ミクロネシア 青年海外協力隊環境隊員のブログ

ミクロネシア連邦国において環境分野で活動する青年海外協力隊、シニアボランティアからの報告。コメントお待ちしています。

2013年2月 J-PRISM専門家のチューク訪問

2013-03-14 15:53:37 | チューク州
こんにちは。日本もようやく温かくなってきたようですね。花粉がつらい季節。チュークでは、最近選挙が行われましたが、州知事の結果が僅差となったことから決選投票が4月に改めて行われるようです。さて結果はいかに。



1.平成25年2月の主な活動
1月から開始したナンタク村でのホーンコレクションをフォローするため、ごみ収集車に頻繁に同乗しました。住民も徐々に慣れ、収集日には、朝から道ばたにごみ袋が置かれている様子をよく見かけるようになりました。また、現在の問題点を共有するために公共事業局とミーティングを開き、意見交換を行いました。このようなミーティングは定期的に行っていく必要があるため、今後は彼ら主導で行えるようサポートしていく必要があります。

 仕事以外では、ホストファミリーの実家があるトノアス(夏島)での大ウンドウカイを観戦。日本統治時代に、日本軍とチューク人が一緒になって運動会を行っていた場所で、今でも皆が大興奮するほど走り回る選手の姿に、私も一緒になって声援を送りました(詳しくは「夏島での大運動会 ~Undoukai in Tonoas Island 」)。



 また、たまたま目に入って訪れた私設の図書館。この事業を始めた方に話を聞くと、私立小学校の校長をやめ、友人等に声をかけて本や文具を寄贈してもらい、この図書館を昨年設立したとのこと。まだまだものは足りないとおっしゃっていましたが、室内はきっちりと整理・整頓がなされており、現在ある本も質が高い。



チュークでは学校に行かない子どもが多数おり、教育が重要課題であると私も感じていたことから、こうして慈善事業として行っていることに大いに共感しました。私もいくつか子ども向けの本(英語版ドラえもんなど)を持っているので、今度寄贈しようと思っています。


2.専門家のチューク訪問
2月の後半には、JICAによるJ-PRISM(大洋州地域廃棄物管理改善支援プロジェクト)本部より統括がチュークを訪れてくれました。3月に大規模な修繕を予定している埋立場を訪問し、具体的に計画を詰めていきました。この詳細は来月の通信で報告します。この他、将来の埋立場候補地やリサイクルショップも訪問しました。




また、環境保護局、公共事業局それぞれの局長とミーティングも行いました。ごみ処理の計画や評価、住民への啓発等は私の配属先である環境保護局が、ごみ収集・ごみ処理は公共事業局という役割分担のはずなのですが、これまでの複雑な経緯もあり、ごみ処理も含めて全ての予算は環境保護局が有しているという現状。これでは責任の所在も不明確となり、公共事業局が何かものを購入するにも余計な時間がかかってしまいます。

統括はこの点を指摘し、公共事業局が予算を獲得するために、まずは組織としての仕事内容を明文化することを提案しました。さらに、昨年末に策定した州廃棄物戦略の実行状況を定期的にモニターするために、関係機関による運営委員会を設立することも提案。今後、環境保護局で詳細を詰めた後、州知事を通して関係機関に呼び掛けを行うことが決まりました。

統括はわずか数日のチューク滞在でしたが、このように現在の課題を明確化し、これから取り組むべきことを具体的に提案されました。私の中では正直目をつぶっていた点もあったのですが、今回訪問していただいたことにより、まだまだ私にもできることがあることを認識させられました。


3.この1カ月を振り返って
 1月に3つ目の村へと拡大したホーンコレクション。これまでごみ収集を行っていなかった地域でごみ収集をスタートするためには、まず住民に家の中のごみを集めてもらう必要があります。ごみ収集サービスが届いていない家庭では、ごみは家の中を掃除する際に家の周りへと捨てているところがほとんど。したがって、ごみ収集時に一軒一軒「ごみはありますか?」と尋ねても、大抵が「ない」との回答。なので、その際に「次回は○曜日に来ますので、ごみを集めておいてくださいね」と伝えておきます。
数週間もすると、家の中のごみを集めて収集日に出すという習慣が徐々に身についていくようで、ごみ収集に訪れた際に既に道ばたにごみ袋が置いてあると、とても嬉しくなります。

これまでは、ごみは仕方なく家の周りに捨てられていましたが、これからはこの「ごみを集めて出す」という行為を通じて、ごみに対する意識も高めていくことができればと考えています。


 最後に、2月はいくつか離島を訪問する機会があったので、その写真を。



まず、人口1万人ほどのウマン島(冬島)。日本軍の名残がここにも残っており、水産物を取って生活しています。



気になるのが海岸浸食。訪れるたびに海岸が削られているそうで、「私たちはこれに対して何をすれば良いのか?」と尋ねられました(右)。




 次は環礁上にある人口千人にも満たないピス島(北島)。すぐそこは外洋。内海とは違って、荒い波が打ち寄せてきます。ここでも井戸は大活躍。人々の生活を支えています。



また、ピス島でも気候変動による海面上昇の影響でしょうか、海岸沿いに倒れ落ちているヤシの木を何本も見ました。
私たちに何が出来るか考えさせられます。




 何はともあれ、どの島でも子ども達の笑顔には癒されますね。


ではまた!


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