メカニック日記

メカニックです。仕事ネタから感じた事思った事など気まぐれに更新していきます…

最近の作業…28

2019-06-04 14:12:00 | 整備
久しぶりの更新です
ブログも更新しなきゃなぁなんて考えてはいたのですが、色々とありバタバタしてなかなか更新出来ずにいました。
いい事や悪い事も含め、まあ本当に色々とあります
仕事の事や今後の進め方をどうするかを常に考えてしまい、なかなか気が休まる時がありませんが
これもまた勉強ですかねぇ
 
 
 
で、最近の作業です
 
まずは前回の記事で書いたアドブルーのチェックランプが点灯していたギガ
 
故障コードを一度消去して使ってもらっていたのですが、その数日後にまた点灯&ブザーが鳴るという事で修理する事に。
 
原因はコイツです
 
 
取り外す準備をしつつ、センサーの取付部分の周辺はパーツクリーナやエアブローでキレイに掃除しておきます
出来る限りゴミや異物が入らないようにしておきます。
 
で、尿素水のホース2本とヒーター用のホース2本を外すんですが
ヒーター用のホースはエンジンの冷却水を利用してるので栓をしておかないと大量の冷却水が流れ出てしまいますが、ここにきてピンチオフプライヤーを忘れた事に気付きます
 
瞬間的に繋ぎ替える事が出来る作業ではないので、なんとか栓をする方法を考えて思いついたのがコレ
 
なかなかグッドアイデア
優雅にセンサーを交換する事が出来ます
 
新品のセンサー。
 
 
 
 
問題のセンサーを取り外して
 
 
 
 
Oリングも新品に交換してセンサーを取り付け
 
 
後は、各データにおかしなところがないか点検して
 
残っていた過去コードを全て消去し、異常がない事を確認して完了です
 
 
 
 
お次もギガ
電動格納ミラーの動きが悪いという事でモーターの交換。
ギガは天井のカバーを一部外さないとモーターが交換出来ません
 
カーテンレールやらを外して天板をめくります
 
 
 
ミラーアームを外してモーターを摘出します
 
 
 
 
 
で、新品のモーターを取り付けて元どおりにして完成。
 
 
 
お次は長時間停めておいた後にだけエンジンのかかりが悪いという70ヴォクシー。
 
診断機で故障コードを調べるも特に異常は無し。
症状は確認出来ませんでしたが、話を聞くとかかりそうでかからない状態が数秒続いてからエンジンがかかり、かかってしまえば特に不具合も無く走行出来るとの事
 
話を聞く限りクランキング時に燃料が来てないんじゃないかなという感じだったので、オーナーさんに最近ガソリンスタンドで給油する時、フューエルキャップを外す時に『プシューと音がしますか?』と確認したら、『そう言われてみれば最近音がしない』との事。
これ、過去に何度かあったんですが燃料タンクの気密性が落ちるとこのような症状になる事があります
チャコールキャニスタのパージコントロールバルブや燃料タンク側の負圧弁などが原因で燃料タンク内にエアの抜け道が出来た状態で長時間車両を停めておくと配管に保持されてた燃料が位置の低い燃料タンクに戻ってしまうんです
キーをオンにして数秒待てばフューエルポンプが燃料を送るのでほぼ気にならないのですが、ほとんどの人はそのままセルを回しちゃいますからね
ましてやプッシュスタートボタンだとブレーキ踏んでボタンを押せば問答無用でセルが回っちゃいますから
その為、燃料が配管に回って来るまでのラグでエンジンのかかりが悪い訳です
 
 
ただ、どこからリークしてるのか特定するのはまあまあ大変なんですよね
なので相談の結果、とりあえず安価なフューエルキャップを換えて様子を見る事になり
 
交換しました。
このキャップは千数百
 
ここに燃料タンク内が負圧にならないように負圧弁が付いてます
 
 ヴォクシーはこれで一度様子見です
 
 
 
 
 
 
それから
 
 
 
やっぱりと言うべきか
 
 
 
こんなものが届きましたよ!!!!
 
 
我が愛車のエルグランドのリコールです
 
内容は以下の通り
 
 
 これ、半年前にブログの記事にも上げましたが、私のエルグランドにも不可解な制動力不足が発生しましたからね
 
この説明だとストロークは増えるけど制動力は問題なく発生しますと書いてありますが、私の場合、制動力は著しく低下しました
しかもバルブのメッキとブレーキフルードの相性が悪くてゲル状の物質が生成されるという事ですが果たしてどうなんでしょう
だって相性が悪いんだったらもっと早い段階でトラブルが起きそうなもんですけどねぇ
 
日産の方に聞いたら今回の対策でABSアクチュエータの点検とブレーキフルードの交換をするらしいのですが現在メーカー指定がDOT3に対し、DOT4を使用するとの事
DOT3DOT4に替えるという事はブレーキフルードの沸点をあげるという事。
つまりベーパーロック対策です
 
今回の対策を見てると根本的な原因は掴めていないような気がしちゃいますね
 
 
まあ、私の個人的な見解ですけどね
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
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最近の作業…26

2018-12-20 08:08:38 | 整備

少し前の作業ですが、FE92だったかな?…キャンターの作業です…


DPFの堆積モニターが満タンなのに再生スイッチを押しても再生されない…との事で入庫。


実際に車両を確認すると、確かに堆積モニターは満タンで、警告ランプが点いてます…



診断機でコードを確認してみると…




でしょうね…笑
言われなくても分かります…

だって堆積モニター満タンなんだから…笑


で、問題のスイッチを押しても再生が始まらないという症状は…

ただ単に水温が低いから再生禁止制御が働いていただけでした。
完全暖機後にスイッチを押すと普通に再生が始まりました…


ふそうさんだけじゃなくUDさんなんかもそうなんですが、DPFの再生は暖機後じゃないと出来ない設定があります…
60℃か70℃だったかは忘れましたがそれ以下の水温ではどれだけスイッチを押しても再生は出来ません…
これは仮に診断機を接続しての強制再生でも同じです。

それを故障だ‼︎…と勘違いをする事はよくある話ですが決して異常ではないので注意が必要です…
再生要求があるのにボタンを押しても再生が始まらない時は一度、水温を通常温度まで上げてからボタンを押してみてください。

で、再生中の温度変化を確認…










最終的に600℃を超え…


再生も終了。



コレも診断機を繋いで強制再生のボタンを押し、終わるまで待つだけなら誰でも出来る話で…

大事なのは再生中の排ガス温度など各部の温度変化や再生にかかる時間などの確認…
その状態によって正常なのか異常なのかを判断する事…
更には現車の状態から今後起こり得るトラブルまで予測しておく事…
そこまでやってこその強制再生だと思います。


で、最後に故障コードも確認…


これにて完了。



それからキャンター繋がりで以前メッセージから『4P10にはブローバイフィルターは付いてるんですか?』また『交換は可能なんでしょうか?』という質問を頂いたんですが…

ちょっと機会があったので作業の様子を…
4P10にもブローバイフィルターは付いてますが以前の4Mのように、明らかに"ここにフィルター入ってまっせ"というケースはありません。
その為、付いて無いと勘違いする方もおられるのかもしれませんが…

4P10のブローバイフィルターはフロントケースにビルトインされています。

ココ…


カバーを外すと…


中にフィルターが組まれてます。


サプライポンプ駆動軸を利用した遠心分離式のフィルターで…
遠心力でブローバイガス中の油分を分離します。
いわゆるセパレーターですね…

メーカーの名称はエアフィルターとなってますが…
スナップリングを外しフィルターを抜きます…


更にはカバーにオイルシールがあるのでそちらも交換…


新品のオイルシール…


シールを入れて…


フィルターもセットします…






カバーも取り付けて完成…


位置的に分かりづらい所に付いている為、ブローバイフィルターが付いて無いエンジンだと思う方も少なくないかもしれませんが…
このエンジンでも定期的に交換する必要があります。

まあブローバイガスのセパレーターに関しては一部メーカーではメンテナンスフリーのタイプがあるのも事実ですが、フィルターはブローバイガスという特性上交換出来るならしておいた方が絶対にいいですね。

昨今のトレンドとなっているダウンサイジングターボとなれば尚更です…


お次はFR1プロフィア …


発進時にESスタートが解除されない時がある…との症状。

ダイアグモニターによる自己診断では故障コードは無し。

トラブルシュートの結果、ESスタートバルブのソレノイドの不調だろうという事でソレノイドの交換とバルブのオーバーホール。

ESスタートバルブを取り外し…


バルブを分解して洗浄と点検…




Oリングやシート、ソレノイドを交換して組み付け…






で、車両に取り付け…


交換した部品…


後はダイアグモニターにて初期設定を行い完了。
その辺の内容はいつか書いた記事とカブるので割愛させて頂きます…笑



さて今年も残すところあと僅かですねぇ…


この記事を書いてる今現在はほぼ現場の実務からは離れています…
片付けや納車引取や挨拶まわりなど…

その辺の話は長くなりそうなので近況は追って記事にする事にします…笑


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近況…

2018-11-21 07:24:05 | 整備

つい先日の話ですが…

いつものように自分の車で出勤途中にコンビニに寄りコーヒー買って再出発後、最初の信号が赤だったので減速の為ブレーキをゆっくり踏み込んだら…














スコーっとペダルが奥まで抜ける…‼︎







当然、ブレーキは効きません。
慌ててパーキングブレーキを踏み込み減速、たまたま速度が出てなかったのでなんとか止まれましたが…
危うく前の車にオカマ掘るところでした…


ぶつからなくてよかったぁ…と胸を撫で下ろしつつ、会社の近くだった為そのままノロノロ運転でなんとか到着。
会社に到着後ブレーキペダルを何回かペダリングすると踏みしろも戻り、ブレーキテスターでの制動力にも問題なし。

症状が回復した事に少々?がありますが…

どちらにしてもブレーキの不具合は怖くて走れないので急遽、自分の車を点検させてもらう事に…




まずブレーキオイル…

ちゃんと入ってる…


ブレーキパイプやホース、キャリパー、ABSユニットやマスターシリンダーなどを目視で点検するも漏れてるような形跡はナシ。





パッドの残量もまだまだある…





となるとまさかの…











ベーパーロック現象…⁉︎



まあ正直、お恥ずかしい話ではありますが自分の車のメンテナンスって結構いい加減なものでした…
整備士だったらマイカーのメンテナンスはバッチリと思われがちですが…

職業上、人様の車は神経質に扱いますが自分の車となると乗りっぱなし…なんて事はよくある話です…

よく考えたら新車で購入してから一度もブレーキオイルの圧送交換をしてませんでした…

現在の走行距離は10万キロをちょっと越えたあたりで、ブレーキパッドは前後共2回交換してますがその時はキャリパーのピストンを押し戻す時にブリーダーからオイルを抜き、減った分をリザーバーに補充するという適当な整備。

自分の車という事もあり手抜き整備でした。


ただ通常ベーパーロックってブレーキのオーバーヒートから起こる事が多いですがオイルが劣化してるとはいえ特にハードなブレーキングをした訳でも無く通常走行で起きた事に少々ビックリ…

過去に峠道の下りでブレーキの多用からベーパーロックを経験した事もあり…
結果的にぶつからずに止まれましたが、あの時はマジで死んだ…と思いましたが。

今回は朝家を出て渋滞にハマりながら5km程走行してコンビニに…
その間ブレーキに違和感はありませんでした。
で、コンビニでコーヒー買って動き出し、最初の信号でペダルがスコっと抜けました…

今までは今回の走行条件から考えるとベーパーロックが起きるような状況では無いと思ってたんですが、点検の結果ブレーキ系統はどこにも不具合は無し…
マスターシリンダーのシールがイカれたなら制動力が回復するなんて事はあり得ないだろうし…

またABSユニットの不具合ならチェックランプの点灯があるだろうし、そもそも不具合が起きた時のフェイルセーフもありますからね…

そういった状況や症状から考えると原因はベーパーロックとなる訳で…

メンテナンスを怠った為にブレーキオイルが劣化…水分を多く含んだブレーキオイルが沸騰、気泡が発生しペダルを踏んでもブレーキが効かない…と言った状態になったと推測。


という事でブレーキオイルは圧送交換する事に…



ブレーキオイルはそれなりに汚れてましたが、真っ黒という訳ではありませんでした…


全てキレイに圧送交換して完了…



で、ブレーキオイル交換後に試運転にて確認すると…

ペダルの踏みしろは明らかに良くなり、ペダルが抜ける前の状態と比べてもペダルフィーリングは格段に良くなりました。

ここまで変わるとやっぱりブレーキオイルの劣化
によるペダルフィーリングの低下が起きてたんでしょうね…
徐々に劣化するものに対しては日頃乗ってる車でも分かりづらいって事でしょうか…



そんな事よりやっぱりメンテナンスって大切ですねぇ…笑


皆さん、車検時には必ずブレーキオイルの交換はするようにしましょうね…
本当に怖い思いをする事になりますから…

もちろんウチではお客様の車検時には無条件で交換してますけど…笑



にしてもリフトアップして下廻りを点検してたら、色々と不具合予備軍を見つけました。

ロアアームのブッシュが…


ブレーキローターにも小キズが沢山…


新車で購入して早8年。
まだまだ乗り続ける予定なのでキチンとメンテナンスしなければ…





それから私事ですが…

以前よりこのブログ内ではちょくちょくお話はしておりましたが…

現在の会社を年内一杯で退職する事が正式に決まりました。
今の会社には10年在籍しましたが、来年からは新しい環境でチャレンジする事になります。

色々な意見もありましたが、自分が真剣に考えて出した結論です。
誰かのせいにするつもりも無ければ、後悔もしません…

勿論、不安が全く無いと言えばウソになりますが、それ以上にこれから自分の置かれる環境の方が自分を成長させてくれる可能性を感じており、ワクワクした感情の方が圧倒的に強いです…

それからこの選択をサポートしてくれている方々には本当に感謝しています。
その方々の為にも頑張らなくては…という身の引き締まる思いです。

『感謝、努力、挑戦』

少々早いですが来年の抱負はコレでいきます…笑


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最近の作業…25

2018-11-13 08:44:47 | 整備


まずは縁石を跨ごうとして下廻りをぶつけ、何やらオイルが垂れてきた…との事で入庫したHA36Sアルト…


話を聞く限りだとどこか損傷があるのは間違い無いんでしょうけど…


その前に…


何で縁石を跨ごうとするかね…笑


ゴリゴリの四駆でもない軽自動車で縁石を…


越えられると思ったのかな…?



車を運転するのにも空間認識能力は大切ですね…




早速、調べる為にリフトアップ。


フロントバンパー下部に既に損傷あり…


この時点でギリギリ越えられなかった訳では無い事が分かります…笑

更に下廻りを覗き込むと…


オイルパンに擦った跡があり、アルミ製のオイルパンが割れてそこからオイルが漏れちゃってます。


こうなると要交換ですね…


という事で部品を手配してそのまま作業を開始。

邪魔なエキパイを取り外し…
このエキパイにも若干ダメージがありますね…



クランク角センサーも取り外して…



オイルパンの取り外し。

アルミ製ですからね…
この程度の接触でも割れちゃいます。







こちらが新品のオイルパン。


ブロック側をキレイに掃除&脱脂したら新品オイルパンにボンドを塗って取り付け…
各ボルトを規定トルクで順番に締め付けます。




後はボンドが乾くのを待ってオイルを注入後、漏れの確認をして完成です。



で、損傷したオイルパン…


ただポイするなんて勿体ないので…


再生修理の実験台になってもらいます。笑


割れた箇所をよく見ても分かる通り、ホント少しの事なんだけどなぁ…


材質上、粘りが無いので割れちゃうんですよね…

これはオイルパンに限らず多くのアルミダイキャスト製品で同じ事が言えると思います…


今回のように部品が直ぐに入手出来れば特に問題もないんでしょうが時には在庫が無いなんて事もあり得ます…
そんな時は応急的に修理する必要があるのでその実験台となってもらう訳です…


まず割れた箇所に肉盛りする為に表面を軽く削って…


溶接にて肉盛りします…


4,5,6000番台と数種類の溶接棒で試しましたが5000番系が1番溶け込みがいいように感じました…
元の材質番手は分かりませんが無難なのはやっぱ5000番台あたりでしょうか…

肉盛りした後に表面を慣らして再生形。


で、取付面の面精度の確認。
この程度の溶接なら歪みが出る事も無いので応急での修理も十分可能ですね…



損傷が広範囲だったり溶接する箇所によっては溶接時の熱で取付面が歪んじゃいますからね…
こういう交換後の部品も捨ててしまえばただのゴミですが、こうやって色々と試す事でどの程度までの損傷なら再生が可能か色々と検証出来る訳です…

ただ捨てるなんて勿体ない!笑

他にも試したい事はあるのでまだ捨てませんよ…

という事でアルトは完了。



お次はタンクトレーラーのトラブルシュート。


走行中などに荷物を積んで無いのにリフトアクスルが勝手に降下したり、上昇したりを繰り返す…という症状で入庫していたらしく…
他のメカニックがトラブルシュートをしてレベリングバルブなどを交換したが改善されず…
ギブアップという事でヘルプの依頼が入りました。

現車は車高調整を機械式のレベリングバルブで行いリフトアクスル制御はEBSコントローラが行うTEBSタイプのトレーラー。
診断機を繋いで過去故障コードを確認すると色々と入っておりますが、現在コードは無し。


まあ怪しい故障コードもありますが…
ほとんどがホイールセンサ系の故障コードなので今回のようなリフトアクスルが勝手に下降上昇を繰り返す症状とは直接関係は無さそうです。


で、下廻りを確認すると…


レベリングバルブは左右共新品に変わってますが…




TEBSタイプのエアサスのレベリングバルブは機械式なのでリフトアクスルの制御には直接関係ありません…
あくまでも車高を機械的に調整してるだけです…

また車体がなんらかの理由で(ベローズのヘタリやリンクのガタなど…)傾くとそれを戻そうとエアを排出したり吸入したりするのでそれをエア漏れや故障と判断するメカニックもいますが…
実際にはレベリングバルブは悪くないなんて事も少なくありません。

このリフトアクスルの制御は接地軸のベローズ圧力をコンピュータがモニターしており、その圧力に応じて車軸を上げるか下げるかを判断してます。
またリフトアクスル制御に何かしらの異常があると判定されると強制的に車軸を下げる事もします…

今回の症状は走行中に車軸が勝手に下がったり上がったり、また常に症状が発生する訳ではなく出たり出なかったりという事なので可能性としては圧力センサの一時的なバグや特性ズレなどが考えられます…

で、その圧力センサの良否を判定する為にパラメータを少々変更します。




コンピュータが車軸を下げる判断をする基準となる数値を少々甘く設定し直して、実ベローズ圧とセンサの数値を見比べながら実際に作動圧が変化するか?を確認します…

これをする事でセンサの信頼性が判断出来ます。

ところが試運転の結果、作動圧や症状は変わらず…

また試運転時に圧力センサのデータを見ているとセンサの数値が一瞬0に落ちたりしてるので圧力センサの不良でほぼ間違いないでしょう。


問題はこのタイプのベローズ圧力センサは単体ではなくEBSコントローラに内蔵されており、基本的にはEBSコントローラASSYでの交換が必要となります…

元々作業をしていたメカには…
EBSコントローラの交換とパラメータの設定、更には設定後スタートアップを行う必要があるなど、一通り説明して再度、作業を引き継いでもらいました。

作業後は無事に症状も改善しました…
という事でトレーラーも終了。



それから先日、赤信号で停まっていた所に隣に停車したレクサス…



LSかぁ…なんて見てたら…



ナンバーが…


31A…⁉︎


もう数字だけじゃ番号足りないんでしょうね…


にしても初めて見た…笑





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オートコン修理…

2018-10-17 12:36:33 | 整備

最近、地味に増えているオートコンの修理…

ウチは代理店でも専門業者でもありませんが、お客様が所有していたオートコン車の修理を訳あって自社で修理するようになってから少しずつ依頼が増えていき、今ではそのお客様経由で紹介して頂いた車両の修理なども入庫するようになりました…笑


症状は様々で…
チェーンが切れた、動きがおかしい、または動かないなど…

今回の車両は荷下ろし中に物凄い音がして動かなくなったとの事。


車両を預かり早速調べると…


見事にチェーンが引きちぎられており…


何か無理な力がかかり伸びて破断した…って感じですね。

切れた先のチェーンもスプロケに噛み込んでる…




更に切れた箇所も1箇所じゃないので嫌な予感はしてたんですが…




切れたチェーンを回収して長さを比べてみるも明らかに足りない…

このオートコンはモーターから駆動用のチェーンを介してスプロケットシャフトに繋がっており、そのスプロケシャフトに4本のチェーンが接続されてます。
その4本のチェーンと一体型のブラケットに床板が取り付けられておりフロア自体を前後にスライドさせる仕組み…
更に1番前のプレートは4本のチェーンを繋げる形で取り付けられています…
(↓これは別の車両の画像ですが…)


つまり4本のチェーンは同じ長さ、同じコマ数じゃないと機構として成立しません。
4本中切れたのは1本で切れたチェーンを繋ぎ合せても寸足らず…

嫌な予感は当たるもので、恐らく見えない部分で何かが起きているんだろうと一部床板を取り外して裏側を調べてみると床板がフレームに引っかかり玉突き事故を起こしておりました。
これでも引っかかっていた状態をかなり戻した状態です…




噛み込んだ床板を取り外すのにも苦労しましたが、何とか摘出…笑


もしかしたらコレが原因かもしれませんね…

この細い床板はアルミの押出材で厚みは約2ミリ。
両端に固定用の穴が開けてありますが、ここがよく割れるんです…


当然、床板を後進させていくと上側にあった床板は裏側に入り込んでいきます…
その過程で固定部が割れグラついた床板がフレームのメンバー部に引っかかり玉突き事故…
結果的にチェーンに無理な力がかかり切れる…

今回の状況から考えるとこんな原因だと説明がつきますね…

とりあえず切れたチェーンは再生させる事に…

このチェーンはブラケットが一体型の特殊なチェーンで、以前チェーンメーカーにこの仕様のチェーンの事を問い合わせたら既に廃盤となり供給不可との事。

まあいくらオートコンの製造元が無いからとは言え少々無責任な気もしますよね…

30年も前の代物ならまだしも2000年以降に作られている製品ですからね…
今尚オートコンを現役で使用しているユーザーさんが多数いる以上、補修部品の供給は製造メーカーとしての責任だと思いますけど…

個人的には最後まで責任が持てないんだったら作るなって話ですよ。

まあ私が文句を言った所で状況が変わる訳ではありませんけど…

ただ、お客様が困っている状況は何とかしたいと思うし、それを修理する事が我々の責任な訳です。

そんな訳で以前、付き合いのある業者さんに協力してもらいチェーンのブラケットを特注で製作してもらいました。




切れた部分やブラケットが曲がった部分など再生が必要な部分を選定し…








既製品のチェーンを分解して製作したブラケットを組み合わせながら再使用不可能な部分を再生させていきます。











こんな状態だったチェーンが…


復活します。




こうやって再使用出来ない部分を地道に再生させます…

更に再生したチェーンを元通り接続すればチェーンの修理は完了。




他にも怪しい部分のチェーンも交換。
ブラケットが付いて無い部分の交換はいたってカンタン…





で、チェーン修理後、取り外した床板を取り付けるんですが…


破損して再使用不可能な床板が数枚あるので当然、足りなくなってきます…

それを補う為に裏側に隠れている予備的な床板を取り外して表に持ってくるんですが…
今回は何とか足りましたがもう後が無い状況にはなってきてます…


足りなくなれば当然歯抜け状態になってしまうので…
これも遅かれ早かれ何とかしなくてはいけないという事で実はこの床板も代用品の製作を進めています…
押出材の為、同じ物を製作するのはコストを考えれば限りなく不可能なので…笑

こちらはよく破損するエンド部分のみを単体で製作して元の床板をカットし溶接して再生する方法で考えてます。


最後にチェーンが切れた事による為かストップ位置に大幅なズレが生じていたので修正。

このスライドする床も過巻きを防止する為に前進、後進共にある位置で自動で止まるようになってるんですが、そのギミックがなかなか面白い。


初めてオートコンを操作した時に作動ボタンを押し続けていてもある所にくると自動で止まるのを見てどこかにセンサースイッチが仕込まれてるんだろうなぁ…なんて思ってたんですが、実際に探してみるもセンサーらしき物はどこにも無く、どこで床の位置関係を認識してるんだろうと不思議に思ってたんです…

で、その時に仕掛けがどうなっているのかあちこちバラして調べました…笑


仕掛けとしては駆動モーターに入る電源線の前にこんな機械式のメーターがあり…


このメーターがベベルギヤを介して床板をスライドさせる為のスプロケットシャフトに繋がっており…
そのシャフトの回転数が一定の回転数に達すると回路を遮断するというなんともアナログな構造…笑


今の時代には珍しいアナログな方法に思わず笑ってしまいました…笑

でもこれ、全体的な前後ストップ位置の調整は簡単に出来ますが片側だけの調整は出来ないと思うんですよねぇ…
専用の仕様で作ってあるのか…
それとも中のギヤ比を自在に変更できるのかな…

まあ最悪コレが壊れても前後にセンサー付けて現代方式で修理します…笑

ただまあこの融通の利かないアナログ感も意外と嫌いじゃ無いですけどね…笑



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最近の作業…24

2018-10-06 16:00:44 | 整備
最近は相変わらず車検に細かい作業やクイックなど…

まずはEXZ52ギガの初回車検…
走行は6万キロ程。


足廻りをバラして油脂類はフル交換します…


初めて触る車両だったので整備書である程度予習はしてますが…
リターダがデフのコンパニオンフランジ側に…


整備書見る限りだと18.5H、19.0H、14.5HTの3種類のデフロック仕様はスリーブのロックが必要なようです…


ロックせずにアクスルシャフトを抜いてスリーブを落としちゃうとファイナルギヤASSYを外して取り出す…って恐ろしい事が整備書には書いてありますが…笑

長い棒で引っ掛けられないのかな⁉︎


まあこの車両は前後ロックはありますが左右ロックは無いので関係ありません…






他にもVAY12のADバン…


こちらも車検整備ですが、タイヤを取り外す時にホイールナットが異常に固い…

取り外したナットを点検すると…




矢印のところを見てもらえば分かると思いますが…
思いっきり段差が出来てます…

オーバートルクで締め付けたんでしょう…
ナットのテーパー部もゲジゲジだし。

こんな仕事をするのは素人の証拠ですね…
仮にタイヤ屋か整備業者がやったとしてもこんな仕事をする人間は素人です。

こんなナットは再使用はせず全数交換…
これが新品のナット…


ハブボルトは幸いにも伸びておりませんでした。


そんなこんなでADバンも完了。


更にGP1フィットhybrid…
こちらも車検です。


タイロッドエンドブーツの破れの為、ブーツの交換や…




走行は16万キロでスパークプラグの交換履歴が無い事から交換する事に…
ホンダ得意のツインプラグ…
手前のプラグは簡単に交換出来ますが、奥側はアッパーカウルやワイパーリンクを取り外す必要があります。




使用するプラグはpremium RX…


ツインプラグなので当然8本です…

組み付けて完成。



お次も車検で入庫していたFP50スーパーグレート…

車検整備が終わり検査も終わった後で…

待っていたかのようなタイミングでエアサスコントロールバルブからエアが漏れ出しました…


まあ古くなるとよく漏れる部品ではありますが、このタイミングで漏れるかね…


画像はリークテスターをかけてますが、かけなくても音が聞こえるレベルの漏れです。


とりあえずお客様には説明して交換させてもらいますが…


このエアサスコントロールバルブ…


高いっす…


15万します…


お客様に伝えるのを躊躇いそうになる金額ですが…笑

車を返した後に漏れるよりはまだ良かったと思います…

新品のエアサスコントロールバルブ…




お古を取り外し…


これも形状が改善されてます…



車両に取り付けて完成…








それから週間GT-R nismoも進んでます…笑


定期購読してるので月に1、2回複数号がまとめて送られて来ます。






いきなり完成図ですがこの号はタイヤ&ホイールだけ。

焦らすなぁ…笑


これはまずまずのクオリティ…



次号はブレーキディスクとキャリパーだけ…


見た瞬間ちょっと納得いかなかったのがキャリパーの色。






手を抜いたのか上手く色が出なかったのかどっちでしょう…


更に4号では…


サスペンションアーム類…
ビルシュタイン製のはずなのにショックアブソーバ含め全部黒…


まあ1000歩譲ってここは見えない所だから我慢しますか…

組み上げた部品と前号で作ったタイヤとブレーキを合体…




更にタイヤを取り付けて左リヤタイヤ部が完成…




やっぱりキャリパーの色合いが納得いかない…笑
画像で見るとそんな事ないように見えますが、実際の色はゴールドというより山吹色って感じです…



5号は何故かエンジンルームセクションに…

いや、足廻りの続きは⁇…笑


エンジンルームの組み立て…




うーん…急に手を抜いた感が否めません。


にしても使わないので大切に保存しておいてくださいっていうパーツが結構あるんですよね…
次号で使うのかと思えばそうでもなかったり…

更に合体出来ないセクションがどんどん増えていきます…


これを保管するのも大変ですよ…

まあ、まだ始まったばっかりですからね…
それもしょうがないか。


本物はやっぱりカッコイイ…








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最近の作業…23

2018-08-29 07:09:00 | 整備
久しぶりの更新ですが…

サボっていた訳ではありません…笑


最近は車検ばかりだったので大したネタがありませんでした…


まずはCYL77ギガの初回車検…


オイルやエレメント類の交換…




燃料フィルターやセジメンターフィルターも。




規定トルクで締め付け。


足廻りなども組み付けて完成…





お次は私の嫌いなエルフ…笑


エルフが嫌いというより4JJ1が嫌いなんです。

オイルエレメント交換はまだいいけど…


燃料フィルター交換の整備性は最悪ですから…


この車は特装車&A/Tという事もあり…

上からは手は入りませんし…





下にはATFのホースが嫌がらせのように陣取っています…




結局ブリーダーを1個緩めるのにダクトやらサージタンクやらを外す羽目に…


燃料フィルターの交換にどれだけ時間がかかる事やら…

いすゞさんのメカは凄いですね…
このエンジンを毎日整備してるんですから…

私なら発狂してると思います。




お次は車検では無く3ヶ月点検の新型クオン…




取説を見てるとESCOT Ⅵのオイル交換インターバルは噂どおり本当に45万キロ又は3年毎でした…


化学合成油を使用してるデフも同じく45万キロ又は3年毎の交換…




ギヤオイルってこんなロングインターバルでいいのかな…
エンジンと違ってミッションやデフはギヤ同士が擦れるので多かれ少なかれ必ず鉄粉が発生します…
その為ギヤオイルの交換ってオイルの劣化だけじゃなくその鉄粉を除去する意味でも交換するものなんです…

メーカーはロングインターバルにする事でユーザーのメンテナンスコスト削減を目的としてるそうですが…
個人的にはそんな事よりDPFや尿素SCRのトラブルを無くす為に注力した方がよっぽどコスト削減出来ると思いますけど…

まあとにかく壊れない事を祈るのみです…笑



お次はエンジンがかからない…との事でヘルプのプロフィア …
どうやらウチが7月に車検をやったばっかりだそうで出張で対応。

結果的にバッテリー不良でした。(それはそれで情けない話ですが…)


で、バッテリーを新品に交換後、ダイナモの点検などをしてると…




発電量は問題無かったものの…


本体の取付けボルトが…


締め付け不足…


ワッシャーが微妙に浮いてるのが分かると思います…
緩んでコレなのか最初から締め付けが甘かったのかは定かではありませんが…
こういう所は本当に気を付けて欲しいですね…

ベルトも張りが甘かったので再調整して…


キチンと締め付け。
一目瞭然でしょ?


こちらも完了。



最近はこんな感じで車検整備をメインにやってるのでネタがありません…笑

今まではトラブルシュートや重整備はほぼ私が担当していましたが、最近は他のメカに担当してもらい私はなるべく当たり障りのない車検などを自ら担当してます。

少しづつですが引き継ぎの準備です…

前にも少し記事にしましたが…
今の会社を退職する事に決めました。

まだ会社には伝えてませんが、なるべく現場に急な負担をかけないようにしたいので一部現場のメカには既に伝えてあります…
時期については会社との調整次第ですが、私としては最長でも年内いっぱいで考えてます。

ちょうど1年程前から環境を変えたいと思い始めた時から色々と自分の方向性を模索していましたが、今後の方向性もおおかた決まりました。

不思議な出会いがいくつもあり…
偶然の重なりなのか、それとも必然なのか…
このタイミングで起きた事も運命だったのかなと思うほど…

私はあんまりそういうのを信じるタイプでは無かったんですけどねぇ…笑

まあとにかく…
方向性が決まり、覚悟さえ決めてしまえば後は全力で頑張るだけですね…


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お盆休み…

2018-08-14 17:53:08 | 整備
2018年も、もうお盆休み…



そうこうしてるうちに気が付いたらもう年末だ…なんて事を言ってるんだろうなぁ…



盆前ではなく少し前の作業ですがサラッと。


スピンドル径が摩耗基準値を大きく超えたトレーラー…

全軸のベアリングのインナーレース部のガタが大きくなっており…
このまま使用するのは危険だったので、お客様には状況を説明し、修理するかどうかの判断待ちだったんですが…

廃車になると思ってたんですが、結果的に修理する事に…


スピンドルの摩耗修理といっても基本的には再生か交換しかありません。

専門業者にて車軸のスピンドル部を切り落とし新品スピンドルを溶接してもらうか…
車軸ASSYで交換するかしかありません。

一昔前までは溶射や肉盛修理を行なっていた業者もありましたが最近では保安上の理由から車軸に行なう事は無くなりました。

勿論、スピンドル交換と言ってもスピンドル部だけ部品が出るものに限りますが…

この車軸はスピンドルだけ部品として出たんですが、再生修理は時間がかかる為、新品に交換する事になりました。

という事で車軸を降ろし…


チャンバー、Sカム、シューなどは再利用する為に移植…
ベアリングは当然、新品です。



この2枚しか画像ありませんでした。笑


ちなみに新品の車軸は1本約100万です…

3軸車なので車軸だけでざっと300万…
それにUボルトやらベアリング、ショートパーツを考えると…


あー恐ろしや。





他にも今ではだいぶ板についてきたオートコン修理…


これも初めて手を付けた頃は部品や情報の無さに色々と苦労しましたが、少しずつ実績も出来てきて今ではメンテナンスも含めた修理を依頼して頂けるまでになりました…


今回の車両も作動点検してると右と左のコンベアで動きに違和感があったのでよく調べてみると…
左右で差が出来ており…




詳しく見ると明らかにズレてます…



これ、左右のチェーンの位置関係がズレるとこのような状態になります。

ただ構造上、使用過程でコマがズレる事はあり得ないので、いつからかチェーンを外した業者が1山ズレたまま組み付け、そのままズレた状態で使ってたんでしょうね…

当然、左右でズレがあるとチェーンにも負担がかかるので修正しときます。


コマ位置を適正な位置にするとこんな感じ。


無事正常に戻り完了。



それから車ではありませんが嫁からの依頼…


使ってる時にコードから火花が出たという掃除機…

調べるとプラグの根元の被覆が剥がれショートしたようです…






メーカーに修理を頼むと15000円程かかるようで、さすがに掃除機の修理にそんなに払うのはアホらしいのでホームセンターで汎用のプラグを買ってきて自分で修理する事に…




完成…


見た目は気にしません…笑

他にもブラシが回らないとの事でしたがこちらはベルトが外れてるだけでした…









それからちょっと前に職場に来た悪魔の誘惑…笑

東京から遥々来たというスナップオントラック…
中には色んな箱がたくさん…

正直、今の工具箱はもう手狭です…
工具は増える事はあっても減る事はありませんから…
そこにきてこんなん見せられたら…

ねぇ…笑


現実的に良いなと思ってるのがKRL722…



でも生で見ちゃうとそのデカさが魅力のEPIQ…
サイズも値段もヘビー級です…



あー見ると欲しくなる…笑



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最近の作業…22

2018-07-28 20:14:39 | 整備

まずは以前の記事にも書いた車検で入庫していたトレーラーが整備中にフレームの亀裂が発覚した件…

とりあえず応急修理から戻って来たので引き続き継続車検の整備を行なっていきます…


こんな感じに亀裂の入っていたフレームは…





部分的に切り抜き移植されて返って来ました。


コレ補強じゃなく赤線の部分を切り抜いて同じ板厚の材料をはめ込んで溶接してあります。



でも…

メーカーとしては一度亀裂の入ったフレームは基本的には交換するそうで…

その為、今回は応急との事。


まあタンクローリなのでフレームというかドーリーASSYでの交換になるんでしょうね…



そりゃエライこっちゃ…




とりあえず車検整備の続きを…
引きずって溶けてしまっていたABSセンサーやブレーキシューも新品に交換。







無事にチェックランプも消え、過去故障コードも消去して完了。



お次はつい先日エンジンチェックランプが点灯してEGRバルブを交換したプロフィア …



またまたチェックランプが点灯したとの事で入庫…
今現在は点いていませんが…


診断機で故障コードを確認すると尿素SCRシステムでした。


下流側NOxセンサーの故障…
定番ですね…



しかしNOxセンサーってホントよく壊れますね…
その大半がセンサ部への水分付着による故障なんて話もありますが…
NOxセンサに限らず、空燃比センサやO2センサもそうですがセンサ部への水分ってNGですからね…

でもマフラー内と外気温の差で結露により発生する水分は防げませんし、エンジン制御による排気熱でその水分を早期に蒸発させる事もしてるようですが、それが上手くいってないって事なんでしょうか…
尿素SCR触媒で発生した水分は温度からも即蒸発するでしょうし…

水分による故障じゃないとしたら単なる耐久性不足とか…


まあどういう理由か定かではありませんが、とにかくよく壊れます…

イイですよ?それが数千円の物なら…

でも一個5万オーバーですから…
車によってはそれが2個も付いてる訳ですから…

今回のプロフィアは先月にもEGRの故障で15万近い部品代がかかってます…
それに加えて今回のNOxセンサ×2で10万超え…

困ったもんです…


まあ文句を言った所で直る訳では無いので交換するしかないんですけど。





ちなみにセンサーを取り外した穴から内部のDPFやSCR触媒をファイバースコープで確認…
こちらがDPF出口側…






約40万キロ走行していても、まっさらでキレイです…
これが正常な状態なんですよね。

前回書いた尿素水が混入したプロフィアのDPF状態はこんなんでしたからね…


SCR触媒出口側も正常な車両は当然ですが煤の付着はありませんが…


同じく前回のプロフィアのSCR触媒出口側はこんな状態。




それはそれとして…
NOxセンサを取り付けて完成…





その後NOxセンサがキチンと仕事をしてるか確認…
DPRを強制再生させてNOxセンサによるSCR制御に移行させます。
燃焼温度は問題なく昇温…


前後のNOxセンサは正常に機能してます…




という事でプロフィア も完了。




お次もエンジンチェックランプが点灯した…との事で入庫したPA-FK71ファイター。
おまけにエンジンに力が無いような気がするとの事。

こちらも今現在はチェックランプは消えております…


走行距離は8万キロほど…
故障コードを確認すると…


色々と入っておりますが、気になるのはDPF目詰まり…

とりあえずデータを確認するとアイドリング状態にもかかわらず、差圧は8.0kPa…

明らかに高いですね…

更に全開時は…


67kPa…‼︎‼︎⁉︎
最大値は70kPa超え…

コレは異常な差圧です…

次に差圧センサが正常かどうかを確認する為に差圧ホースのマフラー側を取り外し大気圧対大気圧の状態にしてもう一度差圧を測定すると…



差圧は1kPaに…



という事で、差圧センサは正常に反応してるようです。

なので…

これはDPF内部のふん詰まりで間違い無さそうです…

ただ、この車両も微量ながらマフラー出口からは黒煙が出るので…
恐らくフィルターは溶損しているでしょう…
DPF詰まり&溶損による排気抵抗増、その為エンジンに力が無いと感じるんだと思います。

問題は何故DPFが詰まったのか…

燃料フィルターケースからサンプルの燃料を少量抜いてみるも特に問題は無さそうでした。

個人的に気になるのはコレ。




スパレスタ…です。

いまだに多くの石油精製工場や科学薬品工場なんかでは乗入れ車両に取り付けが義務化されてる所もあるようですが…
このスパレスタはマフラーから出る火の粉を防止する為の物で…
もともとはアメリカで発生していた山火事の原因が自動車やバイクなどの内燃機関から発生した火の粉がマフラーを通り抜けた事により、火災が発生したと言われており、その火の粉の飛散を防止する事を目的として普及した…なんて話は聞いた事があります…

まあ昭和の車なら十分あり得る話だと思いますが…(特にアメ車では…)
その時代からはもう30年以上も経つんです…

そういう意味で最近の車にスパレスタが必要かどうか。


私は必要無いと思います。


だって今時の車でマフラーから火の粉が出るなんてあり得ないでしょうに…笑


もっと言えば最近のDPF付き車両のマフラーエンドにスパレスタなんかつけたら間違いなく排気抵抗の増大に繋がりますよね。
そうなると必然的にECUは正確な差圧が分からなくなってきます…
正確な差圧が分からないという事はDPFの再生制御にも関わってきて、差圧を高いと誤判定する事で無駄に再生しようとする訳です。

つまり…

百害あって一利なし…状態。


という事でこちらはDPF交換とスパレスタ撤去の見積りです…



最後は何かの部品?の製作依頼。

整備工場ですが依頼があればこんなも仕事も受けます…笑

アルミ板をレーザーで切り抜きされた板にリブを溶接して欲しいとの依頼です。



リブの位置はツラから10mmの所にという指定なのでその通りに。
リブを仮付けして溶接ビードの長さを均一にする為にマーキング。




で、本溶接。







同じ物を何個も製作…






TIG溶接もトーチを水冷にしないとアルミの連続溶接の場合、熱くてトーチを持ってられない程になります…
まあ軍手で溶接してるのがそもそもいけないんでしょうけど…

しかも最初の1個目よりも最後の方が溶接が明らかにキレイになってる…笑




最初からこのレベルで溶接出来なきゃまだまだ未熟物ですね…


あとは引き取り待ちです…




お盆休みまであと少し…



しかし暑いですねぇ…




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最近の作業…21

2018-07-03 20:46:58 | 整備

まず、前回の記事について予想を超える反響が色々とあったので誤解を防ぐ為に説明を…

環境を変えようとしているのは事実でそのように行動はしていますが、今のところまだ会社に退職の意思を示した訳ではありません。
あくまで自分の計画の話ではありますが引き継ぎなども含めて年内いっぱいは現在の職場にいる予定です。

沢山の方からコメントやメッセージにて激励や厳しいお言葉を頂き大変嬉しく思います。
ありがとうございます。

また話が進み次第ご報告しますm(_ _)m








という事でブログはまだまだ続きます。


なんだかんだでこの最近の作業シリーズも21回目…

単発でのネタにはちょっと足らないちょいネタを集めたバージョンで、題名に困らないので便利です…笑


まずは車検で入庫した1軸タンクトレーラー。


引取り時にABSのチェックランプが点灯していたのでお客様に説明してそちらも修理する方向に。


今の検査基準ではチェックランプが点灯したままでは車検に受かりませんので修理が必要です…

まあ中には見て見ぬ振りする業者もいますが…


現車はEBS対応トレーラーで、このタイプから自己診断機能が無くなり、専用の診断機が無いと故障コードすら確認出来ないみたいです。
とりあえず診断機を繋ぎ故障コードを確認…




現在故障でホイールセンサーのハーネス断線のコードが…


という事で車検整備と合わせてホイールセンサーを点検する事に。

ピットに入れ足廻りをバラし…




ホイールセンサーを見てみると…


樹脂部が溶け落ちてる…
コレはブレーキが引きずって相当な熱がかかったと思われます…

反対側は大丈夫…


片側だけ引きずったみたい。
問題は何故引きずったのか…

点検するとブレーキシューのアンカー部がガタガタ…


Cリングも摩耗はしてますがそれ以前にシューのホールド部分が広がっちゃってます…


コレ実はBPW軸のブレーキシューにはたま〜にある症状だったりします…
国産と違いシューのアンカー部が半円状になってる為、強度が弱いんでしょう…
国産みたいに固着しないというメリットはありますが円状と半円では強度に差が出るのは間違いないでしょう…

ここが広がっちゃうと残念ながらシューの再使用は不可能な為新品のブレーキシューになっちゃいます。

ベアリング類も念入りに点検…


溶けたABSセンサーは取り外し…


とりあえず部品の手配。
普通は部品商や製造メーカーに問い合わせるのがスタンダードですが…
BPWの場合車軸ナンバーからその車軸に使われてる部品の特定が簡単に出来るのでコーションプレートの確認…


ここは色塗らないで欲しいな…
色剥がすの大変だから…笑

で、My BPWからパーツナンバーを特定…


そのパーツナンバーを部品商に伝えれば部品間違いが無く確実です…

で、部品の手配も終わりシャーシブラックを塗ろうとエアブローしてると衝撃的なモノが…

初めは腐食して表面が浮いてるだけかと思ったフレームが…



よく見ると完全な亀裂…





コレは恐ろしや…
これでは車検に受かりませんので修理が必要です…
補強材を溶接するのが現実的でしょうね…
ドーリーを換える訳にはいかないでしょうし…

どちらにしてもウチでは燃料運搬用タンクローリーの溶接作業は怖くて出来ません…笑

という事でメーカーと相談。
結果が出るまで一旦作業は中止です…





お次もトレーラー。

ABSのチェックランプが点く…という事で入庫しました。

確認するとABS警告ランプとABS未接続を示すランプが同時に点灯しており…


通常ならこのように両方が同時に点灯する事ってあり得ないんです…

ABS警告ランプはABSコンピュータに電源が入る事により異常を検知して点灯しますが、逆に未接続ランプは連結時にABSコンピュータに電源が行ってない事を示すランプなんです…

つまり矛盾してる訳です…

とは言え、実はコレもたまに遭遇するトラブルで…

過去にあったケースでABSコネクタからコンピュータ間のハーネスが中途半端に切断されていた事で両方が同時に点灯してた事もありましたが…

それより更に多いケースとしてよくあるのがABSコンピュータ側コネクタの接触不良。

しかもクノールのKB4TAというタイプのABSに圧倒的に多い事例です…


ABSモジュレータ上部のカバーを外すと…


各ポートにコネクタがささっていますが…

コレ…


コネクタは接続されているように見えますが、実際にはもっと奥まで入るんです…

キチンと接続すると…


ね?笑


理由は恐らくトレーラー側で溶接作業をする時にABSコンピュータへの流電を防ぐ為にコネクタを外して溶接をするんですが…
作業が終わったあと、コネクターを接続する時の挿入が甘いんです。

おまけにこのKB4TAはコネクタが挿しづらいというのも相まってこのようなヒューマンエラーが発生してしまいます…

何らかの理由でコネクタを外した時はキチンとツメが掛かるのを確認する事で防げます。

その後は両方ともチェックランプも消えて正常になり無事終了です。





そして厄介な状態の車両が入庫…


28年式のSHプロフィア…
走行は僅か8万キロほど…

お客様曰く、マフラーから黒煙が出るようになった…との事でディーラーさんに持って行ったらしいのですが…

ディーラーから提示された修理代は驚愕の200万超え…

ビックリした担当者さんがディーラーに『どうなってるんだ⁉︎』と問い詰めたところ…
ディーラーさんからは『コレ…燃料に尿素水が混じっちゃってます…恐らく運転手さん燃料タンクに間違えて尿素水を入れちゃってますよ…』
と言われたそうで…

担当者さんが運転手さんに確認したところ2ヶ月前に燃料タンクに間違えて尿素水を入れてしまった事を認めたらしく…

担当者さんもトーンダウン…笑


ただ、自分側の責任とはいえ200万もかかる修理をすんなり通せる訳もないらしく…

本当に200万もかかるのか⁉︎
もっと安く済む方法は無いのか⁉︎

そこでウチに依頼がきた次第です。

お客様の気持ちも分かります…
いきなり200万オーバーの修理代をOKする訳にもいかないでしょうから…

ただディーラーの担当者さんから話を聞く限りだと状態はあまり芳しくないようです…

まず記録データでは排気温度が1000℃まで上がっていたらしく…
その状態でマフラー出口から黒煙が出る…というのはDPFの溶損を意味します。
通常なら黒煙であるPMはフィルターでほぼ100%捕集されますから。
その上DPFが溶ける程の温度となれば尿素SCR触媒も無事かどうか…

更に異常燃焼を起こすほどPM過多になるという事はインジェクターの噴射状態も含め燃調が良くない事は容易に想像出来ます。

問題は燃料に尿素水が混ざった事によりサプライポンプまでダメージを受けてる可能性が高い事。

基本的に尿素水優勢なら当然エンジンはストールしますが、今回はエンジンが止まるほどの量では無いけど機構に悪影響をもたらすほどの量が混入したと思われます。

運転手さんはネットで燃料タンクに尿素水を間違えて入れた場合の情報を調べた所、問題無いとの趣旨の情報を得たらしく報告しなかったらしいですが…
中には燃料に尿素水が混ざると排ガスがキレイになるなんて馬鹿げた情報もあったらしいです…笑

ネット情報を100%信じないで下さいね…
勿論、真実が書いてある事もありますが素人が適当な見解で情報を載せてる事もあるので…


ただ、個人的に1つ気になる事があり…

ドライバーさんの話だとセジメンタのウォーニングランプは点灯しなかったとの事。

これがどうにも納得いかない事なんですが…

尿素水は水に尿素を溶かした水溶液で67.5%が水で32.5%が尿素です…
つまり、7割水で3割尿素…

そんな7割水の液体が燃料に混入したのにセジメンタのフローセンサーが反応しなかったというのがどうにも腑に落ちない点でもあるんですよね…


実際に燃料を少し抜いてみるとコレですよ…


真っ黒け…
恐らくエンジンオイルが混入してます。

それからディーラーさんから預かった古いフィルターはこんな状態。


混入した尿素水が結晶化してます。

この状態から現状では尿素水が燃料に混ざった事により不具合を起こしたと考えるのが妥当です…

燃料に尿素水が混入→混ざった燃料は潤滑性が低下しサプライポンプのメカニカルシールを損傷→損傷したメカニカルシールからエンジンオイルが燃料に混入→燃料品質が著しく低下しインジェクターの機能低下→噴射状態が悪くなり排ガスが悪化→PM過多になりDPFに堆積→DPF内で異常燃焼を起こしフィルターが溶損→マフラーから黒煙が出た…

順当に考えればこんな感じでしょうか。

ディーラーさんは燃料系統の総交換とマフラーASSYの交換を提示した為200万を超える修理代になったと思われます。

ただ個人的には決して間違った見積りでは無いと思います…
後々のトラブルを考えたらその都度掛かる時間や費用を考えて全交換というのは選択肢としてはアリだと思います…

ただし、今回はお客様の要望で『何とか抑えたい。結果的にその金額になったらその時は諦める』との事なのでウチとしては出来る限り慎重に診断して少しでも費用を抑えれるよう段階的に修理を進めていく事にしました。

まず燃料があんな状態なので今現在内部に溜まってる燃料を抜き、綺麗な燃料を給油、燃料フィルターもディーラーさんでも交換したようですが、もう一度交換します。






新品のフィルター…



プレフィルターや接続されるゴムホース類も交換。




綺麗な燃料を50リッター給油して燃料のリターンホースをタンクに戻さず外部に排出…


そのままエンジンを始動してリターンの燃料の状態を点検します…




リターンしてきた燃料…


色はやはりおかしいですね…

燃料が無くなるまでエンジンを回しリターンしてきた最後の方の燃料を採取。

まずコレが給油した燃料の色。


で、こちらが戻ってきた燃料…



並べてみるとこんな感じ。


ここで綺麗な燃料がリターン側に戻ってこればという淡い期待もありましたが…
この違いからサプライポンプからのオイル混入は現在進行形と思われます。

このサイクルが繰り返され入庫時のようなドス黒い色になったんでしょう。

という事でサプライポンプの交換は必須となります…

更にマフラーから黒煙が出る時点でDPFは内部で溶損してると思われ交換が必要です。

尿素SCR触媒は分解時に内部状況を点検して判断する事に…

インジェクターの補正値は意外にも悪くはありませんでしたが、過度な期待は辞めときます。笑

なので現状サプライポンプとマフラーの交換は決定的になりました。
インジェクターはポンプ交換後洗浄剤を注入して要経過観察、尿素SCR触媒は分解時に点検といった感じ。

とりあえず部品を手配して現在作業待ちです。

今回のような燃料タンクに尿素水を間違えて入れるトラブルは遅かれ早かれ入庫するだろうと想定はしていましたが…
尿素水を間違えて燃料タンクに入れてしまった場エンジンをかけずにその場で燃料を抜き替える事。
これで損失を最小限に抑えれる上、無用なトラブルは防げます。

尿素水タンクに間違えて燃料を入れた場合も同じです。

間違ってもネットのデマ情報を信じないで下さいね…笑


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