がチュークに来る直前に館清掃事業所の同僚が作成してくれた動画を披露。



正直、公共事業局スタッフのメンテナンス能力に大きな不安を感じているのですが、実際に八王子市で働く元気な職員の姿を見て、意識も高まったようです(詳しくは「ごみ収集車の到着に向けて(ホーンコレクションとメンテナンス)」)。


そして何より嬉しかったのが、黒須前市長の訪問!はるばるチュークまでやってきてくれたのです。配属先の関係者にと抱えきれないほどたくさんのお菓子を持ってきてくださり、ディナーを共にすることもでき、「大和魂を見せつけるんだ」と励ましの言葉をいただきました。




前市長のおかげで、今こうして活動ができ、5月には八王子市から収集車がやってきます。改めて前市長の温かい人柄に触れ、「よし、頑張ろう!」とますますやる気がみなぎってきました。(詳しくは「予備調査スタート&八王子前市長のチューク訪問!!」



2.2つの予備調査
 ごみ収集車の獲得に合わせ、今月末からスタートさせるパイロットプロジェクトの予備調査を2つ実施しました。

(1)アンケート調査
まず一つ目はアンケート調査。この調査の主な目的は、
「生活状況(どの様なものを消費・所有しているか)」
「ごみを普段どのように処理しているか」
「ごみ収集への感心・協力度」
の把握です。

私が英語で作成した調査表を、ミーティングを通して修正したのち、CWCがチューク語に翻訳してくれました。そして、更にこのアンケートをインタビュー形式で一軒一軒聞いて回ってくれたのです。調査表をチューク語に翻訳したとはいえ、文字を読めない方もいるここチュークでは、これが最善のやり方。一軒当たり20~30分ほどかかってしまいますが、これをCWCメンバー2人だけで1週間かけて計52世帯回ってくれたのです。


真ん中の女性を挟んで両側の男性2人がCWCのメンバー。


コミュニティの中には、海辺をごみ捨て場としている家もありました。私が一番改善したい光景。


このアンケートにより、プロジェクトを行う地域を選ぶ際の基礎資料となった他、私たちの活動を周知することもできました。(詳しくは「予備調査スタート&八王子前市長のチューク訪問!!」<再掲>


(2)ごみの内容物(発生量)調査
そしてもう1つ。この調査の主な目的は、
「1世帯当たりのごみの発生量」
「各世帯から出されるごみの種別ごとの割合」
の把握です。

まず、1日目に、対象の30世帯に説明用チラシとごみ袋を1枚ずつ配ったのですが、これもCWCが一緒に行ってくれ、住民に対して丁寧に説明してくれました。
そして1日置いた2日目に、このごみ袋を回収、1軒ずつごみの重さを計りました。



集めたごみの中から1部の世帯のごみを9分類し、各種別の重さと容積を計ります。


分類時。炎天下のもと、現地スタッフも良く私に付き合ってくれました(笑)


そしてごみの種別ごとに計量。

この作業を全30世帯分のごみを分類・計量できるよう1週間かけて計3回行いました。


このタフな調査から得られた結果がこちらです!



(1)で説明したアンケート調査によると、約7割の世帯がコンポストを実施していると回答していましたが、有機性ごみが依然29%あります。また、同様に缶のリサイクルを行っていると回答した割合も約7割いましたが、アルミの金属もまだ7%あることが明らかになりました。もっとリサイクルを進めていくことができそうです。

さらに、調査結果から計算すると、1人1日当たりのごみ発生量は247g。これと日本人の一般家庭から出されるごみ量と比較すると、少なくとも日本の半分以下となります。チュークにおけるごみ量は、先進国に比べかなり少ないということを今回の調査で証明することが出来ました。

この内容物調査(組成分析)は、八王子市役所で担当を務めさせていただいたこともあるので要領はつかんでいましたが、やはりここチュークでやるとなると勝手が違い大変でした。委託業者さんの大変さをつくづく実感(笑)。
(詳しくは「予備調査②~ごみの内容物(発生量)調査」


3.この1か月を振り返って
4月の一番の収穫は、CWCの協力を得ながら、2つの調査をやり遂げられた事。彼らなしでは出来なかった調査。先月までは話し合いだけの関係でしたが、この調査を通しより信頼を深められたと感じています。
また、調査対象となった住民からも、「良い仕事をしている」「ありがとう」といった声を頻繁にかけてくれ、コミュニティの中で知り合いも多くできました。

いよいよ今月はごみ収集車2台を獲得し、パイロットプロジェクトもスタートします。
今はワクワクと不安が入り混じった複雑な気持ち。新たな収集方法に伴う住民とのコミュニケーション、収集車のメンテナンスなど、プロジェクトの中で様々なトラブルが生じることを予想していますが、現地スタッフとともに議論しながら、少しでも良い方向へと進めることができるよう頑張ります。


最後に4月の写真を2枚。



何とあの有名な映画「タイタニック」の1シーンとして使われた沈船「富士川丸」。
左奥にある回廊がそうなのですが、今回はうまく撮れませんでした・・・。
しかし、映画に使われるくらい保存状態が良いのもチュークの沈船の魅力。次回はもっときれいに写真が撮れるよう、また挑戦してきます!



我が家で生まれたばかりの4匹の子犬。
今後の楽しみの一つとなりました♪


それではまた!