徒然なるままに ~ Mikako Husselのブログ

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書評:エラリイ・クイーン著、宇野利泰訳『Xの悲劇』(ハヤカワSF・ミステリebookセレクション)

2019年01月18日 | 書評ー小説:作者カ行

『Xの悲劇』は文藝春秋の東西ミステリーベスト100(2012)の14位にランクインしています。同著者の『Yの悲劇』が2位にランクインしているのでクイーン作品を読んでみようと思い、YはXの続編なので、取り敢えずXのほうから読んでみることにしました。

あらすじ:1930年代のニューヨーク。雨の満員電車の中、ニコチン毒の塗られた針が刺さったコルク玉で株式仲買人ハーリー・ロングストリートが殺害された。狂気であるコルク玉を彼の上着のポケットに入れることは電車に乗り合わせた誰にでも理論的に可能であったため、容疑者を絞ることができなかった。捜査が行き詰まったブルーの地方検事とサム警視は、元シェークスピア俳優で、聴覚を失ったためにいんたいして探偵業をしているドルリー・レーンに相談する。こうしてレーンは捜査に乗り出すが、その後第1の事件に関連すると見られる殺人事件が2件起こる。それらの犯人と思われるXの正体は?

レーンは元俳優というだけあって、シェークスピア作品のセリフを多用するので、少々回りくどい印象を受けます。扮装係のクエイシーのメーキャップで変装して捜査するところがなかなか面白いです。ストーリー展開はどちらかと言えばゆっくりで、ディテールへのこだわりが感じられ、集中力が要求されます。「なるほど!」という納得感は大きいですが、読むのにちょっと疲れる作品ですね。


書評:エラリイ・クイーン著、宇野利泰訳『Xの悲劇』(ハヤカワSF・ミステリebookセレクション)

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